高岡大仏とは?歴史・見どころ・周辺観光スポットを紹介

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高岡大仏とは?

富山県高岡市にある「高岡大仏」は、高さ約16メートルの阿弥陀如来坐像です。仏身(大仏そのもの)は7.43メートル、台座部分は8.42メートルあります。

高岡は古くから銅器づくりが盛んな町で、その高い技術を生かして1907年(明治40年)から1933年(昭和8年)の長い年月をかけて高岡大仏を作り上げました。地元の職人たちが、溶かした金属を型に流し込んで少しずつ形をつくり、丁寧につなぎ合わせて仕上げています。

高岡大仏の顔立ちはどこかやさしく、地元では「日本一の美男」と呼ばれるほどです。光を受けてやわらかく輝くその表情は、長い年月が過ぎても変わらず多くの人々を惹きつけ続けています。また、高岡大仏は市民から”だいぶっつぁん”の愛称で親しまれ、季節の行事やお祭りでは多くの方が参拝に訪れます。

地元民にとっては、観光名所であるだけでなく「いつも見守ってくれる大仏様」として暮らしに溶け込んでいる存在といえるでしょう。

高岡大仏の歴史

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz/

高岡大仏は、13世紀に越中・射水の武将・源義勝が京都から仏師を招き、約5メートルの木造大仏を建立したことから始まります。1609年(慶長14年)には、加賀藩主・前田利長が高岡の町を開き、現在の地へと移して町の象徴としました。以来、大仏は高岡の人々にとって、平穏を祈る存在として親しまれてきました。

しかし、高岡大仏は1821年(文政4年)と1900年(明治33年)に発生した大火で二度焼失しています。焼け残った金銅仏を守りながらも「もう二度と失いたくない」という強い思いが町に広がりました。1907年(明治40年)には、銅製の大仏を造る計画が正式に立ち上がり、市内の名士たちが寄付を募ります。鋳物の町・高岡ならではの技術を結集し、延べ26年の歳月をかけて1933年(昭和8年)、現在の青銅製の大仏がついに完成しました。

その後も、1958年(昭和33年)には円光背の取り付け、1981年(昭和56年)には境内整備、2007年(平成19年)には再塗装などの大規模修復が実施されました。長い年月を経てなお、穏やかな表情で町を見守る高岡大仏は、再建に携わった人々の努力と信仰を今に伝えています。

高岡大仏の見どころ

高岡大仏は、堂々とした像はもちろん、境内に足を踏み入れると、ゆったり楽しめる見どころが広がっています。大仏と境内の両方を体感することで、訪れる時間がより特別に感じられるでしょう。

ここでは、高岡大仏や境内ならではの見どころを3つ紹介します。

迫力ある「仁王像」をはじめとする境内

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz/enjoy_yard

高岡大仏を訪れると、仁王像をはじめ境内にも見どころがたくさんあります。どこを歩いても発見があるため、知っておくと参拝がもっと楽しくなるはずです。

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz/enjoy_yard

高岡大仏の境内に足を踏み入れると、まず出迎えてくれるのが一対の仁王像です。守護神でる阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の像が左右に立ち、参拝の入口を守る存在として訪れる方を見守っています。筋肉の張りや衣の流れまで丁寧に表現された造形は、まさに高岡の鋳物技術の粋を集めた逸作品といえるでしょう。

参道を進むと、高岡銅器の技術が施された灯籠や香炉、手水、観音像があり、大仏寺では御朱印やお守りを授かることができます。境内の雰囲気を感じながら歩けば、大仏へと向かうひとときがより充実したものとなるでしょう。

台座内部(回廊)の展示

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz/chara_pedestal

参道の先にあるのが、メインとなる高岡大仏です。そして、大仏の台座の中には外から見えない静かで落ち着いた参拝スペースがあります。

内部を囲む回廊には、富山の歴史と深く結びついた特別な仏画が展示されています。13枚の仏画は、かつて高岡駅前の「末広町通り」に立っていた巨木「七本杉」を材料にしたものです。樹高約40メートル、幹周り12メートルという圧倒的な大杉で、1609年の高岡城築城以前から存在していたと伝えられています。

伐採後、この杉は地元画家たちの手で仏画として生まれ変わりました。「仏の世界」「人の世」「地獄の世界」をテーマにした作品があり、特に地獄絵は、細部まで描き込まれたリアルさが印象に残ります。

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz/chara_pedestal

台座の回廊には、焼失した二代目高岡大仏の「ご尊顔」とされる仏頭も展示されており、訪れた人々が歴史を身近に感じながら手を合わせることができます。外で見る堂々とした大仏とは違い、内部にはゆったりと祈りの時間を感じられる静けさが広がっています。

年に一度の「大仏まつり」

引用:https://www.takaokadaibutsu.xyz

高岡大仏では、毎年9月の秋分の日に開催される御身拭い(おみぬぐい)行事「高岡大仏まつり」も大きな見どころです。

白装束を身にまとった僧侶や関係者が台座の上に登り、仏像の汚れを布でやさしく拭き取ります。一年に一度だけ大仏に直接触れることが許される日で、日々のご加護への感謝と、これからの平穏を祈る気持ちが込められているイベントです。清掃後は、一般の参加者も大仏様の台座に上って参拝できます。

御身拭いの後は、交通安全を祈る法要が実施されます。高岡大仏とゆかりの深い坂下町極楽寺の住職を導師に迎え、市民の無事故を祈願します。

「高岡大仏まつり」は、にぎやかなお祭りというよりも、感謝と祈りを捧げる「心の行事」といえるでしょう。訪れた方も一緒に手を合わせることで、地元の人々が長年大仏とともに歩んできた歴史を感じることができるでしょう。

高岡大仏周辺の観光スポット3つ

高岡大仏を訪れたら、ぜひ周辺の観光スポットにも足を延ばしてみましょう。大仏の荘厳な雰囲気とはまた違った、高岡の魅力が感じられる場所がすぐ近くにあります。中でもおすすめの観光スポットを3つ紹介します。

1.高岡古城公園

© (公社)とやま観光推進機構

高岡大仏から徒歩約5分ほどの場所にある「高岡古城公園」は、前田利長公が築いた高岡城の跡地を整備した広大な公園です。約21万平方メートルの敷地は、四季折々の自然に包まれ、春は桜、秋は紅葉が美しく彩ります。

日本100名城にも選ばれており、歴史散策にもぴったりです。前田利長公ゆかりの地を歩けば、高岡大仏が見守ってきた、高岡の歴史の流れをより深く感じられるでしょう。

「高岡古城公園」については、こちらでも紹介しています。

場所高岡古城公園
住所富山県高岡市古城1-9
アクセス〈車〉
「新高岡駅」より約10分
「高岡IC」より約10分
「小杉IC」より約20分
〈電車〉
「高岡駅」より徒歩10分
万葉線急患医療センター前電停より徒歩3分
氷見線越中中川駅より徒歩4分
公式サイトhttp://www.kojyo.sakura.ne.jp/index.shtml
問合せ先0766-20-1563
営業時間24時間
(管理事務所は8:30~17:15)
定休日なし
駐車場あり(小竹藪駐車場、北口駐車場)

2.amida coffee

引用:https://www.instagram.com/amidacoffee/

「amida coffee」は、高岡大仏のすぐ隣にあるカフェです。看板メニューには、大仏の顔をラテアートで描いた「大仏ラテ」や、大仏型のおみくじ付きベビーカステラ「高岡大佛カステラ」などがあります。

2階席からは、下から見る顔とはまた違った姿が見られます。大仏の穏やかな表情を見ながら心までほぐれるカフェタイムを楽しめるでしょう。

場所amida coffee
住所富山県高岡市定塚町1238
アクセス高岡駅より徒歩15分
公式サイトhttps://amidacoffee.com/
公式Instagramhttps://www.instagram.com/amidacoffee/
問合せ先0766-75-8377
営業時間9:30~18:30(L.O.18:00)
定休日無休
駐車場大仏様背後 8台
境内横 4台
※その他近くに有料駐車場あり
高岡市営御旅屋駐車場、24時間営業

3.ドラえもんの散歩道

引用:http://www.suehirokaihatu.co.jp/archives/575

「ドラえもんの散歩道」には、ドラえもんやのび太、しずかちゃんなど、人気キャラクターたちの銅像が並んでいます。全12体の像は、高岡が誇る伝統の銅器技術によって制作されたものです。

高岡はドラえもんの生みの親・藤子・F・不二雄先生の出身地でもあり、作品の世界に触れられるスポットとして人気があります。

銅器のぬくもりを感じながら歩くことで、大仏づくりにも受け継がれている高岡の職人技をより深く感じられるでしょう。

場所ドラえもんの散歩道
住所富山県高岡市末広町1-7
アクセス〈電車〉
「高岡駅」より約2分
公式サイトhttps://fujiko-artgallery.jp/
(高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー)
公式Instagramhttps://www.instagram.com/fujikoffujiohometownartgallery/
(高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー)
問合せ先0766-20-1170(高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー)
営業時間24時間
定休日無休
駐車場なし

時間を有効に使って高岡観光を楽しみたい方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。

富山の歴史を見守り続ける高岡大仏

幾度もの火災や再建を経て、今も変わらず高岡の街に佇む高岡大仏は、町の方々の信仰とものづくりの誇りが形になった象徴です。銅器のまちとして発展してきた高岡だからこそ生まれた高岡大仏は、単なる観光名所ではなく、地域の歴史や文化を語り継ぐ存在といえるでしょう。

大仏の穏やかな微笑みを見上げていると、長い年月の中で人々が守り、支えてきたぬくもりが静かに伝わってくるようです。富山観光に訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

場所高岡大仏
住所富山県高岡市大手町11-29
アクセス〈車〉
「新高岡駅」より約10分
「高岡IC」より約10分
「高岡砺波スマートIC」より約20分
〈電車〉
「坂下町」停留所から徒歩約5分
「高岡駅」北口(古城公園口)より徒歩約10分
公式サイトhttps://www.takaokadaibutsu.xyz/
問合せ先0766-23-9156 (寺務所)
営業時間6:00〜18:00 (台座回廊拝観時間)
定休日年中無休
駐車場大仏様背後 8台
境内横 4台
※その他近くに有料駐車場あり
高岡市営御旅屋駐車場、24時間営業
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トイエバ編集部

トイエバ編集部

様々な富山の情報をお届けするトイエバ編集部です!

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