富山県入善町に、大正時代から残るかつて旅館だった建物をリノベーションしたカフェ「やさいとエトセトラ」があります。
店主の鍜冶麻里奈さんは、生まれも育ちも入善町。カフェでは彼女の大好きな入善町をはじめ、朝日町や黒部市など新川地区で採れる新鮮な野菜を使った心と身体にやさしい料理が楽しめます。
鍜冶さんの地元愛があふれる「やさいとエトセトラ」を野菜ソムリエの私が紹介します!
やさいとエトセトラとは?


富山県入善町の商店街から少し道に入ったところに、野菜模様ののれんが目印の「やさいとエトセトラ」があります。おいしい野菜をたくさん取り入れた、健康になれる食事を提供したいと、2024年12月、鍜冶さんは高校生の頃からの夢だった店をオープンしました。
使う野菜や米のほとんどは「よしだファーム」や「チュリストやまざき」(朝日町)、「ハセガワ農園」(黒部市)や「蒼ファーム」(入善町)など、富山でも有名な農家さんから仕入れるものばかり。
開店直後より“やさとら”の味を求める地元のリピーターや、SNSを見て訪れる外国人観光客で賑わっています。
やさいとエトセトラの新川LOVEなメニュー
①“やさとら”のやさしい「蒸籠蒸しランチ」

せいろのフタを開ければ、ほわっと立ち上がる湯気とともに現れるカラフルな野菜たち。気分も華やぐ野菜は、10品目以上。黒部名水ポークの肉巻きもあってボリューム満点です!

この日の肉巻きは、富山のブランド野菜“新川きゅうり”とオカヒジキ。生でいただく新川きゅうりも美味しいのですが、あえての温野菜。温めても食べ応えのある新川きゅうりは、甘さも増してとってもジューシーです。
「きゅうりは身体の熱を取ってくれる夏野菜ですが、クーラーなどで冷えた身体には、温めて食べるのもオススメなんです」と鍜冶さん。料理をいただく人への思いやりを感じます。

せいろ蒸しは、「豆乳マヨ」「ポン酢」「ごまだれ」の3種類ある自家製のつけだれの中から2つ選びます。
私は「豆乳マヨ」と「ポン酢」をチョイス。豆乳のマヨネーズってマヨのパンチが足りないのでは!?と思ったのですが、それは全くの勘違いでした。

卵のかわりに豆乳を使う「やさいとエトセトラ」特製の「豆乳マヨ」は、豆乳の風味がやさしくもコク深く、野菜や肉との相性がいいんです!
「卵アレルギーのお子さんにも食べてもらえるマヨネーズを作りたかった」と話す鍜冶さんのやさしさに、またひとつ触れたのでした。

私が最も注目したのが、この具沢山な味噌汁。驚いたのは、キノコ類、葉物、根菜など常時6~7種入る具の量だけでなく、その作り方にありました。
ダシは、鰹と昆布。味噌は、富山県入善町の老舗「丸善醤油」のものと無添加味噌の独自ブレンド。でも、きっとそれだけではない、なんとも言えないやわらかな味わいがあるんです。
聞けば、最初に野菜の“重ね煮”をしているとのこと。野菜を層状に重ねて少しの水でじっくり煮ることで、野菜の自然な甘みや旨みを存分に引き出しているそうです。これは本当に、みなさんに味わっていただきたい!
②いろいろ変わる「やさとらスパイスカレー」

提供:やさいとエトセトラ
「やさいとエトセトラ」の人気メニュー「やさとらスパイスカレー」。オリジナルのカレーは、スパイスやバターチキン、ポークトマトにアサリカレーなどなど、ほぼ週替わりで登場します。
ルーの中にも、たっぷり野菜が煮込まれているのに、さらにトッピングされる野菜。蒸し野菜や焼き野菜、マリネした野菜にゆで卵、サラダも付いてくる満腹カレーです。
③ちょっと軽めに「ブランチ蒸籠」
提供:やさいとエトセトラ
少し軽めのランチをという方には「ブランチ蒸籠」がオススメ。お子さまにも、ちょうどいい量と好評です。
野菜や卵、ソーセージと一緒にせいろで蒸すのは、鍜冶さんの大好きな、富山県魚津市にある「パンと焼き菓子の店てくてく」のこだわりパン。こちらには、旬の野菜で作るポタージュも付いてきます。
④丼で食べたい「なめらか~なぷりん」

提供:やさいとエトセトラ
カフェタイムだけでなく、ランチ後のデザートにもよく出るという「なめらか~なぷりん」。甘さを控えた蒸しプリンで、丼で食べたい!という根強いファンもいるそうです。
トッピングの果物は、富山県入善産のイチゴやラズベリー。季節にあわせてブルーべリーやスイカ、桃、柿など旬のフルーツに変わります。
運命的に出会った古民家

鍜冶さんと古民家との出会いは運命的なものでした。
違う物件を見に行く日、たまたまぽっかりと空いてしまった時間に、普段歩かない道を進み、目にとまった古民家に一目ぼれ。その後も、どうしてもこの古民家に行きつく偶然が重なり、“勝手に運命を感じてしまった”と、鍜冶さんは心を決めたそうです。



昔の面影を残す欄間はそのままに、天然素材の壁や野菜をモチーフにしたタイルの床などモダンにリノベーションどこか懐かしく、ほっとする空間には、下は0歳から80代の方まで食事を楽しみにやってきます。
時代を越えて賑わうホットスポット

この建物が、大正時代は旅館として、昭和の時代には隣接する歯医者さんの邸宅として使われていたことを知った鍜冶さん。
食事に来た年配の方から、歯医者さん宅の二階で映画を観せてもらったという当時の思い出話を聞き、時代を越えて人が集う場所だったのだなぁと実感したそうです。

店内の奥に広がる部屋や二階のDIYを少しずつ進めて、今後はマルシェなどのイベントを開催していきたいと、次なる夢を教えてくれました。

「やさいとエトセトラ」の“エトセトラ”には、生産者さんやお客さんなどの人、地域、時代のつながりを大切にしたいという鍜冶さんの思いが込められています。
その名の通り「やさいとエトセトラ」が食事だけでなく、この先、様々な交流が生まれる場所になっていくのが楽しみです!
店名 | やさいとエトセトラ |
住所 | 富山県下新川郡入善町入膳7144-11 |
公式Instagram | https://www.instagram.com/yasai.to.etc/ |
営業時間 | 11:00~17:00 (ランチ11:00~15:00 LO14:30) |
定休日 | 日・水・木曜日 |
駐車場 | 入善町セントラルパーキング |
問合せ先 | InstagramのDMより |
予約可否 | 可 |
決済方法 | 現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード |
座席数 | カウンター2席・テーブル10席・小上09がり8席 |