越中八尾曳山祭とは?歴史や見どころを徹底解説

越中八尾曳山祭は、富山市八尾町で毎年5月3日に開催されるお祭りです。飾りが豪華な6基の曳山や2,500個の提灯が光る提灯山車などで、町全体が祭り一色になります。

本記事では、越中八尾曳山祭とは何か、歴史や見どころについてくわしく紹介しています。富山在住の方や富山観光に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

越中八尾曳山祭とは?

©(公社)とやま観光推進機構

越中八尾曳山祭は、富山市八尾町で毎年5月3日に開催される伝統的なお祭りです。このお祭りは、江戸時代に富山藩の御納戸所として繁栄した八尾町の町人文化を象徴する行事で、今もなお地元の人々から愛され続けています。

越中八尾曳山祭では、上新町・諏訪町・東町・今町・下新町・西町の6つの町が、それぞれ豪華な曳山を繰り出します。曳山が進むコースには「東上がり」と「西上がり」の2つあり、毎年交互に変わります。巡行順も固定されておらず、前年に1番山だった曳山は、翌年には最後尾の6番山に変わるため、毎回異なる景色を楽しめるところも魅力の1つです。

巡行は獅子舞が先頭を務め、続いて神輿、曳山の順で進みます。坂が多く、道幅の狭い八尾の町をゆっくりと巡行する光景は圧巻の光景で、町全体での一体感が生まれるお祭りです。

また、曳山を動かす際には「ホリキノ ミッツノ ヨーカンボー」という独特の掛け声が響き渡ります。この掛け声の意味は諸説あり、はっきりとは分かっていません。しかし、その謎めいた響きこそが、越中八尾曳山祭の長い歴史を感じさせる象徴ともいえるでしょう。

越中八尾曳山祭の歴史

越中八尾曳山祭の歴史は、1741年にまでさかのぼります。はじめは、上新町が富山藩主・前田正甫公から譲り受けた雛人形を曳き回し、素人芝居の役者を乗せたことが起源と伝えられています。

その後、東町・西町・今町・諏訪町・下新町が作った曳山が、互いに競い合うかたちで発展し、現在の豪華な6基の曳山へと受け継がれたのだそうです。

越中八尾曳山祭は、280年以上の歴史と伝統、そして町の人々の情熱が込められたお祭りです。

越中八尾曳山祭の見どころ

伝統的なお祭りである越中八尾曳山祭には、多くの見どころがあります。中でも、事前におさえておきたい「豪華な6基の曳山」「夜にだけ見られる提灯山車」「町全体の一体感」について紹介します。

豪華な6基の曳山

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越中八尾曳山祭のメインである曳山は、八尾町内の各町が作り上げたものです。井波の彫刻、高岡の彫金、城端の漆工など、富山県内にいた当時の名工たちの技術が集結しています。一つひとつこだわりを感じられる曳山は、まるで動く芸術品のような美しさを誇っています。

曳山は、職人の技が凝縮された、二層の人形屋台形式の構造です。上層には、町の紋があしらわれた天幕が4本の柱に張られ、その中にそれぞれの町が大切にまつる御神体の人形が設置されています。屋根の隅に吊るされている「瓔珞(ようらく)」と呼ばれる金具は、曳山が動くたびに、優しい音色が風に乗って響き渡る構造です。下層部に張られている「すだれ」の中には、太鼓や笛、三味線を奏でる囃子方がひかえています。

曳山に施されている彫刻には、不老長寿を得た仙人たちの姿も随所に見られます。健康で長生きしたい、という庶民の願いが表現されているようです。

坂の町をゆっくり練り歩く、色鮮やかな彫り物が飾られた繊細で豪華絢爛な曳山は、人々に感動を与えます。また、一番の見どころでもある、曳山が狭い町角や交差点を勢いよく曲がる「角回し」は、迫力満点で圧巻の光景です。

夜にだけ見られる堤灯山車

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越中八尾曳山祭では、夜にだけ見られる提灯山車の姿も魅力の1つです。

昼間の巡行を終えた後は、檜山の彫刻や飾りが取り外されます。曳山に取り付けられる提灯は400個あり、6基の合計数はなんと2,500個近くにまでのぼります。目では数え切れないほどの提灯が夜空に浮かび上がる光景は、まさに不夜城のようです。

かつて、提灯山車にはろうそくの灯りが使われていましたが、近年はLEDに替わり、より鮮やかな光を放っています。数千の灯をともしながら夜の街並みを照らす提灯山車は、日中とは違う幻想的な雰囲気を感じさせてくれるでしょう。

町全体の一体感

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越中八尾曳山祭は、町全体の一体感も大きな見どころです。

町の各地で曳山が練り歩く中、地域の方々や参加者たちは一丸となって盛り上げます。特に曳山を動かす際には、町ごとの協力や掛け声、そして力を合わせたチームワークが強調されます。

また、曳山の巡行コースは、八尾の狭い坂道や細い路地を縫うように進んでいきます。地元の方々が積極的に道を整え、一体となって祭りを楽しみます。地元の人々のあたたかい雰囲気づくりが、お祭りの一体感をさらに深めています。

越中八尾曳山祭のスケジュール

越中八尾曳山祭は、4月27日にお祭りの安全を祈願するところから始まります。5月1日に準備、5月3日に当日を迎え、お祭り翌日に片付けを終えるまでが、一連の流れです。

5月3日(当日)には、夜明け前からお祭りの始まりを告げる「触れ太鼓」が町中に鳴り響きます。お祭りの本番では6基の曳山が町内で巡行し、夜は提灯山車へと姿を変えて町を練り歩きます。

越中八尾曳山祭は、当日最後に曳山ごと境内に入って行われる、八尾八幡社奉納の際の「角回し」も見せ場です。奉納では、お祭りを無事に終えられることへの御礼と、今後の町の繁栄を祈願します。その後曳山はそれぞれの町に帰り、祝い唄「おきんさ」の調べとともにお祭りの夜が更けていきます。そして、翌日5月4日の後片付け完了で、お祭りは終了します。

このように越中八尾曳山祭は準備から片付けまで町全体で協力し合い、伝統的な曳山祭りの文化が守られているのです。

越中八尾曳山祭の詳細スケジュールについては、以下のサイトをぜひチェックしてみてください。
春季祭礼越中八尾曳山祭/越中八尾観光協会

越中八尾曳山祭で富山の伝統を感じよう

今回は、富山の伝統的なお祭りである越中八尾曳山祭について紹介しました。

越中八尾曳山祭は、豪華な曳山の巡行、昼と夜で異なる顔を見せる提灯山車、町全体が一体となって盛り上がる雰囲気など、富山の歴史や文化を間近で感じられるお祭りです。

毎年多くの観光客が訪れる越中八尾曳山祭は、単なるお祭りに留まらず、町全体の絆と文化の継承を象徴する行事ともいえます。越中八尾曳山祭を通じて、富山の魅力を再認識し、伝統を受け継ぎながら歩む町の姿を一層感じられるでしょう。

越中八尾曳山祭の迫力と、町全体の熱気をぜひ一度体感してみてはいかがでしょうか。

住所富山県富山市八尾町上新町2898-1
開催時期2025年5月3日(土・祝)(毎年5月3日の開催)
アクセス【バス】
JR高山本線「越中八尾駅」よりまちめぐりバスで「町民ひろば前」下車
【電車】
JR高山本線 越中八尾駅 より徒歩15分
【車】
北陸自動車道 富山IC より25分
北陸自動車道 富山西IC より20分
公式サイトhttps://www.yatsuo.net/
公式Instagramhttp://instagram.com/yatsuo_kankou/
(越中八尾観光協会公式アカウント)
問合せ先076-454-5138(越中八尾観光協会)
駐車場町民ひろば、八尾行政サービスセンター
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