富岩水上ラインを徹底解説！クルーズ船で富山の自然を感じよう

富岩水上ラインとは、富岩運河環水公園にある運河クルーズのことです。富山水上ラインで、選べるクルーズ船や魅力あふれる3つのコース、押さえておきたい見どころについて紹介します。富岩水上ラインをより楽しむための参考にしてみてください。

富岩水上ラインとは？

富岩水上ラインとは、富岩運河環水公園から中島閘門を通って、岩瀬カナル会館までを結ぶルートを通る運河クルーズのことです。船旅の途中では、美しくきらめく水面や自然豊かな富山の街並み、水辺でくつろぐ鳥たちなど、船の上ならではの景色を満喫できます。

運河クルーズでは、専属ガイドが富山を案内してくれるのも魅力の一つです。富岩水上ラインにまつわる話や、運河の歴史などをわかりやすく解説してくれるため、富山について学びながら、旅をより一層楽しめます。

富岩水上ラインの利用は予約制で、公式サイトからいつでも行えます。15名以上の団体利用や貸切希望の場合は、別途申請書での申し込みが必要です。

クルーズ船の紹介

富岩水上ラインには、「fugan（ふがん）」「kansui（かんすい）」「sora（そら）」「もみじ」という4つのクルーズ船があります。それぞれ特徴があり、4通りの楽しみ方ができるのも富岩水上ラインの魅力です。4つのクルーズ船について紹介します。

fugan（ふがん）

「fugan」は、2015年3月に運行を開始したソーラー船です。全長17.4m、幅3.3mで、55名まで乗船できます。船体には富山県で作られたアルミを使用しており、前方の曲げガラスにも富山県企業の技術が使われています。富山が誇る高い技術力で作られた観光船です。

船内の前方は、メインとなる3人掛けと2人掛けシート。後方部は、風を感じる野外デッキを設け、6人掛けのシートや立ち見席など多様な座席になっています。子ども連れに人気の向かい合わせシートや、車椅子スペースもあるため、どなたでも安心して乗船できるのが魅力です。

kansui（かんすい）

大人気である「fugan」のデザインを継承して、2019年3月に運行を開始した「kansui」。船体のカラーは白色の比率を増やし、さらにスタイリッシュなデザインになっています。全長は18m、幅3.3mで、富岩水上ライン内で最も大きなクルーズ船です。

定員人数はfuganと同じく55名ですが、船内に男女別トイレが設けられているのが特徴です。女性トイレは多目的トイレと兼ねて、バリアフリー仕様になっているほか、車椅子用スペースやバリアフリー対応席もあるため、安心して遊覧を楽しめます。fuganの良いところを残しつつ、さらに利用しやすく進化したクルーズ船です。

sora（そら）

「sora」は、2009年7月に運行が始まった、富岩水上ラインの中でも初期から利用されているソーラー船です。船体の外装には富山県のタテヤマスギが使われており、鮮やかな緑色が目を引くデザインが、根強い人気を誇っています。船の全長は12.58m、幅3.26mで、定員人数は55名です。

sora最大の特徴は、船内のシートレイアウトにあります。前方の座席は、操縦席を囲むかたちにソファー席が設置されており、すべて船外の方向を向いているため、景色を眺めやすくなっています。操舵手が操作している場面を近くから見られるのも、soraならではの魅力です。

もみじ

soraと同じく、2009年7月に運行を開始した電気ボート「もみじ」。アメリカの老舗メーカー”Duffy Electric Boat”社製で、ほかの船とはまた違う可愛らしいデザインは、海外観光客からも人気を集めています。全長が6.6m、幅2.8mで、定員は11名と最もコンパクトな船には、クッション性のあるシートを使っており、快適に運河クルーズを楽しめます。

船内は、3名掛けのシートが1つと、4名掛けのシートが2つ並んだ向かい合わせの席になっています。少人数での遊覧のため、ゆったりと景色を眺めながら富山の自然を満喫したい方におすすめです。

全クルーズ船レイアウト詳細｜https://fugan-suijo-line.jp/file_upload/100160/_main/100160_03.pdf

コース紹介

富岩水上ラインの運航ルートには、3つのコースがあります。
コースごとの特徴や魅力について紹介します。

富岩運河環水公園→中島閘門→岩瀬

富岩運河環水公園を出発し、中島閘門を通って岩瀬カナル会館に到着するコースです。反対に、岩瀬カナル会館から富岩運河環水公園に向かうコースもあります。片道1,700円で、環水公園と岩瀬を結ぶ全長約7㎞の運河を、片道約70分かけて運航します。富岩水上ラインの中で、最も長くクルーズ旅を楽しめるコースです。

岩瀬カナル会館では、岩瀬を散策するためのレンタルサイクルが利用できます。レンタルサイクルには、二人乗りのタンデム自転車もあるので、親子やカップルで一緒に乗るのもおすすめです。岩瀬の古き良き街並みや運河の周辺を、自転車で存分に満喫してください。

さらにこのコースでは、路面電車の片道乗車券がついてきます。行きは船で、帰りは電車に乗ることができる、乗り物好きにはもちろん、大人も子どもも大満足なコースです。

富岩運河環水公園→中島閘門→富岩運河環水公園

富岩運河環水公園を出発し、約2km先にある中島閘門を観光してから環水公園に戻る運航コースです。往復1,400円で、約70分のクルーズ旅を楽しめます。このコースでは片道コースもあり、環水公園→中島閘門(水のエレベーター体験付き)は800円、中島閘門→環水公園は600円です。

富岩運河環水公園周遊

往復500円で、約20分間船旅を楽しめるコースです。最も気軽に楽しめるコースのため、小さな子ども連れや、短い時間で船旅を満喫したい方におすすめです。環水公園をゆっくりと周遊しながら、優しい風や水辺にたたずむ鳥など富山の自然を感じてください。

富岩水上ラインの見どころ

富岩水上ラインの運河クルーズには、たくさんの見どころがたくさんあります。
中でも魅力的なスポットを4つ紹介します。

水のエレベーター

運河の途中には、全国で初めて国の重要文化財に指定された中島閘門があります。ここでは、富岩水上ラインで大人気の「水のエレベーター」が体験できます。

中島閘門は、全国でも珍しいパナマ運河方式の閘門で、二対の扉を交互に開閉することにより水位を調整しています。最大水位差2.5mある中島閘門での水位調節は、まさに「水のエレベーター」のようです。

水のエレベーターの体験では、同じく国の重要文化財になっている中島閘門操作室も見学できます。さらに、中島閘門で水のエレベーターを体験した方には、記念に”中島閘門カード”がもらえます。

富岩運河環水公園

富岩運河環水公園は「とやま都市MIRAI計画」のシンボルゾーンとして、水辺空間を守りながら、富山をさらに自然豊かな街にするために建てられた公園です。そんな環水公園には、鳥のさえずりや穏やかに流れる富岩運河、緑溢れる景色などの魅力があふれています。

富岩水上ラインを楽しむ際は、公園のシンボル”天門橋”や、20分おきに滝が流れる”泉と滝の広場”など、富山の豊かな水を感じる自然を満喫してください。

水上から眺める美しい桜

富岩水上ラインでは四季折々で見える景色が異なり、季節ごとに移ろいゆく風景が楽しめます。中でも春の時期には、水上から満開の桜を眺められます。ソメイヨシノ、コシノヒガンザクラ、ジュウガツザクラなどが咲き誇り、富岩運河沿いの景色は「富山さくらの名所70選」にも選ばれました。

レトロな雰囲気の港町岩瀬エリア

岩瀬エリアは、江戸初期から明治にかけて北前船交易で栄えた港町です。今もなお当時の建物が残されており、街全体がレトロな空間のまま大事にされています。まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえるのも、岩瀬エリアの魅力です。

北前船廻船問屋”森家”や”旧馬場家住宅”などの見学もおすすめ。森家は国の重要文化財になっており、北前船交易で栄えたことを感じられる豪華な造りで、ぜひ訪れたい家屋です。国の有形文化財に登録されている旧馬場家住宅は、屋内通路が30m、広間の面積は33畳あり、廻船業が盛んだった面影を体感できます。

また、カナル会館内や徒歩圏内に、美味しい食事やお酒が楽しめるお店もたくさんあるのも嬉しいポイントです。

※森家は能登半島地震の影響により、現在休館中です。再開予定は富山市公式ホームページで確認してください。https://www.city.toyama.lg.jp/bunka/bunka/1010547/1010551/1007443.html

見どころいっぱいの富岩水上ライン

今回は、富岩運河環水公園にある「富岩水上ライン」について紹介しました。

選べるクルーズ船や、魅力的なコースなど、楽しみ方が豊富にある富岩水上ライン。富山の自然を満喫しながら穏やかな時間を過ごせる船路は、特別なひとときになることでしょう。

ぜひ、富岩水上ラインの運河クルーズを楽しんでみてはいかがでしょうか。