災害時の洗濯はどうすればいい?できない場合の対処法も紹介

災害時の洗濯方法には、ジッパー付き袋でのもみ洗いや洗濯機でのつけおき洗いなどがあります。本記事では、災害時の洗濯方法を状況別に詳しく紹介しています。災害時に水がなく洗濯できない場合の対処法についてもまとめているため、参考にしてみてください。

災害時に多くの人が悩む洗濯事情

地震などの災害に備えて、食料やトイレなどの対策は万全という方も少なくありません。しかし、災害時ライフラインが止まると洗濯機が使えず、何日間も同じ衣類を着用しなくてはならない可能性も十分に考えられます。
洗濯ができないことにより、衣服のにおいなどの不快感はもちろん、皮膚炎やあせも、湿疹などの皮膚トラブル、細菌やカビの繁殖で感染症にかかる懸念もあります。

2011年に発生した東日本大震災では、さまざまな地域でライフラインが止まる被害が相次ぎました。地震発生後地域によっては、電気が6日間、水道は24日間も復旧に時間を要し、約1か月もの間水が使えず洗濯すらできない状況が続きました。災害の発生は3月でしたが、夏場である場合は衣類に付着する汗や汚れが多くなり、さらに洗濯問題が深刻になります。

災害時に洗濯機が使えない際でも衣類をなるべく清潔に保つことにより、健康被害のリスクを軽減できます。長期間洗濯できない場合どのような対処法があるのか、知っておくことが大切です。

災害時に洗濯する方法

災害が起きた際、どのような洗濯方法があるのか紹介します。
使用できる水の量で洗濯の方法も変わってくるため、参考にしてみてください。

非常に少ない水量しか確保できない場合

災害時、非常に少ない水のみ確保できる場合は、次のような方法で洗濯できます。

1.ジッパー付き袋(またはビニール袋)に洗濯物と少量の水、衣類用洗剤を入れる
2.袋の上からもみ洗いする
3.水を替えてすすぎ、よく絞って干す(すすぐ水がない場合はそのまま手で絞る)

少量の水で洗濯できるよう、すすぎ回数が少ない洗剤を使用するのが重要です。すすいだ後の水は捨てずに、トイレ用として再利用しましょう。

ある程度の水量と洗濯機が使える場合

18ℓのポリタンク2つ分ほどの水を確保できて、洗濯機も使える場合は「つけおき洗い」がおすすめです。通常の洗濯コースよりも少ない水で洗濯できます。

1. 洗濯機の中に18ℓのポリタンク1つ分の水、洗濯物、洗剤を入れて6時間以上つける
2.通常の4分の1ほどの洗剤を追加投入して、洗濯機を5分間回す
3.3分間脱水する
4.18ℓのポリタンク1つ分の水を追加投入して 5分間すすぎ洗いする
5.再度、3分間脱水する

脱水の時間が長いほど、洗濯物が早く乾くでしょう。冬場の備蓄用衣類は、ポリエステルやナイロン、フリースなど乾きやすい素材のものを選ぶのがおすすめです。

ぬるま湯と重曹を使える場合

衣類用洗剤だけでも汗や汚れは落ちるものの、用意できる水によってはすすぎ残しが発生してしまう可能性があります。肌の弱い方は、すすぎ残しによってかぶれなどの懸念があるため、重曹での洗濯がおすすめです。

1.45ℓサイズのポリ袋に重曹と水2ℓを入れ、よく振る。
2.ポリ袋に衣類を入れ、よくもんでから1時間つけ置く。
3.衣類を取り出し、よく絞ったらポリ袋の中の水を捨てる。
4.再度ポリ袋に水3ℓと衣類を入れて、軽くもみ洗いする。(2度繰り返す)

ぬるま湯は水と比べて溶けやすく、重曹は消臭効果も期待できます。

災害時に洗濯できない場合の対処法

災害時のライフラインは復旧の見通しが立たず、長期間使えないことも少なくありません。どうしても洗濯できない場合の対処法を3つ紹介します。

紙パンツや生理用ナプキンを活用する

使い捨ての紙パンツや生理用ナプキン、おりものシートは、洗濯する必要がないため衛生的に使えます。防災バックに入れておくと、本来の使用用途だけでなく洗濯できない場合にも役立つでしょう。

通常の下着を2〜3枚用意し、それ以外は紙パンツなどの使い捨てパンツにするのもおすすめです。使い捨てのため洗う必要がなく、水不足でも清潔を維持できます。軽くてかさばらないため、防災バッグに入れておいても邪魔になりにくいというメリットもあります。

また、洗濯できない場合は下着に生理用ナプキン、おりものシートを付けて、定期的に替えるだけでもデリケートゾーンのトラブルを軽減できます。そのため、生理用ナプキンは多めに用意しておくと、もしもの際に役立つでしょう。

衣類用の消臭剤を使って除菌・消臭する

洗濯が難しい場合、衣類用の消臭スプレーなども役立ちます。消臭剤は、消臭と除菌成分の両方含まれているものがおすすめです。また、消臭スプレーを衣類に使った後は風通しの良いところで干すと、さらに除菌・消臭効果が期待できます。

衣類用の消臭剤は、洗濯ができないときの「応急処置」として有効です。特に、雑菌の繁殖防止や、消臭・快適性に役立つため、防災バッグに入れておくと安心といえます。

しかし、消臭剤のみでは衣類に付着している汗や皮脂などの汚れは取れません。洗濯できる環境になった際は、タイミングを見て洗濯しましょう。

防災バッグの中には3日分以上の下着を用意する

防災バッグに入れておく衣類は3日分が推奨されていますが、デリケートな部分に直接触れる下着は3日分以上用意しておくと安心です。

下着を替えることで、皮膚炎や、細菌、カビによる感染症を防げるだけでなく、清潔な下着の着用は心のリフレッシュにもなります。避難生活の精神的負担を和らげるためにも、下着は余分に用意しておくことをおすすめします。

また、近年では「非常用圧縮下着セット」や「レスキューランジェリー」も災害時の洗濯グッズとして注目を集めています。レスキューランジェリーとは、非常時における女性用の下着セットです。
下着(ブラジャー、ショーツ、布ナプキン)、洗剤、バッグの5点セットになっています。抗菌・防臭効果が高いほか、通気性のある竹と綿の生地を採用している防災用品で、ネットでも購入可能です。

着替えや消臭スプレーがない場合

大きな災害が起きた場合、十分な準備ができない状態のまま避難せざるを得ない可能性も考えられます。

何日間も同じ衣類を着用していると、汗や皮脂などの汚れが付着して多くの雑菌が繁殖してしまいます。においや衛生面が気になるだけでなく、汗をかいた状態で過ごしていると、風邪や体調不良の原因にもなりうるでしょう。

そのようなときは、着用している肌着を干して乾燥させるだけでも、菌の繁殖を抑えられます。菌は水分で繁殖するため、きちんと蒸発させることによって抑制できます。また、洗濯できない時は使い捨てのウエットボディタオルで体を拭くことも、菌の繁殖や不快感の軽減につながります。

災害時に役立つおすすめ洗濯グッズ

災害時には、防災リュックに入るコンパクトさと利便性の両方を兼ね備えたグッズが役立ちます。災害時に使えるおすすめの洗濯グッズを2つ紹介します。

緊急・防災用圧縮下着セット

引用:https://daianshin.com/SHOP/0138.html

高圧のプレス加工によって、コンパクトに圧縮された下着セットです。子ども男女用(100㎝・120㎝)、成人男女用(S・M・L・LL)の中からサイズを選択できます。

ポケットティッシュほどの大きさのため、防災バッグや車など、場所を取らずに備蓄できます。水に浸すまたは手でほぐすだけで着用でき、洗濯できない環境でも清潔な下着に着替えられるのが魅力です。

コットンボディタオル(5年保存)

引用:https://daianshin.com/SHOP/102175.html

5年間の長期保存可能なウェットボディタオルです。サイズは縦56㎝×横28㎝のため、手が届きにくい背中まで楽に拭けます。

洗濯するのが難しい時、体を清潔に保つことで衣類への菌の繁殖や不快感を軽減できます。水が使える場合は、洗濯して3回まで再利用できます。

災害用の洗濯グッズを購入する際は、ECサイトを利用するのもおすすめです。検索機能を使えば、洗濯商品のほか気になる防災グッズが簡単に探せます。

【防災グッズ・防犯グッズの通販専門ネットサイト】
「備え」をモット身近に!大安心.com

防災バッグの洗濯関連グッズを見直そう

今回は、災害時に役立つ洗濯方法について紹介しました。

大きな災害が発生した場合、ライフラインの復旧や支援物資の到着に時間を要します。少ない水でも洗濯できる方法を覚えておくことで、災害時の衛生管理や、感染症トラブルを軽減できるでしょう。

防災バッグの洗濯関連グッズを今一度見直して、ライフラインが使えない、洗濯できない等もしもの場合に備えておくことをおすすめします。

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トイエバ編集部

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