富山の山といえば立山。立山登山をしたいと考えている方向けに立山とはどんな山なのか、登山の魅力やおすすめのルート、必要な準備について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
魅力いっぱいの立山登山に挑戦しよう
富山の観光といえば、黒部ダムですがそのすぐそばにそびえ立つ「立山」も有名です。
立山には、黒部立山アルペンルートというコースが存在し、旅行会社の観光プランにも人気のコースです。
登山が好きな方はもちろん、登山に挑戦したい方にもぜひ一度は登っていただきたい山です。富山の雄大な自然を全身で味わえる立山登山の魅力をお伝えします。
立山はどんな山?
立山は、雄山(3,003m)、大汝山(3,015m)、富士ノ折立(2,999m)の3つの山から構成されています。立山の主峰は雄山、最高峰は大汝山です。北アルプスを貫き、富山と長野を結ぶ山岳観光ルートのことを「立山黒部アルペンルート」と呼びます。
富山駅から立山駅までは電車で65分、立山駅から美女平までは7分ケーブルカーを使って移動します。アルペンルートの中で最も人気のスポットである室堂まではバスで移動します。途中の弥陀ヶ原で降りて室堂まで登ることもできます。
3,000mと聞くと初心者の方にはハードルが高く感じられるかもしれないですが、3,000m級の山の中では比較的登りやすい山とされています。
立山登山・攻略ガイド
ここからは、立山にこれから登る!という方向けに、必要な準備や服装について解説しますので参考にしてみてください。
おすすめの時期
立山の登山シーズンは、例年4月15日〜11月30日です(年によって山開きの日付は変わる場合があります)。このシーズンの期間中で訪れる人が多いのは、ゴールデンウィーク期間と、お盆休み期間、紅葉シーズンの連休期間です。
6月くらいまでは室堂平周辺や弥陀ケ原高原のあたりに雪が残っています。冬の雪景色はとても美しいですが、寒い季節が苦手な方は夏の登山をおすすめします。また、雪がある季節の登山は、雪に足が取られ、予想以上に体力を使います。体力にあまり自信がないという方も、雪のない時期をおすすめします。
お盆ごろには雪はなくなり、10〜20度の気温で過ごしやすい気候となります。この時期は、紫外線が強く日焼けしたくない人には向いていないかもしれません。行く場合は日焼け止めを持っていきましょう。紅葉をみたいという方は、9月以降の時期をおすすめします。
必要な準備・持ち物
山の天気は変わりやすく、準備不足でケガや病気のリスクが上がってしまいます。急な天候の変化や温度の変化にも対応できるよう、しっかり準備していきましょう。
雨具は、コンパクトに折り畳めてフードが付いているものを選びましょう。
靴は、トレッキングシューズをおすすめします。特に雪のある時期は防水加工がされていて底が滑りにくくなっているものにしてください。間違っても革靴やヒールを履いて行かないようにしましょう。荷物は両手が自由になるリュックにしておいたほうが歩きやすいです。
冬場は、防寒グッズも必須です。カイロ、ニット帽、手袋、ネックウォーマーなどを準備しましょう。
適した服装
立山のアルペンルートは子どもから大人まで楽しめる山歩きコースですが、3,000mを超える高原のため、服装にはしっかりとした準備が必要です。
季節ごとの服装について紹介します。
春(4〜6月)
6月まではまだ雪が残っており、雪の散策になるため、防水のトレッキングシューズや上着が必要です。気温もマイナス10度まで下がることがあるので、冬の山のぼりスタイルで臨みましょう。カイロやネックウォーマー、帽子、手袋など防寒グッズは必ず持っていってください。ただ、歩いていると暑くなってくることもあるので、上着は着脱しやすい前開きのものやジッパーのついた服を選ぶと良いです。
夏(7〜8月)
7〜8月の気温は10〜20度と快適な気候です。日差しが強いので、肌の露出は控えましょう。山の天気は変わりやすく、急にガスが出たり、夕立が降ったりして寒くなることも。夏とはいえ、山道を歩くのでサンダルは避けましょう。歩きやすいスポーツサンダルでも危険なことがありますのでご注意ください。
秋(9〜10月)
9〜10月は紅葉が楽しめる時期です。日中の気温は10度前後ですが、10月に入ると室堂(標高2,500m)では雪が降ることもあります。フリースなど暖かい素材の長袖と熱が逃げにくい上着が必要です。防寒対策はしておくに越したことはありません。
冬(11月)
11月の山の気温は氷点下になることも。カイロや帽子、手袋、ネックウォーマーなどを身につけ、防寒対策を十分にしてください。雪の上を歩く前提で、防水性のある滑らない靴で行きましょう。11月下旬にはスキーを楽しむこともできます。
参考:https://www.alpen-route.com/information/advice_clothes.html
立山登山のおすすめルート【初心者編】
ここからは登山初心者におすすめの立山登山ルートを紹介します。
標高差もあり体力を使います。また、夜の楽しみもあるので、ぜひ一泊することをおすすめします。
【立山登山おすすめルート】
弥陀ヶ原 → 立山室堂(2,450m)→ 立山室堂で宿泊 → 立山/雄山(3,003m)
それぞれのスポットの魅力を詳しくみていきましょう。
弥陀ヶ原をゆっくり散策
弥陀ヶ原は、ラムサール条約に登録された貴重で美しい湿原です。池の青さと草原の緑が鮮やかで、珍しい高山植物が咲き乱れています。紅葉の季節はオレンジや赤に色づき、春夏tとは全く違った景色を見ることができます。
天候条件が揃えば、雲海が見えることも…!いつでも見れるわけではない奇跡の光景なので、見ることができた人は幸運です。幻想的な風景にしばらく佇んでしまいます。
立山登山の要所・室堂を楽しむ
標高約2,450mに位置する室堂は、立山登山の”要”です。高さ20mに迫る「雪の大谷」は観光名所として有名です。今にも雪の壁が迫ってくるような大迫力を体感できます。
「北アルプスで最も美しい火山湖」と言われる「みくりが池」では雷鳥やオコジョに会えるかもしれません。
国の特別天然記念物であり、富山県の県鳥でもある雷鳥は、日本の神話や伝説にも登場する鳥で山の神様や自然の神様と結びつきが強く、立山霊山でも「神の使い」とされ、大切にされています。
絶滅危惧種に指定されているオコジョは、体長約70cmほどと小型で、耳が大きくて丸いのが特徴です。警戒心が強く人の気配を感じると隠れてしまうため、見られた人はラッキー!
どちらも寒い気候に強く、立山エリアや北アルプスに生息しており、地上では見られないので、ここでしかできない体験や出会いが待っています。
満点の星空ウォッチングができる「ホテル立山」
ホテル立山は、日本で最も高い場所(標高2,450m)にあるホテルで、星に一番近いリゾートです。夜は、星空ウォッチングを楽しめます。富山県天文学会の講師の解説を聞きながら、天体望遠鏡を使用した本格的な星空観察を体験できます。季節の星空にまつわるエピソードや、星空観察のレクチャーが受けられるので、初めての方でも楽しめますよ。
開催日程等は、公式ホームページでご確認ください。
公式:https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/
【基本情報】営業時間:4/15~11/29は宿泊可 ※冬期休業中(12月~4月上旬)は平日8:30〜17:00までの営業住所:富山県中新川郡立山町芦峅寺室堂電話番号:076-463-3345(ホテル立山フロント)アクセス:富山側から行く場合/立山駅で駐車し立山ケーブルカーに乗車 信濃大町側から行く場合/扇沢駅で駐車し関電トロリーバスに乗車 駐車場:立山駅前、扇沢駅前にそれぞれ駐車場有 (立山駅~扇沢駅の間はマイカー乗り入れ禁止)公式サイト:https://h-tateyama.alpen-route.co.jp/ |
いよいよパワースポット雄山峰本社へ
雄山山頂にある雄山神社峰本社は、日本3大霊山のひとつです。立山に来たら必ず登っていただきたいスポットです。頂上ではお参りのほか、祈祷を受けることもできます。
山頂からは、富士山や御嶽山、富山湾が一望でき、その眺望は言葉にできないほど美しいものです。
荷物が多すぎると登りにくいので、登山に必要のない荷物はホテルに置いてから登ると良いでしょう。
立山登山の注意点
立山登山で最も注意していただきたいのは「高山病」です。
3,000m級の山であり、立山有料道路の入り口・桂台から登山口室堂(2,450m)までは標高差が約1,800mあります。これを一気にバスで登るため、慣れていない場合、高山病にかかってしまう方もいます。
高山病にならないための対策としては、次のようなことに気をつけてください。
・前日しっかり睡眠をとる
・高いところでは急に走らない
・ときどき深呼吸をする
・水分をこまめにとる
・ツアーで散策するスポットを詰め込みすぎない
不安がある方は、ツアーに参加してガイドさんと行動すれば安心して楽しめるのでおすすめです。
立山に登れば世界観が変わる!?
幻想的な雪の大谷や、標高3,000mの頂上から眺める壮大な景色は圧巻です。非日常とはまさにこのこと。空が近く感じられ、壮大な大地に立つと、地球に生きているという実感がわきます。
普段出会えない動物や植物などにも出会えるなど、日頃の疲れや悩みを忘れて大自然の中で癒されること間違いなしです。
初心者の方も楽しめる立山登山。ぜひチャレンジしてみてください。