富山でマイホームを建てて暮らしたい。本記事では、トイエバ編集部の筆者の実体験をもとに、富山で注文住宅を建てる際に、心得たいことを4つご紹介します。注文住宅は、間取りなどを自由に決めて建てるため、選択肢が多くなります。実現したいことを整理、住宅資金の準備、富山の気候に合う住まい、後悔しない新築の間取りなど、ご自身に合う家づくりの参考にしてみてください。
富山で家を建てる時に心得ておきたいこと4つ
家を建てる際に、心得ておきたいことを4つご紹介します。
- 夢のマイホームで実現したいことを整理する
- 住宅資金をどうするか
- 富山の気候を知る
- 後悔しない間取り
夢のマイホームで実現したいことを整理する
マイホームのイメージは具体的に
家づくりを始める前に、大切なことは、どんなマイホームを実現したいか、家族でしっかり話し合い、整理することです。特に注文住宅は、土地の選定から、家の外観や間取り、窓の大きさや数、壁紙の材質や色にいたるまで、自由に設計できます。そのため、選択肢も多くなり、たくさん悩みます。迷えば迷うほど、基本に戻れるように、自分はどんな家に住みたいのか?どんな間取りなら家族が幸せに暮らせるのか?これらの想いを整理することが、大事な作業となります。
家族でしっかり話し合って、実現したいことを整理してから、住宅メーカーに行くことを強くおすすめします。
資金との折り合い(理想と現実の見極め、譲れないこと)
家を建てる時は不思議なもので、次第に金額の高さに慣れてしまい、金銭感覚が麻痺してしまうことがよくあります。メーカーの担当者と相性が合い、デザイン案に納得したあと、予算との兼ね合いが出ることがあります。一生に一度の高い買い物だからこそ、良い物が欲しい!理想の家を作りたい!という気持ちに押され、5万円、10万円、50万円、100万円と、気づけばどんどん高額なオプションを選んでいく場合があります。せっかく理想の家を建てたのに、住宅ローンで月々の返済が家計を圧迫することは、実際よくあることです。大切なことは、月に支払えるお金から逆算して、予算を決めることです。
①月々いくらまでなら支払えるか(理想の返済額は、手取り月収の20%です)
②住宅ローンの最大借入額を考える(金融機関のシミュレーションを活用しましょう)
③自己資金としていくらまで用意出来るか考える
予算という「現実」を認識した上で、ご自身の「理想」とのギャップをどのくらい埋められるか、譲れないことを実現するために、いくらまでなら予算を超えても大丈夫か、または他に削れるところはないか、考えてみることをおすすめします。
住宅資金の計画
住宅資金の支払いのタイミングって?
注文住宅を建てる場合、建物の代金は複数回に分けて建築業者へ支払うのが一般的です。一方、住宅ローンを借りる場合、融資実行は建物完成後に行われます。(金融機関は住宅ローンを組む際に、土地と建物を担保とするための抵当権設定登記を必須としているためです。)
そのため、建築業者への支払いタイミングで手元資金を用意する必要があります。金融機関によっては、住宅ローンの融資実行前に必要な資金を融資してくれます。
- 注文住宅を建てる時の一般的な支払いスケジュール
- 土地引き渡し時の代金
- 建物建築の着工金
- 上棟時などの中間金
- 建物完成後の残金支払い
- 融資実行前の融資
1.つなぎ融資
正式な住宅ローンの融資が実行されるまでのつなぎとして利用するローンです。住宅が完成し、正式な住宅ローンの融資が実行された時点で、つなぎ融資分を清算します。北陸銀行では、つなぎ融資を行ってくれます。
2.分割実行
建物が完成する前に不足するお金を、支払いの都度複数回に分けて融資してくれるのが分割実行です。北國銀行では、分割実行を行ってくれます。
住宅ローンの頭金っていくら用意するの?
住宅を建てる際、全額住宅ローンで借りるケース(フルローン)もありますが、費用の一部を「頭金」として用意することが一般的です。頭金の目安としては、一般的に住宅購入価格の20%とされています。例えば、3,000万円の住宅を購入する際に、頭金を20%にする場合は、600万円程度を準備するということになります。しかし、実際には、住宅価格だけではなく、様々な手数料(諸費用)などもかかってきます。これらの諸費用は、住宅購入価格の5%が目安となります。そのため、諸費用も含めて、住宅価格の25%程度を住宅ローンの頭金として準備すると安心です。
富山の気候を知る
雪への対策(融雪・カーポート)
富山の雪は、水分を含むため重いのが特徴です。除雪の労力は相当なもので、地域によっては1日に何回も雪かきが必要になることもあります。また、最近は、ラニーニャ現象が発生すると、富山も大雪に見舞われます。毎日住む家ですから、大雪の時に除雪が少しでも楽にできるように、家を建てる際に取り入れたいポイントをご紹介します。
・融雪
富山の生活に欠かせない融雪ですが、正式名称は「消雪パイプ」と言います。小さい穴から地下水を散水する単純な仕組みになっています。地上の雪よりも、地下水の温度の方が高いため、温度差で雪が溶けてくれます。融雪があるだけでも、家の前の道路を除雪する労力を軽減できます。融雪が整備されているかも土地選びの大切なポイントです。また、地域によっては、散水される量が少ない場合があります。できれば、雪のシーズンに住みたい地域の融雪の量を事前に確認出来ると安心です。
・カーポート
カーポートの設置も除雪作業を楽にする設備です。車を複数台使用する家庭が多い富山では、大きな効果を発揮します。朝の通勤前に、車の除雪をするのは一苦労です。カーポートは、建築基準法上、建築物と定義されています。設置する面積や、場所は設計士としっかり打合せをして決めることが大切です。また、富山の雪は重いため、カーポートの耐雪をしっかり確認してください。富山の場合、耐雪150cm以上のタイプであれば安心です。ただし、このタイプは、柱が6本設置されているものが多いため、設置した際、車のドアを開けた時に柱に干渉しないか、家の玄関までの動線なども考慮に入れて家づくりをしましょう。
断熱材って必要?
富山の気候は、夏場は物凄く暑く、湿気でジメジメして、冬場は雪も降って寒さが厳しく日照時間が少ないので、冷暖房設備を点ける機会が多いかと思います。この時、家の中からは目に見えませんが、大切な素材が断熱材です。
・断熱が足りないと起こること
1.夏は家の中が凄く暑い
⇒太陽が当たる屋根の近くの部屋は特に暑くなり、冷房を点けても足元しか冷えません。
2.冬は家の中が凄く寒い
⇒室温とガラスの温度差で家中結露だらけになり、カビの発生を招きます。
・断熱材の効果
家の外の熱や冷気の伝達を遅らせ、家の中が暑くなったり寒くなったりするのを防ぐ効果があります。また、断熱材を施工することで建物内部の隙間が埋まり、気密性が高まります。気密性が高まることで、家の中の温度を快適に保つことができるようになります。
・断熱材を選ぶポイント
断熱材は、グラスウールやセルロースファイバー、フェノールフォームなど非常に多くの種類があります。また、建築会社によって、取り扱っている素材・強みとしている素材が異なります。素材によって、安価なものから高価なものまであります。断熱材を選ぶポイントとして、富山の湿気に強い断熱材は何か、劣化せず長い期間に渡って、富山で快適に暮らせる素材は何か、建築会社と相談しながら検討してみてください。
後悔しない間取り
注文ならではの悩み
土地のカタチによって、制約はあるものの、注文住宅の良いところは自由に設計出来るところです。一方で、自由であるがゆえに悩みは尽きません。実際に実物を見て決められないため、図面を見ながら、想像しながら、間取りを決めていきます。参考にしようと雑誌やインターネットに載っている施工事例を見ると、凄くオシャレで、自分が建てる家にも取り入れたい!と強く思うことがあります。家を建てた後は、毎日暮らす場所ですから、実用的かどうか、富山で暮らすのに適した間取りかどうか、このような視点も取り入れてみることをおすすめします。
<取り入れる前に検討したい間取りの例>
・吹き抜けのリビング
開放感があり採光も多く取れるので、家の中が明るく、すごくオシャレになります。反面、本来確保出来た2階のスペースが削られたり、料理のニオイや音が2階まで広がります。毎日暮らす家なので、許容できるか検討してみましょう。また、エアコンの使用を考えている場合、冷暖房効率は下がってしまうので、全館空調の導入や、寒い冬に対応出来るように床暖房の導入でカバーできるかも検討することをおすすめします。
・窓の大きさや数
富山の冬は曇天で、曇りの日が多いです。少しでも外の明るい光を家の中に取り入れようと思って、窓を多く設置したり、大きくて開放感のある窓を設置する場合があります。さきほど断熱のお話しをしましたが、せっかく断熱材を入れても、窓が多いと、夏はその窓から熱が入ったり、冬は窓から熱が逃げてしまいます。断熱窓の採用や二重窓の導入、採光とのバランスを考えつつ、窓だらけにならない間取りをおすすめします。
家族や先輩、友人の意見も重要
富山で家づくりをする際の4つの心得(整理・お金・気候・間取り)をご紹介しました。実際に家を建てる際や、迷い始めた時は、家づくりの先輩たちの経験や反省点をたくさん聞くことをおすすめします。共通の悩みや、解決につながるヒントが得られるかもしれません。