富山で新築の注文住宅を建てる際の4つの心得

富山県は、持ち家率が全国トップクラスで、一住宅当たりの延べ床面積も広いと言われています。借家やアパートとは違い、新築で注文住宅の購入を検討する際は、さまざまな情報収集と計画的なプランニングが必要です。

今回は、新築の注文住宅を建てる際の心得を整理し、少しでも家を建てるときのヒントになる情報をお届けします。

富山で新築の注文住宅を建てる際の4つの心得

富山で新築の注文住宅を建てる際の心得を4つご紹介します。4つのポイント以外にも、さまざまな留意点や注意点があると思いますが、最初に考えておきたい4つに絞ってご紹介します。

富山で新築注文住宅を建てる際の4つの心得 全体像

心得1:資金計画をしっかり立てよう

注文住宅を建てる際は、まず資金計画をしっかり立てることが非常に重要です。住宅ローンの借入可能額に目がいきがちですが、無理なく返済できる額を基準に考えることをお勧めします。

また、建築費以外にも、登記費用、火災保険、地盤改良費、外構費、引っ越し費用など、多くの諸費用がかかります。予算オーバーを防ぐためにも、家づくりにおける自分自身の必須条件と優先順位を明確にし、計画的に進めることがとても大切です。

心得2:間取り、生活動線、住環境を生活スタイルに合わせましょう

注文住宅の間取りや動線は、家族の生活スタイルに合わせて設計することが重要です。家事のしやすい生活動線や収納スペースの適切な配置によって、日常の暮らしが快適になります。

また、子どもの成長や将来のライフスタイルの変化を見据えて、柔軟な設計を意識し、周りの住環境に関する要件も整理することが必要です。特に、間取りは一度決めると簡単に変更できないため、慎重に検討しましょう。

心得3:信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶ

施工を依頼する工務店やハウスメーカー選びも非常に重要な要素です。施工事例や口コミを確認し、価格だけでなく、品質やアフターサービス、保証内容も比較しましょう。

また、営業担当者や建築設計士との相性も大切になります。信頼できる業者を選ぶことで、打ち合わせや施工中のトラブルを防ぎ、納得のいく家づくりができます。必要に応じて第三者の住宅診断(インスペクション)を活用することも有効です。

心得4:富山特有の気候を考慮する

富山で家づくりをする際は、気候特有の対策が必要です。豪雪対策として、急勾配の屋根で雪を落としやすくし、耐雪設計や融雪設備が考えられます。

高温多湿・冬の結露対策として、高気密・高断熱の住宅にし、ガラスや換気システムが有効です。台風・強風対策としては、耐風等級の高い設計や強化ガラス、シャッターの活用も選択肢になります。

また、冬の寒さ対策として、断熱材を強化し、床暖房や蓄熱暖房を取り入れることで、快適な住環境を実現できます。

資金計画をしっかり立てよう

住宅資金の支払いタイミングを理解しよう

注文住宅を建てる場合、建物の代金は複数回に分けて建築業者へ支払うのが一般的です。一方、住宅ローンを借りる場合、融資実行は建物完成後に行われます。(金融機関は住宅ローンを組む際に、土地と建物を担保とするための抵当権設定登記を必須としているためです。)

そのため、建築業者への支払いタイミングで手元資金を用意する必要があります。金融機関によっては、住宅ローンの融資実行前に必要な資金の融資を行ってくれます。

注文住宅を建てる際の一般的な支払いの流れ

 1.土地引き渡し時の代金
 2.建物建築の着工金
 3.上棟時などの中間金
 4.建物完成後の残金支払い

    融資実行前の融資

    1.つなぎ融資
    正式な住宅ローンの融資が実行されるまでのつなぎとして利用するローンです。住宅が完成し、正式な住宅ローンの融資が実行された時点で、つなぎ融資分を清算します。北陸銀行では、つなぎ融資を行ってくれます。

    引用:https://www.hokugin.co.jp/cs/loan/jyutaku/new/procedure.html

    2.分割実行
    建物が完成する前に不足するお金を、支払いの都度複数回に分けて融資してくれるのが分割実行です。北國銀行は、分割実行を行ってくれます。

    引用:https://www.hokkokubank.co.jp/customer/loan/home/feature.html

    住宅購入の際の頭金

    住宅を建てる際、全額住宅ローンで借りるケース(フルローン)もありますが、費用の一部を「頭金」として用意することが一般的です。

    頭金の目安としては、一般的に住宅購入価格の20%とされています。例えば、3,000万円の住宅を購入する際に、頭金を20%にする場合は、600万円程度を準備することになります。

    しかし、実際には、住宅価格だけではなく、様々な手数料(諸費用)などもかかってきます。これらの諸費用は、住宅購入価格の5%が目安となります。そのため、諸費用も含めて、住宅価格の25%程度を住宅ローンの頭金として準備すると安心です。

    但し、無理して頭金を多く支払うと、手元資金が不足してしまうリスクが高まるので、注意する必要がある。住宅ローンを相談する金融機関などに相談することをお勧めします。

    一般的な資金計画の作成手順

    ① 毎月の住宅ローン返済額を試算する

    住宅ローンの返済額は、収入に対する割合を考慮して決定するのが重要です。一般的に「年収の25%以内」または「手取り収入の30%以内」が無理のない目安とされています。借入額・金利・返済期間をシミュレーションし、無理のない範囲で設定しましょう。

    また、固定金利・変動金利の選択によって返済額が変動するため、将来的な金利上昇のリスクも考えておくことが大切です。

    ② 生活費や教育費とのバランスを考える

    住宅ローンの返済額を決める際は、生活費や子どもの教育費、老後資金とのバランスを考慮する必要があります。

    特に、子どもの成長に伴い教育費が増加するため、ライフプランに応じた増加支出の予測を行いましょう。その他にも、収入の減少や想定外の出費に備えて、生活防衛資金も考慮しておくと安心です。

    ③ 住宅購入後の固定費を考慮する

    住宅を購入すると、固定資産税、火災保険、地震保険、管理費(マンションの場合)、修繕費などの固定費が発生します。特に戸建ての場合、将来的な屋根や外壁のメンテナンス費も考慮が必要です。

    こうした費用は意外と見落とされがちですが、毎年発生する支出として事前に計算し、資金計画に組み込んでおくことをお勧めします。

    ④ 住宅ローン控除や補助金を活用する

    住宅購入時には、住宅ローン控除や自治体の補助金・助成金制度を活用することで、負担を軽減できます。例えば、住宅ローン控除を利用すれば、一定期間所得税が還付され、トータルの支払い額が抑えられます。

    また、省エネ住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に適用される補助金もあるため、事前に調査し、利用できる制度を最大限活用しましょう。

    ⑤ 所得減少や住宅ローン金利上昇などのリスクに備える

    住宅ローン返済は、長期間にわたります。所得減少や住宅ローン金利の上昇、突発的な支出などのリスクに備えることが大切です。特に変動金利を選んだ場合は、金利上昇により返済額が増える可能性を考慮し、余裕を持った返済計画を立てましょう。

    万が一に備えて団体信用生命保険(団信)や収入保障保険の加入も検討し、安心できる資金計画を作成することが大切です。

    間取り、生活動線、住環境を生活スタイルに合わせましょう

    間取りは注文住宅ならではの悩み

    注文住宅の良いところは、自由に設計出来るところです。一方で、自由であるがゆえに悩みも多いと思います。実際に実物を見て決められないため、図面を見ながら、想像しながら間取りを決めていきます。

    雑誌やインターネットに掲載されている施工事例を見ると、オシャレなつくりやデザインを我が家に取り入れたいと思うことが多くあります。家を建てた後は、毎日暮らす場所ですから、実用的かどうか、富山で暮らすのに適した間取りかどうかという視点を持つこともお勧めします。

    家事動線をしっかり考えよう

    注文住宅の購入では、家事のしやすさを考慮し、キッチン・洗面所・ランドリールーム・収納の配置を工夫することがとても重要です。

    例えば、キッチンと洗面所を近づけることで、料理と洗濯を効率よくこなすことができます。また、ランドリールームの隣にファミリークローゼットを設置すれば、洗濯・乾燥・収納がスムーズになります。

    無駄な移動を減らし、ストレスなく家事ができる動線を意識して間取りを考えることが非常に大切です。

    ライフスタイルの変化を考慮した設計

    家族の成長や生活スタイルの変化を考慮し、将来的に間取りを変更しやすい設計にすることも重要なポイントです。例えば、子どもが小さいうちは広い一部屋として使い、成長したら間仕切って個室にできるような可変性のある設計も考えられます。

    また、将来のバリアフリー化を見据えて、段差をなくしたり、廊下やドアを広めにしたりすると、長く快適に住める家になります。ライフスタイルは一般論では語られないため、自分がどのような価値観や将来をイメージするかによってくるため、いろいろな情報源やアドバイスを参考に検討することをお勧めします。

    信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶ

    富山県の新設住宅着工数

    富山県内の新設住宅着工数は、2023年度(令和5年)では5,034戸になります。内訳は、持家が2,520戸となっており、全体の半数を占めています。

    富山県新設住宅着工数(2023年度暦年、利用関係別)

    合計5,034戸(100%)
    持家2,520戸(50.1%)
    貸家1,878戸(37.3%)
    給与住宅27戸(0.5%)
    分譲住宅609戸(12.1%)
    出典:富山県土木部建築住宅課

    富山県で活躍するハウスメーカーや工務店

    富山県内のハウスメーカーおよび工務店の正確な数は分かりませんが、住宅情報サイトであるSUUMO、LIFUL HOME’S、いい家ネット、家づくりナビ、イエタッタ富山に掲載のある企業数は140社以上にのぼります。

    全国展開しているナショナルメーカーだけでなく、地域密着型の地元ハウスメーカーやビルダー、工務店、他の地方から参入してきたハウスメーカーなど多様な住宅企業が商品を提供しています。

    施工を依頼する工務店やハウスメーカー選びも非常に重要な要素ですので、施工事例や口コミを確認し、価格だけでなく、品質やアフターサービス、保証内容も比較しましょう。

    また、営業担当者や建築設計士との相性も大切になります。信頼できる業者を選ぶことで、打ち合わせや施工中のトラブルを防ぎ、納得のいく家づくりができます。必要に応じて第三者の住宅診断(インスペクション)を活用することも有効です。

    富山特有の気候を考慮する

    雪対策(融雪・カーポート)

    富山の雪は、水分を含んで重い傾向があります。除雪の労力は相当なもので、地域によっては1日に何回も雪かきが必要になることもあります。

    また、最近は、ラニーニャ現象が発生すると、だいたい富山も大雪に見舞われますよね。毎日住む家ですから、大雪の時に除雪が少しでも楽にできるように、家を建てる際に取り入れたいポイントをご紹介します。

    融雪

    富山の生活に欠かせない融雪ですが、正式名称は「消雪パイプ」と言います。小さい穴から地下水を散水する単純な仕組みになっています。

    地上の雪よりも、地下水の温度の方が高いため、温度差で雪が溶けてくれます。融雪があるだけでも、家の前の道路を除雪する労力を軽減できます。

    融雪が整備されているかも土地選びの大切なポイントです。また、地域によっては、散水される量が少ない場合もあります。できれば、雪のシーズンに住みたい地域の融雪の量を事前に確認出来ると良いですね!

    カーポート

    カーポートの設置も除雪作業を楽にする設備です。車を複数台使用されるご家庭の多い富山では、大きな効果を発揮します。

    朝の通勤前に車の除雪をするのも一苦労ですよね。カーポートは、建築基準法上、建築物と定義されています。設置する面積や、場所は設計士としっかり打合せをして決めることが大切です。

    また、富山の雪は重いので、カーポートの耐雪もしっかり確認してください。富山の場合は、耐雪150cm以上のタイプであれば安心です。ただし、このタイプは、柱が6本設置されているものが多いため、設置した際、車のドアを開けた時に柱に干渉しないか、家の玄関までのアプローチなども考慮に入れて家づくりをしましょう。

    断熱材の有効活用

    富山の気候は、夏場は物凄く暑く、湿気でジメジメして、冬場は雪も降って寒さが厳しく日照時間が少ないので、冷暖房設備を点ける機会が多いかと思います。この時、家の中からは目に見えませんが、大切な素材が断熱材です。

    断熱が足りないと起こること

    夏は家の中が凄く暑くなる傾向があります。太陽が当たる屋根の近くの部屋は特に暑くなり、冷房を点けても足元しか冷えない。

    冬は家の中が凄く寒くなる傾向があります。室温とガラスの温度差で家中が結露だらけになり、カビの発生を招きます。

    断熱材の効果

    家の外の熱や冷気の伝達を遅らせ、家の中が暑くなったり寒くなったりするのを防ぐ効果があります。また、断熱材を施工することで建物内部の隙間が埋まり、気密性が高まります。気密性が高まることで、家の中の温度を快適に保つことができようになります。

    断熱材を選ぶポイント

    断熱材は、グラスウールやセルロースファイバー、フェノールフォームなど非常に多く の種類があります。また、建築会社によって、取り扱っている素材・強みとしている素 材が異なります。

    素材によって、安価なものから高価なものまであります。断熱材を選ぶポイントは、富山の湿気に強い断熱材は何か、劣化せず長い期間に渡って、富山で快適に暮らせる素材は何か、建築会社と相談しながら選ぶのもポイントです。

    • 記事を書いたライター
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    yusuke

    yusuke

    A型とよく言われますがO型です。両親はB型です。

    東京で育ち、縁あって移住し、富山で家を建てて暮らしています。新卒で都市銀行に入行後、現在富山市の事業会社で管理部門に従事しています。日々、仕事に家事に勉強に励んでいます。 ◆ FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)◆

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