ウェルビーイングとは

ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に健康や幸福である状態が続くことを指します。1948年に発効された世界保健機関(WHO)憲章の前文において、「健康とは、単に病気にかかっていないことだけではなく、身体的、精神的、社会的に満たされた状態(well-being)である」と定義したことにより、広く知られるようになりました。が設
近年フリーランスの増加やテレワークの普及などの働き方改革により、多くの時間を家で過ごす人も増えてきています。
健康志向が高まっている今、ウェルビーイングに対する意識はより高まっていくでしょう。
ウェルビーイング住宅とはどんな家?
ウェルビーイング住宅とは、住む人の心身の健康と幸福を実現することを目的にした住まいのことです。この概念は、特にフィンランドをはじめとする北欧など、厳しい気候環境の国々で広まりました。寒冷地に住む人々は家の中で過ごす時間が長いことから、家の居心地や快適さを大切にしています。
ウェルビーイング住宅の特徴は、住む人が心地よく、健康で幸せに過ごせる空間を作り出すことです。ウェルビーイングは英語で「well(良い)」と「being(存在)」を意味しており、心身の健康や幸福な状態を意味します。
ウェルビーイング住宅と一言にいっても、決まった設計やスタイルはありません。心地よさや幸福感は人それぞれ異なり、住む人にとって何が最も快適であるかが重要なポイントです。自分に合った住まいを作ることが、ウェルビーイング住宅の本質ともいえるでしょう。
ウェルビーイング住宅の特徴5つ

デザインや設計に決まりのないウェルビーイング住宅ですが、心身ともに健康に暮らすうえで共通している特徴があります。ウェルビーイング住宅の代表的な特徴を5つ紹介します。
特徴1.子どもの成長に適応できる設計
ウェルビーイング住宅の設計は、子どもの成長に合わせて柔軟に適応できるという特徴があります。
家を建てた当初は幼かった子どももいずれは小学生になり、中学生、高校生へと成長していきます。子どもは成長とともにライフステージや生活環境が大きく変わるため、変化に合わせて家の使い方や間取りを柔軟に調整できる設計が重要です。
子どもの成長に適応できる設計は、子どもの心身の成長と幸福にも貢献するといえるでしょう。
特徴2.バリアフリーを意識する
バリアフリーを意識した設計も、ウェルビーイング住宅の特徴です。
高齢者や体に不安がある方はもちろん、ウェルビーイング住宅には誰にとっても安全で快適に暮らせる工夫が施されています。段差のない床や、手すりの設置、広めの廊下やドアなど、日常生活をスムーズに送れるような設計が特徴です。
バリアフリー設計をすることで、将来の暮らしの変化にも対応できるというメリットがあります。家を建てたときは使わない設備でも、妊娠や子育て、高齢期とライフステージが変わった後に安心して暮らせるでしょう。
ウェルビーイング住宅におけるバリアフリーは、単なる機能的な配慮だけではなく、すべての人が快適に暮らせるユニバーサルデザインの視点を持った設計といえます。
特徴3.自然光や天然素材を取り入れる
ウェルビーイング住宅は、自然光を取り入れ、天然素材を活かした空間づくりが特徴です。
リビングやダイニングには大きな窓や天窓が設けられ、日中はやわらかな太陽の光が部屋全体を明るく包み込みます。自然光のある暮らしは気分を前向きにしてくれるなど、心身ともに良い影響を与えてくれるでしょう。
また、ウェルビーイング住宅では、フローリングや家具に無垢の木材、壁に天然素材を使うなど、見た目にやさしい空間づくりも特徴です。自然素材が持つぬくもりや質感は、リラックスできる住環境を生み出します。
自然との調和を大切にした設計は、見た目の美しさだけでなく、住む人の健康や幸福感を支える重要な要素として取り入れられています。
特徴4.換気システムや断熱材にこだわる
ウェルビーイング住宅では、空気の質や室内環境の快適さを保つために、換気システムや断熱性能にもこだわっています。
高性能な換気システムを導入することで、室内に新鮮な空気を循環させ、ホコリや湿気、化学物質による空気の汚れを防ぎます。これは、アレルギーや体調不良の予防にもつながる重要なポイントです。
さらに、壁や床に高性能の断熱材を取り入れることで、季節を問わず快適な室温を保ちます。夏は涼しく、冬は暖かい環境が実現するため、冷暖房の使用を最小限に抑えられるという大きなメリットがあります。光熱費の節約だけでなく、環境負荷の軽減にも貢献できるでしょう。
特徴5.家族のコミュニケーションが活発になる間取り
ウェルビーイング住宅は、家族同士が自然にコミュニケーションを取りやすい空間設計も特徴です。リモートワークなど家で過ごす時間の増加にともない、家族と一緒に家で過ごす時間を大切にするライフスタイルが注目されています。
リビングやダイニングを中心にしたオープンな間取りにすることで、自分の時間を過ごしながらも家族の存在を感じられるような空間づくりが可能です。キッチンとリビングがゆるやかにつながっていれば、料理をしながらの会話も自然に生まれるでしょう。
ウェルビーイング住宅は、心地よさとつながりの両方を大切にした、家族の絆を育む住まいともいえます。
ウェルビーイング住宅のメリット

ウェルビーイング住宅には多くのメリットがあります。中でも代表的なメリットを3つ紹介します。
不動産価値が高い
ウェルビーイング住宅は、不動産としての価値も高まりやすい住宅です。
高断熱・高気密・耐震性・省エネ性能など、快適な暮らしを実現するだけでなく、住宅の基本性能がしっかりと備わっています。長期にわたって安心して暮らせるため、資産としての価値も維持されやすくなるでしょう。
まさに「暮らしやすさ」と「資産価値の両立」が叶うことから、将来的に住み替えや売却を検討する際にも、高値で取引される可能性があります。
長く住める
ウェルビーイング住宅は、未来まで見据えた長く住み続けられる家であることもメリットといえます。高い耐久性を備えているため、適切にメンテナンスすることで、子どもや孫の世代まで住み続けられるところが大きな魅力です。
家族の思い出が積み重なっていく空間は、暮らしの安心感や心の拠りどころにもつながります。また、長く住み続けることで資源の無駄を減らすため、環境への配慮にも貢献できるでしょう。
室内での体調不良や事故を防げる
ウェルビーイング住宅は、心と体の健康を守る住まいであることも魅力の一つです。
断熱性や換気性に優れた設計により、一年を通して快適な室温が保たれます。そのため、急激な温度変化による体調不良やヒートショックなどのリスクを軽減できるでしょう。
ウェルビーイング住宅で心身ともに健康な暮らしを
今回は、近年さらに注目が集まっているウェルビーイング住宅について紹介しました。
ウェルビーイング住宅は、単に住みやすいだけでなく、住む人の心身の健康と幸福を実現してくれる住宅です。子どもから高齢者まで誰にとっても安心できる住まいは、コミュニケーションの活性化や意欲の向上など、一人ひとりにさらなる良い影響をもたらすことでしょう。
ウェルビーイング住宅で、健康的かつ快適な暮らしを叶えてみてはいかがでしょうか。