ペットを災害から守るには、飼い主がペットの防災について知り、対策を講じる必要があります。この記事では、ペットと避難するにはどうすれば良いか、何を準備しておけば良いか、対策について解説します。今すぐできることもあるので、ぜひ防災意識を高めて準備を始めましょう。
災害時ペットと避難するには?
災害が起こった際の飼い主自身や家族の安全確保も大切ですが、ペットの安全確保についても、普段から考え備えておく必要があります。十分な水や食料を用意し、避難所や避難ルートを確認しておくなどの防災を事前に整えておくことで、いざというときに慌てずにペットと一緒に避難できます。
ペットの防災のために事前にしておくべきこと、必要なグッズをしっかりと把握し、準備を整えましょう。
ペットを守るために今からできること
自治体がペット同行避難者への受け入れ体制を整えていたとしても、実際にはペットとの同行避難や、避難所での適切な飼育が難しい場合があります。避難生活におけるペットの飼育に関する知識がなく、しつけが十分でない場合は、同行避難は容易ではないでしょう。
災害用にしつけをする、というよりは、日常生活の段階で人と協調性を持って生活できているかどうかが重要です。また、健康管理もきちんとしておくことが大切です。大切なペットを災害から守るため、事前に次のような準備をしておきましょう。
ワクチン接種・寄生虫駆除
避難所や動物救護施設では、慣れない場所での生活でペットの免疫力が低下したり、ほかの動物との接触が多くなったりします。普段からペットの健康管理に注意し、ワクチン接種やノミなどの外部寄生虫の駆除をし、ペットの健康、衛生状態を確保することが大切です。また、ワクチンの予防効果は接種してから時間が経つと低くなっていきます。ワクチンの効き目に谷間をつくらないよう、定期的な接種が大切です。
しつけ(ケージに慣らせる訓練)
飼い主がペットを連れて避難しようとしても、突然の災害にペットがパニックになり、いつもと違う行動を取るかもしれません。こうした状況で、ペットとともに安全に避難するためには、普段からのしつけが大切です。キャリーバッグを嫌がらないよう普段から慣らしておいたり、どんなときでも言うことを聞くようトレーニングしておいたりしましょう。
特にケージやキャリーバッグに慣らしておくことは重要で、移動や避難所待機の際に他人に迷惑をかけないようにするとともに、ペット自身のストレスも軽減できます。
避難場所の確認
自治体の広報誌やウェブサイトなどを通じて、住んでいる地域の避難所の所在地や避難ルートを確認しておきましょう。さらに、避難所にペットを連れて行く際の注意事項も管轄の自治体に確認しておくと安心できます。また、万が一に備えて、親戚や友人などでペットの一時預かりをしてくれる先がないか、探しておくことが望ましいです。
ペットが迷子にならないための所有者を明示
どれだけ準備万端にしたとしても、災害の大きさによっては、やむを得ずペットを残して避難したり、ペットとはぐれてしまったりというケースもあります。
そういった場合に備えて、ペットが保護された際に飼い主の元に戻れるよう、所有者を明示しておく必要があります。外から見えて誰でもすぐにわかる迷子札をつけておくと安心です。
ペット用の防災グッズの用意
避難所では人の避難生活の準備はされていますが、ペットに対する準備はされていません。ペットの備えは基本的に飼い主の責任になります。ペットの防災グッズがないと、糞尿や鳴き声によるトラブルが起きてしまう可能性があります。ペットとの同行避難に備えて、日頃からペット用の防災グッズを備蓄するとともに、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
ペットの防災グッズで必要なもの10選
災害が起こった際、ペットを守り、トラブルを防ぐために必要な防災グッズを10個紹介します。すぐに用意できるものがほとんどなので、早めに準備を整えましょう。
フード、水
災害時にはいつ帰れるかの目処がたたないことが多く、フードやペットシーツなどのペットグッズの購入も困難となります。少なくとも5日分から7日分のフードと水を用意しておきましょう。また、ペットの健康状態によっては専用の療法食も用意しなければなりません。
キャリーバッグ・ケージ
キャリーバッグやケージは小型犬や猫には必須のグッズです。特に、リュック型・肩掛けできるものだと手が空くので、避難時にも持ち運びやすいです。災害時初めてペットが使うとなるとストレスをかけてしまうため、事前に災害持ち出し用のキャリーバッグやケージに慣らしておきましょう。
リード
避難所で周りに迷惑をかけたり避難時にケガをしたりしないよう、短めで伸びないタイプが適切です。普段使っている散歩用のリードとは別に準備しておきましょう。
ネームタグ
ペットが行方不明になっても戻ってこられるよう、住所や連絡先を書き首輪につけておきましょう。防災用に準備するのではなく、普段からつけている首輪にそのままつけておきます。
ペットが普段使っている毛布・タオル
ペット自身や飼い主、自宅などの「ペットにとって安心できる匂い」がついている毛布やタオルがあると、慣れない場所での生活でかかるストレスを軽くできます。夏場はタオル、それ以外の季節は毛布と、季節(気候)で分けるといいでしょう。
ペット用の靴
割れたガラスや尖った瓦礫などでペットがケガをしないよう、避難時に履かせるといいでしょう。キャリーに入れたり抱っこで移動したりできない大型犬がいる場合、特に必要になります。
カイロ・ペット用の服
冬場、大きな体育館のような避難所は暖房があっても寒いことが多く、身体が冷えやすい小さなペットがいる場合、カイロや服などの身体を温めるためのグッズは必須cfです。
ペットシーツ・ビニール袋
避難所で周りに迷惑をかけないためにペットシーツやビニール袋を用意しておきましょう。ペットシーツにはさまざまな種類がありますが、においがもれにくい吸収力の強いシーツがおすすめです。また、シーツの上でトイレができるように、普段からしつけをしておくことも大切です。
ペット用の薬・療養食
ペットに持病がある場合、普段飲んでいる薬や療養食も持ち出し袋に入れておきましょう。これらは避難生活では手に入りづらいため、2週間分は用意しておくのがよいでしょう。
その他の避難グッズ
ペットがいる・いないにかかわらず、次のような避難グッズは常に用意しておきましょう。
- 保存食
- 飲料水
- 衛生用品
- 医薬品
- 貴重品
- ライトと電池
- 情報収集ツール
- 100円玉・10円玉を中心にした小銭とテレフォンカード
- 季節用品
など
具体的に何をどのくらい準備すればいいのかは、こちらの記事で解説しています。
富山市でペットと避難する際のガイドライン
災害が起きた際に取るべき行動について、富山市でペットと避難する際のガイドラインと併せて解説します。災害が発生したときは、落ち着いて次の行動をとりましょう。
人とペットの安全確認・同行避難
災害が起こった際、まずは落ち着いて自分とペットの安全を確保します。突然の災害でペットがパニックになることがあるので、ペットを落ち着かせるとともに、自分もケガしないように気をつけましょう。万が一ペットとはぐれた場合には、ペットについての情報や避難時のペットの状況について、自治体の動物担当部署や警察などに届けましょう。また、ペットと一緒に避難できず自宅に置いてきた場合には、自治体の動物担当部署に相談しましょう。
避難所でのペットの飼育管理
避難所でのペットの飼育管理は、飼い主の責任です。避難所での情報をしっかり把握し、避難所におけるペットの飼育場所や飼育ルールを守りましょう。
トラブル防止・対応
避難所生活が長期化する場合には、避難所でのペット飼育にともなうトラブルの防止やその解決のため、避難している飼い主の中からペット飼育管理に関する飼育代表者を指定します。万一トラブルが起こった際は個人で対応せず、集団の責任で対応するようにしましょう。重大なトラブルや避難所運営に係るトラブルについては、避難所の責任者とも話し合い、解決に努めるようにします。
避難所からの退所
避難所から帰宅したり、別の避難所に移るときはペットと一緒に退所します。退所時は避難所の「掲示用管理票の飼い主控え」を確認したうえで退所します。また、ペットの飼育場所を清掃し、発生したごみは決められた場所に捨てましょう。
詳しくは、富山県のガイドラインもご確認ください。
富山県/ペットの災害対策していますか
https://www.pref.toyama.jp/1207/kurashi/seikatsu/seikatsu/doubutsuaigo/notebook/saigai.html
大切なペットの防災を普段から考えよう
災害が起きたときにペットと一緒に避難したり、避難所で共同生活を送ったりするために、事前に防災グッズを用意することや、しつけをしておくことが大切です。大切なペットを災害から守るために、日頃から防災の意識を持ち、対策をしていきましょう。