車内に常備すると安心な防災グッズについて解説します。家の中だけでなく、車内にも防災グッズが必要なのはなぜでしょうか?理由や最低限用意したいアイテム9つも合わせて紹介します。明日からできる車内の防災対策も詳しくまとめているため、普段車を運転する方は参考にしてみてください。
車内に防災グッズが必要な理由
災害大国と呼ばれる日本は、いつどこで大きな災害に見舞われるか分かりません。近年、地震や津波をはじめ台風や豪雨、それに伴う土砂崩れや浸水被害も多く発生しています。
万が一運転中に災害に遭ってしまうと、緊急通行車両以外の車の通行が制限される、交通渋滞に巻き込まれるなど、長い時間を車内で過ごすことになります。災害の大きさや状況によっては、3週間近く車内での避難生活を余儀なくされる可能性も。
2016年の熊本地震や記憶に新しい能登半島地震の後、ペットや小さい子どもがいる方、密集生活が苦手な方は、避難所へは行かずに車中泊を選択した方もいました。車は安全な場所であれば、プライベートを保てる避難場所にもなるのです。
このことから家だけでなく、車にも防災グッズを常備しておくことは、とても重要と言えます。いつ起きるかわからない災害に備え車内に防災グッズを常備して、慌てずに対応できるようにしておきましょう。
車に常備すると安心な防災グッズ
自宅と違って、車には保管できるスペースが限られているため、多くある防災グッズを全て取り揃えることは出来ません。そのため、命を守るために必要な防災グッズの優先順位をつけて常備するのがポイントです。特に車内に常備しておきたい防災グッズを紹介します。
水
最優先に備蓄が必要なのは、生きるのに不可欠な水です。災害時には、飲食用と生活用水を合わせて、1人当たり1日3リットル、最低でも3日分の水を備蓄する必要があると言われています。
用意する水は、5年以上保存できるような保存水を用意しましょう。また、ペットボトルは大きいものよりも小さいもの(例:1Lットボトルを2本)の方が、飲料水やトイレ用などに分けて使いやすいためおすすめです。
食料
車の中は、夏場は50度近くになり冬場は氷点下になるなど気温の変化が激しく、一般の食料では保管ができません。そのため1年を通して載せたままにするのであれば、防災食の耐温度域が何度かを確認する必要があります。
車載用の防災食には、缶詰やアルファ米、パン、お菓子などなるべく高カロリーなものがおすすめです。暑い夏を考慮して、溶けてしまう飴やチョコレートなどは避け、お菓子にはクッキーやビスケットを選びましょう。
手回し式充電器
情報収集はラジオで出来ますが、家族や外部との連絡、安否確認には携帯電話が必須です。電池式の充電器は、夏場に車の中が高温になることからおすすめはできません。手回し式の充電器を用意することで、電気や電池がなくても安全に使用できます。
災害用トイレ
一般的な人のトイレの回数は1日5~7回のため、災害時には、1人当たり少なくとも1日5回分の災害用トイレの備えが不可欠です。車内に備蓄する量は少なくとも3日分、余裕があれば7日分が望ましいと言えます。小さな子どもや高齢の方がいる場合は、紙パンツやオムツも忘れずに備蓄しましょう。
暑さ・寒さ対策グッズ
車内では、真夏や真冬の対策が重要です。夏の厳しい暑さには、冷感タオルや瞬間冷却剤、ウィンドーネットがおすすめ。冬の凍える寒さには、コンパクトに折りたためて防水性・防風性にも優れているサバイバルブランケットやポンチョ、カイロがおすすめです。ポンチョやブランケットは温まるだけでなく、車外で簡易トイレを使うときに目隠しとしても役に立ちます。
懐中電灯
夜間、車を離れる際や作業する際には懐中電灯が役立ちます。乾電池式のものは、高温の場所で保管すると発火の危険性があります。そのため、手回し式のものやソーラー充電式のものを使用するのがおすすめです。
明かりは携帯電話のライトでも対応できますが、懐中電灯を用意しておくことで携帯電話のバッテリーを気にする必要がなくなります。
衛生用品
避難生活中は衛生環境の悪化が懸念されるため、衛生状態を保つ対策が必要となります。衛生用品を車内に常備することで、感染症などのリスクを回避できます。
消毒用のアルコールやマスク、使い捨てのビニール手袋、ティッシュは必須で、体を清潔に保つための体拭きシートもあるとよいでしょう。女性は、一緒に生理用ナプキンの常備もしておくと、いざという時も安心です。
脱出ハンマー
車が水没してしまい、脱出できない時などに役立つのが脱出ハンマーです。自動車の窓ガラスはとても頑丈に作られているため、全力で叩いたり蹴ったりしても割ることはできません。そのような時に脱出ハンマーを使うことで、簡単に壊すことができます。脱出ハンマーはさまざまな種類がありますが、シートベルトカッター付きのものを選ぶのがおすすめです。
常備薬
災害時は病院や薬局に行くことが難しく、普段服用している薬を自宅に取りに行けなくなります。持病がある場合は何日間も飲まないことで症状が悪化し、命に関わることも。車内での災害を想定して、車内に薬を常備することをおすすめします。なお、薬は保管方法や使用期限が決められているため、車で保管して良いものか事前に確認しましょう。
普段から出来る車の防災対策
車内の防災グッズ以外にも、普段からできる車の防災対策について紹介します。
ガソリンの給油頻度を上げる
災害が起きたとき、ガソリンスタンドが営業できない、大行列ができる、ガソリンの供給不足など、ガソリンの給油ができないためにガス欠になってしまう恐れがあります。こういったトラブルを避けるため、日頃から車の燃料メーターが半分を切ったら満タンにするようにしましょう。とくに冷房や暖房を使う時期は、早めの給油を心がけることで突然の災害でも安心です。
車に置く道具は密閉袋に入れておく
車に置く道具は、普段からジッパー付きのビニール袋などの密閉袋に入れておくことで、もし車が浸水被害に遭った場合も被害を最小限に抑えられます。常備している災害グッズも同じように密閉袋に入れておくと安心できるでしょう。災害はいつ起きるか分からないからこそ、日頃から習慣として癖づけておくことがポイントです。
定期的な防災グッズの見直し
車内の防災グッズを完璧にしていても、食べ物や日用品の期限が切れていては意味がありません。食べ物や飲み物の期限は定期的にチェックして、期限が近付いているものは消費して、また新しいものを追加することが大切です。防災グッズに記載した緊急連絡先の更新も、つい忘れがちな項目です。
半年に一度程度、自身で決めた日にチェックしてもよいですし、季節の変わり目に設定されている「防災用品点検の日」の3月1日・6月1日・9月1日・12月1日に、家の防災用品と一緒に家族みんなで行うのもよいでしょう。
万が一に備えて車内に防災グッズを常備しよう
今回は、車内に防犯グッズが必要な理由と、備えておくべき防犯グッズを紹介しました。家の中では多くの防災グッズを常備できますが、車の中では「優先順位をつけた防災グッズを選ぶこと」「急な温度変化に耐えられる車載用の防災グッズを選ぶこと」が重要です。万が一の事態に備えて、車の中にも防災グッズを常備するようにしましょう。