富山県内のおすすめワインやワイナリーを紹介します。今回ご紹介する4つのぶどう園の中には、ぶどう畑やワイナリーだけでなく、カフェやレストランが併設されていたり、イベント開催をしたりしているところもあります。ワインを楽しむだけでなく、おでかけスポットとしてもおすすめなので、観光の候補地としても参考にしてみてください。
やまふじぶどう園
富山県のほぼ中央、婦中町の小高い丘の上にある「やまふじぶどう園・ホーライサンワイナリー」は、富山で最も古いぶどう園&ワイナリーです。1927年にぶどう園として開園後、1933年にワイン醸造免許を取得してワイン造りをスタート。1955年からは観光ぶどう園としての営業も始めました。
栽培から醸造、販売までを一貫しているやまふじぶどう園では、6ヘクタールの畑で生食用とワイン用のぶどうを40種類ほど栽培しています。8月中旬から10月上旬にぶどう狩りの体験ができるほか、ぶどう園中央にあるワイナリーでは見学・試飲ができたり、売店でワインの購入ができたり、カフェやイベントスペースがあったりと1年を通じてさまざまな過ごし方ができるぶどう園でもあります。
ワイン造りのコンセプトは「いつもの日常に寄り添う親友のような優しいワイン」。
食事を引き立てたり場の雰囲気を和ませたり「飲む方のいろんなシーンでそばにあるワイン」を目指し、ワイン好きな方はもちろん、ワイン初心者でも飲みやすいワイン造りに取り組んでいます。甘口からすっきりとした辛口、飲みごたえのあるワインまで、それぞれの好みにあったお気に入りのワインと出会えるでしょう。
やまふじぶどう園のおすすめワインは「いつもの」の赤と白。いつものは、ぶどう園を開園した初代が「蓬莱山葡萄酒」と名付け、初めて販売したワインをリニューアルしたものです。これまで「立山ワイン」「山ワイン」と2度名称を変えていますが、誕生から90年以上製造を続けてきたやまふじぶどう園を代表する定番ワインです。
赤ワインは、契約農家が厳選したマスカットベーリーAのみを使用しています。フルーティで軽やかな味わいが特徴で、富山の新鮮な食材との相性も抜群です。白ワインは、契約農家厳選の甲州のみを使用し、フルーティさと軽やかさ、程よい余韻が味わえます。どちらも気軽に「いつもの」食事と楽しみたいワインです。
このほか、毎年11月1日に発売される「やまふじ新種」や自園産のメルローとマスカットベーリーAをブレンドした遊び心いっぱいの赤ワイン「わるだくみ」。自園産メルローで造った、ちょっぴり赤のようなコクのあるロゼワイン「ねこかぶり」など、定番から期間・数量限定、ユニークなものまで見ているだけで楽しいワインがたくさんあります。
ぶどう園の中にある売店では、好みに合わせたおすすめワインの紹介やワインの飲み方の提案までスタッフが気軽に相談に乗ってくれます。ワイン選びに迷った時は、ぜひ声をかけてみてください。場合によっては未発表の商品を提供することもあるそうです。
また、四季折々のぶどう畑を眺めながら食事ができるカフェでは、旬の食材や果物を使った限定ランチやスイーツ、自慢のワインもいただけます。ワインメニューは、その日のおすすめを赤・白・ロゼの3種類から選べるグラスワインやワインベースのカクテルが提供されてるので、食事を楽しむだけでなくワイン選びの参考としても立ち寄ってみたいですね。
さらにぶどうのシーズンになると、採れたてのぶどうを使ったフレッシュジュースやパフェなどの限定メニューが登場します。イベントスペースでは収穫祭のほか、定期的に音楽イベントや季節のイベントも行っているので観光やお出かけにも最適です。
ワイナリーの見学は見学コースと見学試飲コースがあります。常時スタッフはいますが見学専任ではなく、ワインの仕込みなどによっては案内できない日もあるため、事前に電話で問い合わせをしておくと安心です。醸造工場・ぶどう畑・試飲までを40分〜90分ほどかけて回る有料見学ツアーで、10:30からと14:00からの2回行っています。
ワインの購入だけでなく食事や摘み取り体験、イベントなど大人から子どもまで、みんなで楽しめるやまふじぶどう園へ遊びに行ってみてください。
場所 | やまふじぶどう園・ホーライサンワイナリー |
住所 | 富山県富山市婦中町みさご谷10 |
アクセス | 【車】 JR高山本線千里駅から約10分 北陸自動車道富山西ICまたは小杉ICから約15分 |
公式サイト | https://www.winery.co.jp/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/yamafujibudou/ |
問合せ先 | 076-469-4539 |
営業時間 | 平日 10:00〜17:00 土日祝日 10:00~17:00 8月~9月 全日9:30~17:00 10月 全日10:00~17:00 |
定休日 | 木曜日 ※ぶどうシーズン(8月~10月)以外は定休日が多くなります ※売店は年中無休(冬季休業あり) |
駐車場 | 有り(100台) |
宮﨑ぶどう園
高岡市と砺波市の境に位置する「宮﨑ぶどう園」は、昭和57年からスタートした生産直売のぶどう園です。5000坪のぶどう畑で、富山の気候風土にあった30品種を選定し、最新品種の種なしで皮ごと食べられるぶどうや市場に出回らないような珍しい品種のぶどうを栽培しています。「摘みたて、完熟の美味しいぶどうを新鮮なうちに味わってもらいたい」という思いから直販にこだわって運営しているぶどう園です。
宮﨑ぶどう園は、「エコファーマー」、「とやま特産の匠」、「となみブランド」に認定されたぶどう園でもあります。
エコファーマーは、堆肥等を活用した土づくりと化学肥料・農薬の使用を低減し、環境にやさしい農業に取り組む農業者(個人または法人)で、県の認定を受けた農業者のことです。とやま特産の匠は、富山県の農林水産物の生産や加工に関する卓越した知識や技能を有し、その普及活動を積極的に行う個人または団体のこと。となみブランドは、砺波市の地域資源を生かして生まれた選りすぐりの地域産品等を認定する制度のことで、その第1回認定品目に認定されました。
美味しいぶどう作りにとことんこだわっている宮﨑ぶどう園の販売所内にはカフェ「JUICE STAND」も併設されています。生絞りのぶどうジュースやソルベ、ムレスナティーなども楽しめます。ぶどうジュース、ソルベは無添加、無加糖でオーダー後に目の前で作ってくれたものを味わえます。
摘みたてぶどう100%コールドプレスジュースは、低速回転のスロージューサーで、ぶどうの実と皮、種を分離させ、実の部分だけをすり潰して絞ったジュースです。製法の特性上、ぶどうの栄養素の破壊を最小限に抑えて搾汁できます。
ジュースメニューは日によって使用されるぶどうの品種が変わることや、ぶどうの完熟待ちのためJUICE STANDが休みになることもあります。ソルベメニューも品種数が変わることや、ジュースメニューよりも先に販売終了となることがあるため、公式HPやInstagramでその日のメニューを確認していくことがおすすめです。
お土産や贈答品としてもおすすめしたい宮﨑ぶどう園のぶどうたち。現地に足を運んだ際は、JUICE STANDでしか味わえないこだわりのメニューを堪能してみてください。
場所 | 宮﨑ぶどう園 |
住所 | 富山県砺波市東保1115 |
アクセス | 【車】 北陸自動車道・小杉ICから約15分 北陸自動車道・砺波ICから約20分 |
公式サイト | https://www.mbudou.jp/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/miyazakibudou.tonami/ |
問合せ先 | 0763-37-0832 |
営業時間 | 9:30~17:00 ※8月11日~14日は9:30~15:00 |
定休日 | 不定休 ※営業期間は8月11日~10月中旬 |
駐車場 | あり |
SAYS FARM
氷見の里山の小さな丘の上にあるSAYS FARMは、自家栽培醸造家として、100%の自社栽培・醸造にこだわったワイン造りに取り組む農園・ワイナリーです。2008年から耕作放棄地を開拓して畑づくりをはじめ、現在は約7ヘクタールに18,000本の欧州種系のワイン用ぶどうを栽培しています。標高の高い南向きの斜面はワイン畑に最適なだけでなく、吹き上げてくる海風のおかげで病害虫が少ないため、最低限の農薬散布でぶどうの有機栽培ができています。
SAYS FARMには、ワイナリーのほかレストラン・カフェ、ゲストハウス、ショップ&ギャラリーも併設されています。ワイナリーの見学は、レストランまたは宿泊の予約をしている方限定となるため、見学の際はご注意ください。
SAYS FARMのレストラン・カフェは、ぶどう畑を望む林の中にあります。地産地消をテーマに、SAYS FARM内で育てた野菜や果物、卵のほか、地元の旬の食材を使った料理が堪能できます。もちろん、農園で栽培から醸造、ビン詰めまで手作業で造られたワインも料理とご一緒にどうぞ。
レストラン・カフェの営業は、ランチタイム、カフェタイム、ディナータイムの3つの時間がありますが、ディナータイムの営業がある日はカフェタイムの営業がありませんので事前に問い合わせし確認しておくと安心でしょう。
ランチ、ディナータイムともにメインはコース料理ですが、平日のランチタイム限定でアラカルトメニューも楽しめるので、観光や時間がある際にはぜひ味わってみたいですね。カフェタイムには素材にこだわりのスイーツと共に、オリジナルブレンドの珈琲や身体に優しいジュースがいただけます。
ゲストハウスは、1日1組限定で非日常の極上癒し時間が過ごせます。木々に囲まれた景色の良い丘の上で静かな1日を過ごしたり、大切な人たちと食事やワインを楽しんだり、1組限定だからこそ味わえる贅沢な時間を過ごせるでしょう。
ゲストハウスには家電や調理器具が揃う広いキッチンがあるので、氷見港で水揚げされた新鮮な魚や地元の生産者がつくる肉や野菜を買ってきて料理をしたり、外でバーベキューするなど楽しみ方は無限大です。目的や用途に合わせた宿泊プランが用意されているので観光時の宿泊先候補としてもおすすめです。
ショップ&ギャラリーのショップでは、ワイナリーで造られたワインや農園で穫れた果物などを使ったコンフィチュール、国内産に絞ってセレクトしたワインに合う食品が購入できます。
ワインのおすすめは、名前に地名を冠した「YOKAWA ROUGE」。氷見で育む赤ワイン用ぶどうの個性をアッサンブラージュというワインの原酒を混ぜ合わせる伝統的な技法を用いて表現しています。毎年ブラッシュアップを重ねるYOKAWA ROUGEに完成はなく、その年ごとに違った味わいが楽しめます。
このほか「PRIVATE RESERVE CHARDONNAY」は、軽やかなテクスチャーを持ちながらも深みを感じさせる風味を帯びたシャルドネです。丘陵地に広がる各畑で育まれるシャルドネをブレンドしています。
ギャラリーには「食」にまつわる作品を中心とした、日々の生活に溶け込む作品が並べられています。期間限定の個展が開催されることもあるので、農園に立ち寄った際にはぜひギャラリーも覗いてみてください。
工夫次第でいろんな楽しみ方ができる新感覚の農園&ワイナリー「SAYS FARM」で、ワインだけでなく、富山の魅力も再発見できそうですね。
場所 | SAYS FARM |
住所 | 富山県氷見市余川字北山238 |
アクセス | 【電車】JR氷見駅からタクシーで約20分 【車】氷見北ICから約10分 ※降雪時期は、あいやまガーデンからの道が雪により閉鎖されます。 |
公式サイト | https://www.saysfarm.com/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/saysfarm/ |
問合せ先 | 0766-72-8288 |
営業時間 | SHOP & GALLERY 10:00〜17:00 KITCHENランチタイム11:00〜14:30 カフェタイム15:30〜17:00(L.O.16:30) ディナータイム17:30〜21:30(L.O.21:00) ※完全予約制 |
定休日 | なし ※年末年始・2月中はお休みします ※臨時休業することがあります |
駐車場 | あり(25台) |
KANATAワイナリー
KANATA(カナタ)ワイナリーは、魚津市天神野新の丘陵地に県東部初のワイナリーとして2023年10月にオープンしました。コンセプトは「魚津市の食文化に寄り添うワイナリー」。天然の生簀と称される富山湾がもたらす多様な食文化と、100年以上続く果樹栽培の歴史、魚津で育まれてきた「食」にワインをマリアージュすべく魚津産のぶどうを使用した地元に根差したワイン造りに取り組んでいます。
ワイナリーがあるのは、富山県魚津市天神山にある多目的施設「新川学びの森天神山交流館」の敷地内。施設に入ると、大きな窓からは広大な景色が広がるティスティングルームやワイナリーの全容がわかる映像ルーム、ワイン展示ルームなどがあります。
また、施設内の直営のワインショップでは、県職員として果樹栽培の普及指導に長く携わってきた醸造長の土井さんが、その経験と知識を生かして醸造したワインが購入できます。KANATAワイナリーのワインは、日本食に合う繊細な味わいが特徴です。
おすすめは「D.O.S」、日本のうまみ文化に向き合うがコンセプトの白ワインです。魚津を代表する郷土料理である北前船文化由来の昆布締めに合うワインとして誕生しました。食用ぶどう品種のシャインマスカット、巨峰、ピオーネ、ヒムロッドシードレスを混醸しています。飲み口の柔らかさを踏襲しながら、ぶどうの持つ果実感があふれるワインに仕上げました。
また、プレゼントとしてもおすすめしたいのは「UMI ROSÉ Cabernet franc」というロゼワイン。日本有数の多種多様な貝や鮮魚が水揚げされる魚津の魚介類とのペアリングをコンセプトに醸した「海のロゼワイン」です。
ぶどうは、カベルネフランを使用し、低温浸漬をした後、圧搾して発酵させています。グラスに注ぐとチャーミングな色合いで、爽やかさの中にもイチゴやアプリコットなどの香りが感じられるワインに仕上がっています。
KANATAワイナリーでは、施設内で定期的にイベントも開催されています。イベント内容は、世界標準のワイン知識が学べる資格取得講座で合格すると認定証とバッジがもらえる「WSET魚津講座」や、ワインの基礎を学びながら試飲も楽しめる「魚津わいん塾」、「ワイナリー見学ツアー」などさまざまです。
イベントの日程や詳細は公式HPやInstagram、Facebookなどで確認できます。観光で訪れたいという方は事前に情報収集をして、計画を立てると良いでしょう。
場所 | KANATA(カナタ)ワイナリー |
住所 | 富山県魚津市天神野新字西大野147-1 (新川学びの森天神山交流館敷地内) |
アクセス | 【車】 JR北陸新幹線 黒部宇奈月温泉駅から約15分 富山地方鉄道温泉 新魚津駅から約15分 北陸自動車道魚津ICから約15分 【バス】 魚津市民バス 天神ルート「新川学びの森天神山交流館口」(県道沿い)または「新川学びの森天神山交流館前」で下車 |
公式サイト | https://kanatawinery.com/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/kanata_winery_uozu/ |
問合せ先 | 0765-55-2027 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
定休日 | 月曜日~木曜日 ※農繁期は変更があるためHP要確認 |
駐車場 | あり |
ワイン好きじゃなくても楽しい!富山のワイナリーへ出かけよう
今回は富山県内にあるワイナリー・ぶどう園を4ヵ所ご紹介しました。思わず手に取ってみたくなる個性的なものが多く揃っています。
また、ぶどう園やワイナリーのイメージが変わるような施設やイベントも魅力的です。ワインが苦手な方やお子さんも、旬のぶどうを使用したジュースやスイーツが味わえるカフェやみんなで食事を楽しむことも、ぶどう園に宿泊やイベントで足を運べるのもワクワクします。
ワイン、ワイナリーというとなんだか「大人のもの」や「敷居が高そう」というイメージもありますが、今回ご紹介した富山のワイナリー・ぶどう園なら老若男女問わず、気軽に足を運んでそれぞれの楽しみ方で素敵な時間を過ごせるでしょう。
ぶどう狩りやワイナリー見学だけじゃない!いろんな工夫と魅力にあふれた富山のワイナリー・ぶどう園へお出かけしてみてはいかがでしょうか。