夏になったら食べたくなるものの一つに「河田屋の水だんご」がある。特に富山県東部の魚津、黒部、入善で過ごしたことのある人ならわかるだろう。
子供の頃におやつとして、食後のデザートとして、母親やおばあちゃんが出してくれたのだ。口に入れると脳裏に浮かぶ、エアコンのことをクーラーと言っていた昭和の少年時代を。
味覚は記憶と結びついていることを強く感じる。さあこの夏も水だんごでタイムスリップといきましょうか!
藤吉の水だんごとは?

「水だんご専門店 藤吉 (とうきち)」は電鉄魚津駅から車で3分の商店街にある。
ここで食べられる「河田屋の水だんご」は黒部市生地で50年以上親しまれてきたソウルフードで、2012年の河田屋の閉店を機に店主から直接製法を受け継いだものだ。

この水だんごからは「味」以上のものが味わえる。目の前にある水だんごを食べながら、記憶のなかにある「子供の頃に食べた水だんご」を味わっているのだ。
受け継いだ味と心 水だんご

60年を超える歴史のある河田屋の水だんご。表面についている打ち粉を水で洗って食べることから「水だんご」といわれている。
もちもちとした食感に噛むたびに、きな粉の優しい甘さと塩けが口の中に広がる。冷やして食べるので、のどを通るときのひんやり感がたまらなく心地よい。
団子に使われるコシヒカリの米粉や、きな粉の青大豆も富山県産のものを使用。片栗粉は北海道産を使用している。
また、自宅用・お土産用の水だんごは1パック(12個)350円(税込)で販売されている。

人気のある商品の製造を受け継ぐことは簡単ではなかっただろう。すでに多くのファンがいるということは、それだけ期待値も大きいのだ。河田屋の水だんごを愛している人ほど、オリジナルとの違いに敏感になるからだ。
河田屋の水だんごは、長年店主の職人的感覚に頼って作られてきた。その日の気温や湿度によってだんごをこねる力加減が変わるなど、同じ材料と分量で作っても同じ商品が生まれないのが「水だんごづくり」の奥深さだ。
味、形、噛み応えなど納得する商品が完成するには4年を費やしたという。いまでは「みごとな味の継承」と握手を求めるお客さんもいるとのこと。
河田屋の元店主には、毎年繁忙期に入る前に水だんごを届けている。たくさんの感想と一緒に「あなたの好きなように作ってください」と信頼の言葉とエールをくれるという。
水だんごとソフトクリームのコラボパフェ

藤吉ではこの水だんごを使ったカフェメニューが食べられる。水だんごパフェは水だんご12個に、青大豆きな粉、ソフトクリーム、玄米フレークが入っている。


塩味が効いたきな粉がソフトクリームの甘さを引き立てていて、ベストマッチなスイーツだ。団子の歯ごたえとソフトクリームのなめらかさを交互に味わえるのが楽しい。
きな粉増しは+50円、また水だんごやソフトクリームの増量バージョンのメニューもある。
水だんごパフェにコーヒーゼリーをのせた大人スイーツ

コーヒーゼリー水だんごパフェは「水だんごパフェ」に自家製のコーヒーゼリーが加えられた贅沢な一品。ソフトクリームの甘さをコーヒーゼリーのほろ苦さでキュッと締める大人のスイーツ。

シンプルでスタイリッシュな店内

木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、カウンター席と立食用のテーブルが設けられている。白い壁と木目調の天井や家具が心地よい雰囲気を演出。一人でも気軽に水だんごを楽しむことができる。
清潔感のあるミニマルな空間でゆっくりとこだわりの水だんごを味わえる、そんな特別な時間が流れるお店。
「素朴さ」ノスタルジーの世界へといざなう
昔ながらの素朴な味わいを残しながら、水だんごパフェや創作メニューなど若い世代にも響く要素が充実する藤吉。
この「懐かしさ」と「新しさ」のバランスこそが地元の人に愛される理由か。さあ、あなたも水だんごを食べてタイムスリップしちゃいましょう!
店名 | 水だんご専門店 藤吉 |
住所 | 魚津市真成寺町3-7 |
公式サイト | https://mizudango.uozu-tokichi.jp/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/uozu_toukichi/ |
営業時間 | 水曜~金曜 :13時~17時 土・日・祝日:12時~16時 |
定休日 | 毎週月曜、火曜 |
駐車場 | 店舗隣接7台 他 |
問合せ先 | 0765-55-2219 |
予約可否 | なし |
決済方法 | 現金、PayPay、d払い、auPayなど |
座席数 | カウンター8席 立食用2人テーブル2組 |