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立山黒部アルペンルート登山の持ち物や見どころ、注意点まとめ

立山登山で富山の雄大な自然からパワーをもらえる!

総延長37.2kmの山岳観光ルートである立山黒部アルペンルートは、様々な乗り物を乗り継いで気軽に景勝地を巡れる観光客に人気のスポットです。立山の雄大な大自然を満喫できる立山黒部アルペンルートの絶景は、一度見るとパワーをもらえることでしょう。各エリアの見どころやおすすめの楽しみ方について詳しく紹介します。

立山黒部アルペンルートとは?

引用:https://www.alpen-route.com/about/

立山黒部アルペンルートとは、標高3000m級の山々が連なる北アルプスを貫く山岳観光ルートです。総延長は37.2km、最大高低差は1,975mあり、四季折々で富山の大自然を楽しめる観光にぴったりの場所となっています。長距離の移動は徒歩や電車だけでなく、ケーブルカーや高原バス、ロープウェイ、電気バスなど様々な乗り物に乗って富山県「立山駅」から長野県「扇沢駅」までの長距離を巡ります。乗り物からは富山の四季を感じながら絶景を満喫でき、観光客はもちろん地元の方々も多く訪れる観光スポットです。

これで完璧!立山黒部アルペンルートを徹底攻略

立山黒部アルペンルートはたくさんのスポットを観光できるため、押さえたいポイントが多くあります。立山黒部アルペンルートを徹底攻略するために知っておくと便利な情報を詳しく紹介します。

おすすめの時期

立山黒部アルペンルートは季節ごとに違う風景を楽しめるのが最大の魅力となっており、春は残雪の季節として、冬のなごりと春の訪れを両方感じられます。室堂付近にある大谷では4月中旬から6月下旬まで「雪の大谷フェスティバル」が毎年開催されており、高さ20mの大迫力で巨大な雪の壁が見られます。

新緑の季節である初夏は、扇沢までの籠川渓谷沿いや黒部湖畔、立山高原バス道路沿いなどルートを進む道中で広葉樹の芽吹きが多く見られ、緑に囲まれた涼しい富山の自然を感じられる季節です。毎年6月下旬からは迫力満点で日本一大きな黒部ダムの観光放水が始まります。

夏は立山黒部アルペンルートが一年で最も賑わう季節で、高山植物のお花畑が見頃を迎える7〜8月は年間を通しても特におすすめの時期です。気温も15度と過ごしやすく、夏時期の立山黒部アルペンルートは登山、観光、トレッキングなど様々なことに最適な季節となっています。

秋は紅葉の景色が一面に広がり、立山黒部アルペンルート全体を美しく色鮮やかに彩ります。立山の紅葉の特徴は赤や黄色だけでなく、ハイマツの濃緑・チシマザサの淡緑など通常の紅葉とは一味違う景色を堪能できるのも魅力です。紅葉は9月下旬から11月上旬まで約1ヶ月半かけて山頂から色づいていくため、秋ならではの自然のグラデーションが楽しめるでしょう。

紅葉が終わり、10月中〜11月頃の初冬は雪景色の見頃を迎えます。冬時期は、春から秋とは一味違う、あたり一面が銀世界の静寂な立山の世界へと導いてくれます。新雪が降り積もり雪化粧をまとう山々は、思わず寒さを忘れるほどの美しさです。

必要な準備・持ち物

立山黒部アルペンルートは乗り物を乗り継ぐだけで気軽に散策できますが、季節や気候によりる気温差が激しいため、時期に合わせた服装や持ち物などの準備が重要になります。予測が難しい山の天候変化にも対応できるよう、万が一に備えて晴れた日でも雨具を持っていくと良いでしょう。また、季節問わず立山黒部アルペンルートに行く際の基本の装いとして、靴は歩きやすいスニーカー、両手を塞がないバッグ、紫外線対策に帽子や日焼け止めも持っていくと安心です。

適した服装

4〜6月頃の春時期、気温は氷点下5〜10℃と低く雪が積もっているため真冬並みの装いが必要となります。氷点下とはいえ長く歩いていると暑くなるので、着脱しやすいようジッパーやボタンのついた上着を羽織っていくと便利です。靴は、滑りやすい雪の上でも問題なく歩けるよう防水加工が施されたトレッキングシューズや長靴を選び、雪が中に入らないようハイカットのものを選びましょう。その他にも、手袋・カイロ・マフラー・ネックウォーマー・ウールの帽子・サングラスなども持っていくと役立ちます。

7〜8月頃の夏時期は下界での夏とは異なり、気温10〜20℃と過ごしやすくなっています。しかし山の中は日差しが強いため、通気性はありつつあまり肌を露出しない服を選ぶと良いでしょう。ひさしの大きい帽子やサングラスもあると役立ちます。散策道は歩きやすく整備されていますが、上り下りもあり、長い時間歩くことからサンダルだとマメができてしまうため避けるのが無難です。

9〜10月頃の紅葉シーズンは気温が10℃前後と肌寒く、10月には標高2,500mあたり(室堂平周辺)では雪がちらつくこともあります。場所ごとの気温差も大きいため、防寒対策をしっかりと行いましょう。暖かい帽子を被り、厚手の上着、中に着る洋服もウールやフリース素材の暖かい長袖がおすすめです。

11月頃の冬時期は気温が氷点下になることも多く、乗り物から一歩外に出ると非常に寒いため防寒対策を十分にしてください。暖かい帽子、しっかり防寒された服、そして散策の予定がない場合もダムの堰堤や道中で雪の上を歩く可能性があります。雪の上でも滑りにくい靴を選びましょう。

立山黒部アルペンルートの見どころ4選

立山黒部アルペンルートは複数のエリアに分かれており、場所により異なる景色や魅力が楽しめます。エリアごとの見どころを紹介します。

弥陀ヶ原エリア

引用:https://www.alpen-route.com/area/midagahara.php

弥陀ヶ原エリアは標高1,930mに位置しており、ラムサール条約に登録された、国際的にも貴重な湿原です。あたり一面に広大な自然が広がっており、綿毛のようにフワフワした「ワタスゲ」や木の仲間である「チングルマ」など、弥陀ヶ原エリアならではの珍しい高山植物を間近で眺められます。その他にも、弥陀ヶ原には「ガキの田」と呼ばれる小さな池や水たまりがあり、その数なんと約3,000個。この珍しい景観には、昔地獄に落ちた餓鬼が飢えをしのぐため田植えをしたという伝説があります。

天候条件が揃った日にだけ見られる弥陀ヶ原エリアの雲海はまさに絶景。まるで雲の上にいるかのような気分になれる天空の景色は、思わず息を呑むほどの美しさです。晴れた日は雄大な立山カルデラが一望できる「立山カルデラ展望台」もおすすめです。

美女平エリア

引用:https://www.alpen-route.com/area/bijyodaira.php

標高977mに位置する美女平エリアは原生林に囲まれており、樹齢200〜300年のブナの森林や、樹齢1,000年を超える大きな立山杉が見られます。これらの大きな木は全国「森の巨人たち百選」にも選ばれていて、それぞれの巨木には愛称がついているのだとか。樹木の枝葉からは優しい木漏れ日が差し込み、幻想的な空間を楽しめます。

美女平のブナ林には野鳥がたくさんいるため、バードウォッチングにも最適です。中には珍しい野鳥も生息しており、その数は60種類以上。特に毎年5〜6月は野鳥が多く見られるため、可愛い野鳥を一目見ようとたくさんの愛好家が訪れるスポットとなっています。その他にも、美女平駅の屋上にある展望台からの絶景や、恋愛成就の言い伝えがある美女平駅のシンボル「美女杉」もおすすめのスポットです。

大観峰エリア

引用:https://www.alpen-route.com/area/daikanbo.php

断崖にそびえ立つ大観峰エリアは標高2,316mに位置しており、大観峰から黒部平まで約7分間のロープウェイからは立山連峰の絶景を一望できます。季節によって違う表情を見せてくれるため、夏は新緑、秋は紅葉など、移ろいゆく四季の変化を上から見渡せるのが魅力です。期間限定でロープウェイのバックヤードツアーも行われており、大観峰エリアを楽しむ上で欠かせないロープウェイの裏側を見る貴重な体験ができます。

室堂エリア

引用:https://www.alpen-route.com/area/murodo.php

標高2,450mに位置する室堂エリアで特に有名なのが、高さが20mもある雪の壁「雪の大谷」です。雪の大谷を歩く「雪の大谷ウォーク」や、高さが8mほどのミニ雪の大谷こと「雪の回廊」を歩く「雪の回廊ウォーク」など楽しいイベントが開催されています。また、周囲約630m、水深約15mの幻想的な「みくりが池」も室堂エリアならではの絶景スポットです。池には壮大な山々の景色が映り込み、晴れの日は特に美しい景観が楽しめます。パワースポットと言われている雄山山頂の「雄山神社峰本社」や、バックカントリーも満喫できるエリアです。

見どころを巡るおすすめのモデルコース3選

立山黒部アルペンルートにはコースが多くある分、季節に合った見どころやルートを押さえたいものです。魅力的なスポットを満喫するためのおすすめモデルコースを季節ごとに紹介します。

【夏〜秋】ゆったり・らくらく往復コース

立山黒部アルペンルートに初めていく方や日帰り、一人旅、ご年配の方に特におすすめなのが、7月〜10月まで夏から秋にかけて楽しめる、ゆったり・らくらく往復コース。利用区間は立山駅から室堂までの往復で、観光時間は4〜5時間 (観光時間:室堂120分含む)となっています。

立山駅を出発して、立山ケーブルカーで約7分の美女平エリアで絶景スポットを満喫します。その後は50分間立山高原バスに乗り室堂ターミナルに移動、自然を眺めながら徒歩約20分のところにある「みくりが池」で絶景を堪能。

室堂ターミナルへ徒歩で戻るとターミナル内では白海老重・カレー、黒部ダムシフォン、水出しコーヒーなど立山黒部アルペンルートならではの限定グルメがたくさん。お腹いっぱいになった後は、立山限定の人気菓子「星の雫」や、NorthFaceホテル立山店限定商品が並ぶ限定品売り場もチェックしてみてください。

時間があれば弥陀ヶ原で途中下車し、「ハートのガキの田」や「立山カルデラ展望台」を満喫できる内回りコース(40分)をゆっくり散策するのもおすすめです。その後は、行きと同じルートを折り返して立山駅に到着。帰りは、立山限定の水まんじゅうをお土産に買ってみてはいかがでしょうか。

【夏〜秋】1泊2日!2大スポットをめぐる通り抜けコース

所要時間は、1日目が計5〜6時間 (観光時間:室堂120分・黒部ダム60分含む)、2日目は計3〜4時間(観光時間:弥陀ヶ原60分含む)を想定したモデルコースです。

初めは扇沢を出発し、関電トンネル電気バスで約16分の黒部ダムに到着します。運が良ければ午前中にレインボーテラスから虹が見え、ダムと虹の贅沢なコラボレーションが楽しめます。黒部ダムは屋上展望台やレインボーテラスなど位置によって見え方も変わり、絶景ポイントが多くあります。ダムをイメージしたダムカレーも人気です。

黒部ダムを出発して徒歩約15分の黒部湖から黒部ケーブルカーに乗り、揺られること5分。黒部平から出ている立山ロープウェイから眺める景色はまさに絶景。特に秋の時期はあたり一面が紅葉の絨毯になっており、赤と黄色のグラデーションを上から眺められます。

大観峰の雲上テラス、室堂へと進み、室堂ターミナルで休憩しながら限定グルメを堪能しましょう。その後は徒歩で「みくりが池」、「室堂山展望台」、「玉殿の岩屋」と続く観光スポットを満喫してください。

観光スポット巡りの後は「ホテル立山」での宿泊がおすすめです。標高2450mに位置していることから星に一番近いリゾートホテルとして人気があり、夜は満天の星空を見ながらロマンチックな時間を満喫できます。また、ホテルの宿泊者限定で「ご来光バスツアー」に参加できるのもホテル立山ならではの魅力。立山連峰から昇る日の出は特別なパワーを感じられることでしょう。ホテル立山は、多彩なアクティビティや富山の食材を使った極上ディナー、四季折々の移ろいゆく絶景なども魅力です。宿泊した人だけが味わえる特別なひと時をお楽しみください。

2日目は室堂ターミナルでお土産を見て玉殿の湧水スポットを巡ってから立山駅に向かいます。時間がある場合は、弥陀ヶ原に立ち寄るのもおすすめです。

【冬】雪を楽しむ日帰りコース

所要時間は計4〜5時間 (観光時間:室堂120分含む)、冬ならではの立山黒部アルペンルートを満喫するコースです。立山駅を出発し、立山ケーブルカー、立山高原バスを乗り継いで美女平と室堂ターミナルを進みます。そのあとは徒歩で雪の大谷まで行くと、迫力満点の雪の壁が目の前に広がります。雪の壁は、冬に立山黒部アルペンルートに行く際は欠かせないスポットです。雪の壁を満喫した後は室堂ターミナルで休憩し、美女平を通過して立山駅まで戻る日帰りコースです。

立山黒部アルペンルートを楽しむための注意点

立山一帯は1934年(昭和9年)に、中部山岳国立公園として指定されました。世界的に貴重な価値であると認められている立山の豊かな自然を守り続けられるよう、立山黒部アルペンルートに行く際には、安全とマナーをしっかりと守りましょう。

マナーの例としては、歩道以外は歩かない、高山植物の採取はしない、ライチョウを見かけたら静かに見守る、ゴミは持ち帰る、登山者は携帯用トイレを持ってくる、テントは指定場所のみで行う、ペットは連れてこない等があります。みんなが気持ちよく楽しめるためのマナーが立山登山の公式サイトに掲載されているため、観光前に確認すると安心して楽しめるでしょう。
(立山登山公式サイト「歩こう立山」:https://www.arukou-tateyama.com/safety/

また、安全に登山するためには高山病にも細心の注意を払い、急激な天候や気温の変化に対応できるよう季節に合った装備をすることが重要です。自分の体力を過信しすぎず、事前に運動や体調管理も心がけて当日を迎えるようにしましょう。

心も体もリフレッシュ!立山黒部アルペンルートへ出かけよう

今回は立山黒部アルペンルートのエリアや必要な持ち物、おすすめのモデルコースまで詳しく紹介しました。乗り物に乗って富山の大自然を気軽に楽しめ、季節によって様々な表情を見せてくれる立山黒部アルペンルートは観光にぴったりの場所です。服装や持ち物などの事前準備や楽しむ上での注意点もあるため、記事を参考にしながら立山黒部アルペンルート観光をお楽しみください。

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トイエバ編集部

トイエバ編集部

様々な富山の情報をお届けするトイエバ編集部です!

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