富山市にある四季防災館の特徴や魅力について詳しく紹介します。富山の四季をコンセプトに、火災や地震、雪崩、強風など様々な自然災害を体験できるコーナーから、防災の知識を高める講座まで幅広くピックアップしています。四季防災館で、楽しみながら防災知識を身に付けましょう。
「四季防災館」とは?
「四季防災館」は、富山の四季をコンセプトに、季節ごとの起きやすい災害や自然の特性について学べる体験型学習施設です。資料やモニターを使いながら、過去に富山で起きた大きな自然災害や、人々が乗り越えるためにしてきた努力など、災害の歴史についても分かりやすく学べます。
地震や火事、台風など、いつどこで起こるか分からない災害を、実際に体感できるのも四季防災館の魅力です。1階は自然災害を総合的に学べるコーナー、2階は四季の災害を学べるコーナー、3階は立山の景観を一望しながら学べるコーナーやラウンジなど。子どもはもちろん大人も、楽しみながら災害の恐ろしさや対策について、災害の知識を身につけることができる施設になっています。
四季防災館で体験できる四季の災害コーナー
四季防災館2階にある、富山の起こりやすい災害を、春夏秋冬の季節ごとに分けた展示・体験コーナーについて紹介します。
春
春の災害には「雪崩体験」と「強風災害」のコーナーがあります。富山では、立山連峰に降り積もる雪化粧の絶景が有名ですが、毎年冬から春先にかけて雪崩が発生することも珍しくありません。
積雪や雪解けの時期は、山ではなくても雪崩が起きる危険性があります。「雪崩体験」では、雪崩現象を模擬的に再現している装置を使って、雪崩が発生する様子を見ながら、事前に知っておきたい知識が学べます。
「強風災害」では、富山県で発生する局地風の特徴についてや、強風が起きた際の心得などを解説しています。局地風は、八乙女山地から山麓に吹く南風「井波かぜ」や、春から夏にかけて吹く北東から南東までの風「あいの風」について紹介しています。
夏
夏は、海や川など水辺で遊ぶことが多い季節。夏の災害コーナーでは、長靴と防水服を履き、流れるプールを歩いて水害時の避難体験ができる「流水体験」があります。水深15㎝、30㎝、45㎝の水中を歩き、水が深くなるほど歩きづらくなるという現象を体験します。
「風雨災害体験」では、風速30m、1時間の降水量150㎜の暴風雨を体験できます。雨合羽を着て体験室内に入り、目を開けているのも立っているのも難しい雨風の中で、どう自分の身を守るかを学べます。
富山県で過去に起きた水害をたどる「水害と治水の歴史」のコーナーもあります。水に恵まれている富山ですが、それゆえに水害に悩まされ、治水対策をしながら暮らしてきました。そんな長い歴史の中で人々が苦労してきた水害について、詳しい年表や写真で学ぶことができます。
秋
秋から冬にかけては、空気が乾燥して火災が起きやすい季節です。秋の災害コーナーでは、「初期消火体験」と「煙体験」ができます。
貴重な消火体験ができる「初期消火体験」では、大きなスクリーンに映し出される火災の映像に向かって放水します。「火事だー!」と叫んでから放水し、正確に火元にあたれば”成功”、あたらなければ”失敗”と出るなど、本番さながらもゲームのようです。普段触ることがない消火器を実際に使って、安全栓の抜き方や正しい放射の仕方などの知識を身につけます。
「煙体験」は、ホテルなどの火災に遭ったことを想定して、体験用の煙が充満する中での避難行動を体験できます。ホテルの居室のようなベッドがある部屋で、非常ベルが鳴り煙が立ち込め、館内放送をよく聞いて誘導灯に従って避難します。火災発生から避難までの一連を体験して、視界が悪い中でも慌てずに行動できるように、脱出方法を学びます。
冬
冬の災害コーナーは、雪による災害や、富山湾特有の寄り回り波が引き起こす災害について学べるコーナーです。「富山と雪」では、豪雪の歴史をパネルで紹介するなど、数ある雪害の中で、富山で懸念される雪害の種類や特徴を説明しています。富山の家や雪下ろしのミニチュアがあり、雪下ろしをする際の事故対策や、利雪の取組みについてもわかりやすく学べます。
「寄り回り波」では、富山湾特有のうねり性の高波である「寄り回り波」について紹介しています。普段は穏やかな富山湾ですが、冬場に条件が重なると寄り回り波が発生し、大きな被害をもたらす危険性があります。災害の恐ろしさを伝える映像を大きなスクリーンに映し出して解説し、なぜ寄り回り波が起きるのか、富山県ではどのように対策しているのかなどをわかりやすく説明しているコーナーです。
1階・3階の展示コーナー
地震体験
3次元で揺れを再現する振動装置で、震度7までの地震の揺れを体験できます。実際に過去に発生した、東日本大震災などの地震を体験することも可能です。リアルな揺れを感じながら、加速度のデータ、地震波などの情報がモニターで映し出されます。
疑似体験で”揺れる”とわかっていても立っていることも難しく、恐怖心に襲われる地震体験。実際に大きな揺れが起きた時に、どのような状態になるのか、どのように行動すればよいのか、身をもって学習できます。
富山防災シアター
1度に25人程度が観覧できる、幅7.7m、高さ1.5mの大型スクリーンで上映する「富山防災シアター」。東日本大震災での津波や、広島県の大雨等での土砂災害をきっかけに高まっている、津波・土砂災害について学びます。
津波・土砂災害を理解するために、災害の恐ろしさや適切な避難行動など、映像を通して分かりやすく解説しています。また、スクリーンには、曲面型のシリンドリカルスクリーンを使用し、広い視野角、臨場感・立体感の高い映像で、津波・土砂災害を体感できます。
3階パノラマ・ラウンジ
3階には、立山を一望できる空間を開放したパノラマ・ラウンジが設けられており、自由に休憩が可能です。その他にも、訓練人形やAED等を使った「応急救護体験」や、富山県で身近な「山地災害と山岳救助」について学べるコーナーもあります。
四季防災館で開催されている防災講座
四季防災館では、年間10回防災講座が開催されています。学校などの団体はもちろん、個人での受付も可能です。防災講座のテーマは時期によって変わり、災害から身を守るための知識の習得や、体験学習、備蓄倉庫の見学まで、普段の四季防災館では見られない貴重な体験ができます。消防車や救急車と記念撮影ができる講座もあり、各講座終了後には修了証と防災グッズの記念品がもらえるのも嬉しいポイントです。
四季防災館の防災講座は、対象を限定した講座があるのも特徴です。「女性のための防災講座」では、実際に災害地での活動経験がある女性防災士から、女性ならではの苦労や必要な物なども聞くことができます。
夏休み期間の7、8月には「ジュニア防災講座」が開催され、子どもと保護者対象の「県内の災害の教訓を学ぶツアー」が行われました。施設見学だけでなく、消防署や富山気象台、呉羽山などをバスで巡って防災を学ぶ、人気の防災講座です。
エントランスには消防車と救急車
入り口前のエントランスには、消防車と救急車が展示されており、消防車の座席には自由に座ることができます。消防服のセットや消防法被のコスチュームも用意されており、記念撮影にぴったりです。
四季防災館で楽しみながら防災を学ぼう
今回は、富山にある四季防災館の見どころや、定期的に開催されるイベントについて紹介しました。四季防災館で大地震や火災などの災害を体感することで、自らの防災意識を高めるきっかけにもなります。子どもでもわかりやすく、楽しみながら災害について体験・学習ができる魅力的な施設、四季防災館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所 | 富山県富山市惣在寺1090-1 |
アクセス | 【車】富山ICから約8分富山駅からタクシーで約30分 【バス】富山駅からバスで約30分、下車後徒歩約10分 |
公式サイト | https://shikibousaikan.jp/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/shikibousaikan/ |
営業時間 | 9:00〜17:00(体験は16:30まで) |
問合せ先 | 076-429-9916 |
入館料 | 無料 |
定休日 | 毎週月曜(祝日の場合はその翌日) 年末年始(12月29日~1月3日)、その他、館内点検のための臨時休館日あり |
駐車場 | あり(無料) 100台 |