この度の震災に対し、心からお見舞い申し上げますとともに、皆様のご無事と一日も早い復興をお祈り致します。
北陸新幹線 金沢~敦賀間開業!
2024年3月16日に、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業します。上信越・北陸地方を経由して東京と大阪を結ぶ計画の北陸新幹線。2015年3月に東京~富山・金沢間が開業してから、富山県民にとっても、富山への観光者にとってもアクセスが大きく改善されました。福井の敦賀まで北陸新幹線が伸びることから、観光スポットとして福井県への注目が高まっています。
今回は、富山から1泊2日で行く、福井のおすすめ観光モデルコースを紹介します。
停車駅と交通費
新たに追加される停車駅は、石川県の小松駅、加賀温泉駅、福井県の芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅の6つです。これにより、富山から福井の所要時間は現行よりも27分短縮し、最短44分となります。
<富山駅からの各駅までの所要時間と運賃>
停車駅 | 最短所要時間 | 運賃※ |
芦原温泉駅 | 43分 | 5,150円 |
福井駅 | 44分 | 5,480円 |
越前たけふ駅 | 58分 | 5,810円 |
敦賀駅 | 1時間1分 | 6,580円 |
参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/3b244892263fa909238ab35641fd97667e4e9ccd
【1日目】福井の定番観光スポットとお酒を楽しもう
芦原温泉西口賑わい施設「アフレア」
「アフレア」は、JR芦原温泉駅に直結している施設です。「アフレア」は、「あふれる」、「触れ合う」、「flare(フレア):朝顔形に広がる」という言葉からできており、人と人が触れ合い賑わいがあふれる場所になるようにという意味が込められています。
ホールや広場では、人で賑わうイベントが開催されます。
施設内の飲食物産スペース「いろはゆAWARA」は、いろは歌の「いろは」とあわら温泉の「湯」をテーマとしています。店内では福井の美味しいものを食べたり、福井のお土産を購入したりすることができます。
飲食スペースのライトは「風呂桶」になっていたり、壁は銭湯のようにタイルになっていたり、細かなところまでこだわりがつまっています。ここであたたかい福井グルメを食べれば、まるで温泉につかっているような気分に!
店内には、スタッフの方が一つ一つ丁寧に選んだ福井土産がずらっと並びます。購入したいものが決まったら、銭湯の壁とロッカーをイメージしたレジへ向かいましょう。
2階には、あわら温泉をメインに福井の観光スポットを紹介する「ふくいミゅ~ジアム」があります。
壁一面の地図にかけられているのは、温泉の必需品「タオル」。各観光スポットの紹介がかかれているので、旅の始まりに訪れるのがおすすめです。
風呂桶と映像を組み合わせて遊べるコーナーや、温泉や恐竜と一緒に写真が撮れるコーナーもあります。
住所 | 福井県あわら市春宮1丁目12番18号 JR芦原温泉駅直結 |
電話番号 | 0776-73-2270(受付時間9:00~17:00) |
営業時間 | いろはゆAWARA8:00~21:30(L.o.20:30) |
アクセス | JR芦原温泉駅徒歩1分 |
公式サイト | https://aflare.jp/ |
福井のお酒と食や文化にふれる「ESHIKOTO」
「ESHIKOTO」は、福井のお酒を核として福井の食や文化にふれることができる施設です。建物内には、黒龍酒造を始めとした日本酒を楽しめる「石田屋」と、福井の食材や酒を使用した料理を「禅」のかたちで提供する「acoya」があります。
石田屋ESHIKOTO店
店内には、黒龍酒造定番のお酒の他、ここでしか購入できないブランド商品も並んでいます。お酒に詳しくない方も、スタッフの方が丁寧に説明してくれるので安心です。
「ESHIKOTO」は「永(とこしえ)」を逆さに読んだ造語です。また「えし」は古い言葉で「良い」ことを表します。福井の良いもの、良いお酒、永久の豊かな時間を体験できる場にふさわしいブランド名です。
日本酒はもちろん、福井県産のお米を使用しています。「永(とこしえ)」は石田屋ESHIKOTO店でしか購入することができません。お土産にもぴったりですね。
テイスティングコーナーでは、数種類のお酒をテイスティングすることができます。各種600円(税込)です。テイスティング可能なお酒は、日によって変わります。
今回はスパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA」のDry(辛口)を選びました。スパークリング日本酒は、できあがった日本酒に炭酸を追加する手法が一般的。「ESHIKOTO AWA」は、できあがった日本酒をESHIKOTO敷地内の蔵で15か月間二次発酵させることで、自然に泡が出てきます。
グラスに注がれた瞬間、キラキラとした透明な泡と一緒に広がる華やかな香り。すっきりとした味わいで、泡がよりお酒の上品さを引き立てます。
店内には福井の産物があふれています。床やカウンターの一部に使用されているのは、福井で採掘される「笏谷石(しゃくだにいし)」です。
柔らかく成形しやすいのが特徴で、濡れると青色っぽくなることから「ふくいブルー」とも言われています。新たに採掘することはできないそう。
壁には越前和紙が使われ、日本の女優で陶芸家の結城美栄子さんの作品がかけられています。
福井の伝統工芸品「越前箪笥」の中には、福井にゆかりのある作家さんの作品が並んでおり、購入が可能です。富山の鋳物メーカー「能作」の作品もありました。
黒龍酒造の親会社「石田屋二左衛門株式会社」の社長がフランスのワイナリーを訪れた時、ブドウが育った土地を見ながらワインを楽しみ、その土地の人と会話を楽しむという体験を、日本酒でも同じようにできないかと考えたそう。
テイスティングコーナーのカウンター席からは、石田屋の日本酒「黒龍」の由来となった「九頭竜川(かつての黒龍川)」を眺めることができます。福井の土地を見ながら、福井のお酒を楽しんでみてください。
Apéro & Pâtisserie acoya
石田屋の隣に併設されているのが、acoyaです。石田屋と同じく、笏谷石の床と越前和紙の壁に囲まれた店内。樹齢200年を超える福井の杉の木を使用したテーブルが、とても印象的です。
禅の道場、曹洞宗の大本山「永平寺」がある町にお店があることから、料理は禅を味わう「精進料理」に影響を受けています。「精進料理」には食材や食べ方に様々なルールがありますが、それらのルールは全て、自分自身と向き合い、周りに感謝することにつながっているそうです。
私たちは食事と食材を生む自然に生かされているということを、感じることができるお店です。どの席からも景色を楽しむことができますので、ぜひカウンター席で福井の自然を眺めながら食べてみてください。
「黒龍吟醸豚」とは、黒龍酒造と生商株式会社が手がけるオリジナルブランドです。黒龍酒造の吟醸酒粕を加えた飼料で育てられた肉は柔らかく、上品な旨味が特徴です。ホロホロでやさしい味のお肉は、全く罪悪感なく食べることができます。
料理はほとんどが福井県産の食材を使用しています。シェフの竹内さんは福井県生まれ。実家は農家で、この日のメニューにも実家のカブやさつまいもが使用されていました。
食材のみならず、料理の器も福井の陶芸家によってつくられたものです。acoyaの料理は福井の様々な農家、企業、作家が生みだしたものでできています。
店内に併設されたPâtisserie acoyaでは、黒龍酒造蔵元の酒をテーマにした大人のスイーツも販売しています。
「大吟醸と塩」には、黒龍酒造の酒粕を使用しています。低温でじっくり焼かれているため、生地は柔らかくミルキー。酒粕を新鮮な状態でもらえるからこそ、酒粕の華やかな香りも残すことができています。
10年の構想を経てオープンしたESHIKOTO。2024年以降には、隣に宿泊施設をオープンする予定です。ESHIKOTOは20歳以上の方が利用できる施設です。大人な福井観光旅に、訪れてみてはいかがでしょうか。
住所 | 福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12号17 |
電話番号 | 石田屋:0776-63-1030 acoya:0776-97-9396 |
営業時間 | 10時~17時(定休日 毎週水曜日、第1・3・5火曜日) ※acoyaは予約可能、モーニング 平日は完全予約制 ※acoyaの支払いはキャッシュレス決済のみ ※20歳未満の方はご入場をお断りしております。 |
アクセス | えちぜん鉄道「永平寺口駅」からタクシーで約6分 福井北ICから車で約15分 福井駅から車で約27分 ※駐車場37台分あり |
公式サイト | https://eshikoto.com/ |
大迫力の恐竜たちに会える!「福井県立恐竜博物館」
福井県立恐竜博物館は、世界三大恐竜博物館の一つです。北陸新幹線開業に併せて、2023年7月にリニューアルオープンしました。
館内には50体もの恐竜骨全身骨格をはじめ、化石やジオラマ、模型などの展示を楽しむことができます。1階に新しくできた「3面ダイノシアター」では、巨大なスクリーンに恐竜の映像がCGで上映され、恐竜の世界に迷い込んだような迫力があります。
化石発掘の体験ができるスペースもあります。子どもも大人も楽しめる施設なので、子ども連れの観光旅にはもちろん、大人の観光旅にもおすすめです。
住所 | 福井県勝山市村岡町寺尾51-11かつやま恐竜の森内 |
電話番号 | 0779-88-0001 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
アクセス | 福井駅から勝山駅:えちぜん鉄道勝山永平寺線で約60分 勝山駅から恐竜博物館:バスで約15分、タクシーで約10分 車の場合「勝山IC」から約10分 |
公式サイト | https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/ |
美しく贅沢な温泉宿「越前あわら温泉 つるや」
福井観光旅の宿泊といえば、「あわら温泉」がおすすめです。あわら温泉は全国的にも珍しく、各旅館が温泉井戸を所有しています。
明治17年創業の「越前あわら温泉つるや」は、「美しさに寛ぐ、という贅沢」がコンセプトの温泉宿です。あわら温泉の温泉井戸74本のうち、3本を所有しています。
つるやは100%天然温泉かけ流し。大浴場「福の湯」の庭園風呂には、体を寝かせて入浴できる寝湯があります。贅沢な時間を過ごすことができますね。
福井県産越前ズワイ蟹の懐石料理も楽しむことができます。ボイル、カニ刺し、天ぷら、甲羅焼きなどコースによって調理方法が変わります。
住所 | 福井県あわら市温泉4-601 |
電話番号 | (0776)77-2001 |
アクセス | JR芦原温泉駅から車で約15分(無料送迎あり) |
公式サイト | https://awara-turuya.jp/ |
【2日目】福井グルメを満喫しよう
福井県内のコーヒー店の味を楽しめる「THREE TIMES COFFEE」
THREE TIMES COFFEEは、福井銀行本店の2階にあるカフェです。カフェのコンセプトは「多様性」。多様な業種の人が訪れる銀行で、いろいろなことに囚われずに過ごしてほしいという思いがあります。
多様性の1つとして、メニューの種類が豊富です。提供するドリンクは、コーヒー、紅茶、ハーブティー、酵素ドリンク、スムージーと幅広く、コーヒーは福井県内のカフェ8店舗と、スリータイムズコーヒーオリジナルから選ぶことができます。スイーツの種類も豊富で、焼き菓子は県内の3店舗が週替わりで提供しています。
カウンター席の窓からは、大きな交差点を行き交う多様な人、路面電車を眺めることができます。
各テーブルは本棚に囲まれており、自由に手に取って読むことができます。
本は複数のテーマごとにわけられています。
私は「食べるよろこび」ゾーンから、「私のとっておきの朝ごはん」という本を選びました。本を読んで、コーヒーを飲んで、時々交差点を眺めて、ゆったりとした時間を過ごせます。
店内には「交差点」をコンセプトにしたオリジナルBGMが流れています。本棚3か所に設置されたスピーカーからはそれぞれ別の音楽が流れており、合わせて1つの楽曲になります。
住所 | 福井県福井市順化1丁目1番1号 福井銀行2F |
営業時間 | 8:00~16:00 |
休業日 | 土・日・祝 |
アクセス | 福井駅から徒歩で約11分 車の場合は福井銀行本店駐車場を利用 |
公式サイト | https://threetimescoffee.jp/ |
ふわふわとろけるだしまきサンドのお店「だしまきさん」
THREE TIMES COFFEEから歩いて約10分のところにある「だしまきさん」は、ふわふわのだしまきたまごを提供するお店です。
福井市のカフェ「フラットキッチン」内で、火曜~土曜の9:00~14:00まで営業しています。(日曜日はクマゴローカフェ内で営業)
サラダとドリンクのセットで注文した場合1,100円(税込)
卵を3個半使用しただしまき卵はとにかくふわふわで、口に入れるととけていきます。もはや飲み物のようで、ぺろりと完食しました。出汁は、かつお、こんぶ、しいたけがベースとなっておりやさしい味です。
サンドのパンは少し甘みがありかるいため、だしまき卵のふわふわな食感とやさしい味をひきたてています。今回は+50円で粒マスタードを追加しました。
「こんなふわふわなだしまき卵を、家でもつくれたなら…!」と、店主の土田さんにコツを聞いてみました。卵液はよく混ぜ、強火でさくっと焼くのがポイントとのこと。でもこのふわふわさは、「だしまきさん」でしか味わえないでしょう。
実家がたまご屋だったことから、昔からだしまき卵をつくるのが好きだったそう。
だしまきサンドはテイクアウト可能です。最近はおにぎりのテイクアウトも始め、もちろん卵入り。
土田さんは、常連のお客さんにはやさしい笑顔で「いってらっしゃい」と声をかけたり、近くに住む留学生とお店の前でにこにこ会話したり、とてもやさしい方です。なるほど、その人柄がふわふわであたたかいだしまきサンドをつくっているのですね。
住所 | 火曜~土曜:福井市順化2丁目16-14 フラットキッチン内 日曜:福井市中央1丁目22−7 クマグローカフェ内 |
営業時間 | 火曜~土曜:9:00~14:00 日曜:11:30~15:00 |
アクセス | 福井駅から徒歩で約20分 |
公式サイト | https://www.instagram.com/dashimakiaiga_sugoi/ |
自然と禅の文化にふれる「永平寺」
福井のカフェでゆったりと過ごした後は、永平寺町の自然と文化にふれてみます。
永平寺は、道元禅師によって開かれた禅の修行道場です。今でも130人以上の修行僧がいます(2020年時点)。
広大な敷地にたくさんの諸堂があり、一部は国の重要文化財に指定されています。仏殿もその一つです。
傘松閣2階の大広間は「天井絵の大広間」と呼ばれ、建築当時の天井絵を修復しはめこまれています。花や鳥が描かれた絵は230枚あり、当時の有名な画家144名によって描かれました。
「禅」の教えには、自分の欲を手放し、自分と違う他社を受け入れ、周りのすべてのものに感謝することがあるそうです。普段の生活ではなかなか考えることが少ないですよね。「座禅体験」もできるので、自分自身を見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
住所 | 福井県吉田郡永平寺町志比5-15 |
電話番号 | 0776-63-3102 |
営業時間 | 8時30分~16時30分 |
アクセス | 福井駅からの直行バス「特急 永平寺ライナー」で約30分 |
公式サイト | https://daihonzan-eiheiji.com/ |
ビーフカツボルガライスが人気「お食事・定食の店 てっぺい」
永平寺で自然と文化にふれた後は、最後の福井グルメを食べに行きます。
「てっぺい」は様々な種類の定食を提供するお店です。地元福井の人に長く愛され、営業を始めてから50年が経ちました。
壁にはたくさんのメニュー名が並びます。お客さんからの要望や、他のお店に足を運んで得たアイディアをもとに新メニューを追加してきたため、現在のメニュー数は50を超えるほどに。
人気のメニューはビーフカツボルガライスです。「ボルガライス」とは、オムライスの上にカツをのせソースをかけて食べる、福井のソウルフードです。福井のグルメを楽しみたいなら、これは外せません。
オムライスはやや酸味のあるケチャップライス。レアの牛カツは噛み応えがありソースと相性抜群です。
てっぺいは、家族で力を合わせて営業しています。店主のお父さんがつくったオムライスの上に、息子さんが牛カツをのせ、奥さんと娘さんが運びます。店内に飾られていた似顔絵は、かなり特徴を捉えていました。
住所 | 福井県福井市御幸3丁目11-3 |
電話番号 | 0776-22-3070 |
営業時間 | 11:00~15:00/17:00~20:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
アクセス | 福井駅から車で約6分 福井駅から徒歩で約23分 |
公式サイト | http://www.shokudou-teppei.com/ |
お土産
福井の観光旅を満喫したら、お土産を購入しましょう。福井観光物産館「福福館」で購入できるお土産を紹介します。
はっくつバウム
地層に見立てたバウムクーヘンに、恐竜化石の全身骨格・フクイラプトルの顔・恐竜化石の手の焼き印が!全身骨格の腰骨には、福井県の形が隠れているので、ぜひ探してみてください。
谷口屋のおあげ
谷口屋は、油揚げと豆腐の老舗店です。福井県越前海岸からできた純国産にがりや国産大豆のみを使用するなど、素材にこだわっています。外側はパリッと香ばしく、中はふんわりしているのが特徴です。
手押し焼き鯖寿司
福井県知事賞を受賞した、人気の鯖寿司です。福井県産のお米を3種類ブレンドしたシャリに、脂ののった鯖をたっぷり使用しています。
若狭宇宙鯖缶
小浜水産高校と福井県立若狭高校が14年かけて開発した宇宙鯖缶を、地上用にリニューアルした商品です。
北陸新幹線で富山から福井へ行こう!
富山から行く、福井県でおすすめの観光スポットを紹介しました。同じ北陸地方の福井県は、富山県とはまた違った魅力があふれています。北陸新幹線の福井県開業で富山と福井の距離も近くなったので、より気軽に福井県の観光ができます。福井のグルメを満喫する観光旅、福井の自然を満喫する観光旅、福井の伝統工芸を満喫する観光旅など、様々なテーマに絞って何度も訪れてもいいかもしれませんね。