toiebaナビゲーターの島田理奈です!今回は富山県立山博物館にある「まんだら遊苑」で立山曼荼羅の世界観を体感してきました!実際の体感レポと共にまんだら遊苑の魅力に迫ります!
まんだら遊苑とは?

江戸時代、立山信仰を広めるために地域の人々は全国各地へ布教活動を行っていました。言葉だけで伝えるのは難しく、立山曼荼羅という掛け軸の絵を使って布教活動をしていたそう。その掛け軸に描かれている世界観を再現したのが、富山県立山博物館にある施設「まんだら遊苑」です。
今年で30周年を迎えるまんだら遊苑は、立山曼荼羅の世界観を五感で体感することができる施設となっており「見・聴・香・触・空」を通して楽しむことができるんです!他では撮れない写真が撮れると老若男女問わず人気を集めています。
一部撮影禁止の張り紙がある場所もあるので、写真を撮るときはお気をつけください!
富山県立山博物館の運営する施設には、3つの有料施設と8つの無料解放施設があります。
有料施設は展示館、遙望館、まんだら遊苑の3つで、3施設セット券(税込650円)の販売もあるので、①展示館で立山の自然や歴史の展示を見て学び、②遙望館では映像を通してより理解し、③まんだら遊苑で実際に体感する、の順で行くとより一層まんだら遊苑を楽しめますよ。
展示館からまんだら遊苑へは車で3分、または徒歩で10分程です。道の途中には布橋や遙望館があるので徒歩で行くのがおすすめですが、道が少し難しいので展示館でマップをもらって行くと安心です♪


今回はその中でも立山曼荼羅の世界観を五感で体感できる「まんだら遊苑」について深掘りします!
まんだら遊苑の楽しみ方


まんだら遊苑の中は、地界・陽の道・天界・闇の道の4つのエリアに分かれており、順路に沿ってそれぞれの世界観を楽しむことができます。観覧料は400円(税込)です。受付を済ませ…それでは、立山曼荼羅の世界へご案内しましょう。
閻魔様の裁きを受け、地獄を巡る「地界」

最初に訪れるのは地獄を再現した地界です。ここでは地獄の苦しみや罪を体感することができます。地獄は全部で108個あると言われており、まんだら遊苑では針地獄や八寒地獄など色々な種類の地獄を再現しています。

たくさんの針が並ぶ針地獄は、1つ1つの針が大きく、先端の鋭さからも迫力を感じます。

地界エリアにある小さな扉は地獄、「閻魔堂」への入り口です。

扉をくぐり、自分の罪や行いに気づかせる為の鐘を鳴らします。

中では低く大きな音がいくつも鳴り響いており、少し怖さを感じました。不気味な赤色の照明は火に囲まれている様な感覚に。香りも強く、なんだか汗ばんでくるような不思議な香りです。

八寒地獄には土管状の覗き穴が5つ設置されており、覗き穴からは香りや低い響きの音が漏れてきます。

香りには色んな種類があり、地獄を感じさせるコケの香りなどがあります。中に体を入れて体感してみてくださいね。

地界エリア一番のおすすめスポットは、川の渓谷に突き出す構造でできた「精霊橋」です。地界エリアの最後にあり、地獄からの脱出や再生を表しています。

下を見るとあまりの高さに思わず足がすくみます…。橋の先までたどり着くと、先ほどまでの怖さを忘れるほどの綺麗な景色!立山の自然を全身で感じることができました。
橋の先にある鐘を鳴らすことで、地獄から抜け出すことができます。
ただし、雷が落ちやすいため、悪天候時の見学はおすすめしません!
光へ向かう浄化の道「陽の道」

地界から出て立山へ登っていく道を再現した陽の道。苦しみから解き放たれ光へと向かいます。道の途中にはいくつものお香が置いてあり、様々な香りを感じながら浄化の道を進みます。

富山の自然に囲まれ、お香の香りに包まれる陽の道エリアは、気持ちのいい風が感じられ心からリラックスできる空間でした。この日は天気も良く空の青も、草木の緑も綺麗で、歩いているだけなのにとても素敵な写真が撮れました。
極楽浄土を再現「天界」

こちらは地下へ続く天界のへの入り口、須弥山(しゅみせん)です。
天界では仏様の住む世界、極楽浄土を再現しています。少しゆったりとした穏やかな気持ちになれる場所です。ここではアートや装飾、構造物を見ることができます。

中にはいると、コンクリートの壁に囲まれた道”天の廻廊”が続き、その先には7つの小部屋がある”天界窟”があります。それぞれ天界をイメージした空間となっているので、見学するときは扉を閉めて空間を体感してください。


カラフルなアート、見たこともない空間が広がっており、ついつい写真を撮りたくなるスポットが沢山です。

天界窟の先には”天界奏楽洞”があります。ここには8種類の天の楽器が用意されています。

仏の音声でもある八音(はっとん)は、音を鳴らして楽しむこともできますよ。心を澄まして聞いてみてください。

建物内をさらに進んでいくと、青色の道が続きます。その先にあるのは天界1番の見どころ「天卵宮」です。

天卵宮は母親の体内をイメージしており、心を静め見つめ直す場所です。


天卵宮の中では座ったり寝転んだりしながら過ごします。心を落ち着かせ、瞑想してみてください。
浄土から現世へ。生まれ変わりの道「闇の道」

最後のエリア闇の道では、極楽浄土から現世へと戻る生まれ変わりの道を体感します。

母親の産道を意識したミルクの香りや、”生まれ変わった先にバラ色の人生を”という意味を込め最後はバラの香りを感じることが出来ます。

実際に歩いてみると、吸い込まれていきそうなほど幻想的な空間です。中は光のある場所と真っ暗な場所があり、期待と不安を感じさせます。暗いのが苦手な方は、消灯に合わせて足を止めながら進むと安心です。

奥まで進むと暗闇の中に光の溢れるドアがあります。

ドアが開くと真っ暗な場所から一気に光が差し込み、外の世界へ。この光のコントラストは是非体感して欲しいポイントです!
夜のまんだら遊苑
9月6日、7日はナイトウォークが開催されます。ナイトウォークでは普段は経験できない夜のまんだら遊苑を体感することができます。夏の終わりに是非、いつもと違う夜のまんだら遊苑を体感しに行ってみてください♪
まんだら遊苑の周辺施設
まんだら遊苑へ行く前に是非行ってほしい施設、展示館と遙望館。どんなことができる施設なのかを紹介します!
立山の自然や歴史を学ぶ「展示館」

展示館では富山が誇る立山の自然や歴史について知ることができます。
内装は有名な建築家「磯崎新」さんが手がけており、おしゃれな形の窓など、思わず写真を撮りたくなるものばかりでした。

展示館内の2階では立山の歴史について、3階では立山の自然について学ぶことができるので、立山博物館に来たら1番最初に立ち寄って欲しい施設です。※撮影禁止エリアあり


また、通年展示されている”常設展”の他に、年に2回”特別企画展”が開催されており、より深く立山を知ることができます。2025年は 7月19日〜8月24日と9月13日〜11月3日の期間に開催されるので是非足を運んでみてください。(企画展の入場料は税込200円)
映像で理解を深める「遙望館」

遙望館では40分間の映像を通して、立山の自然や歴史を知ることができます。展示館でみたものを映像でみることでより一層理解が深まります。上映は10時から1時間ごととなっており、最終上映は16時です。

40分間の映像が終わるとスクリーンが上がり、立山を見ることができる素敵な演出もあるので、是非上映時間に合わせて立ち寄ってみてください。※映像は撮影禁止
生きたまま味わえる地獄「まんだら遊苑」

主任の河野さんにまんだら遊苑の魅力についてお話を伺いました。
「難しいことは考えずに五感で感じてください。生きたまま味わえる地獄なんてなかなかないですから。是非一度来てみてください。」
広い敷地を歩きながら体感できる施設は富山県でも少なく、立山の景観と共に自然を楽しみながら、立山信仰の世界を体感できる唯一無二の施設。
地獄から極楽浄土、そして生まれ戻る立山曼荼羅の世界を、あなたも一度五感で体感してみてはいかがですか?

施設名 | 富山県[立山博物館] |
住所 | 富山県中新川郡芦峅寺93-1 |
観覧料 | 【展示館常設展】 一般300円(団体240円) 70歳以上,大学生以下無料 【展示館企画展】 一般,70歳以上200円(団体160円)、 大学生100(団体80円) 高校生以下無料 【遙望館】 100円(80円)、 70歳以上,大学生以下無料 【まんだら遊苑】 400円(320円) 70歳以上,大学生以下無料 |
公式サイト | https://tatehaku.jp |
公式Instagram | https://www.instagram.com/tateyama_museum_of_toyama |
営業時間 | 9:00〜17:00 ※入館は16:30まで |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は営業)、祝日の翌日、年末年始(12/29〜1/3) ※まんだら遊苑は冬季休業あり(12/1〜3/31) |
駐車場 | あり(無料) |
問合せ先 | 076-481-1216 |