熱帯魚とは、熱帯地域、亜熱帯地域、温帯地域に生息する魚の総称です。本記事では、熱帯魚を飼う前の準備や飼う時の注意点、富山にあるおすすめの熱帯魚ショップについて詳しく紹介します。熱帯魚の飼い方について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
熱帯魚とはどんな魚?
熱帯魚とは、水温25度前後の熱帯や亜熱帯など、温かい地域に生息する魚の総称です。熱帯魚は、川や湖で暮らす「淡水魚」、海で暮らす「海水魚」、海水と淡水が混じり合う場所で暮らす「汽水魚」の3種類に分けられます。
以前まで、熱帯魚はアマゾン川から輸入された魚というイメージが強いことから、熱帯魚=淡水魚と捉えられることが一般的でした。しかし、輸送技術が進化してから海水魚も多く輸入されるようになり、現在では淡水魚、海水魚、汽水魚に分類されています。
日本で熱帯魚の飼育が始まったのは、今から100年以上も前の大正時代中期(1914~1918年)といわれています。エジプトやタイでは古くから熱帯魚が飼育されており、1930年代には世界各国でさまざまな種類が普及しました。日本でははじめ、上流階級のみが飼育できる非常に珍しい生物として重宝されていましたが、1950年代になると一般市民の間でも飼育が広まり、1960年代には日本で熱帯魚ブームが巻き起こりました。
現在生息している熱帯魚の種類は、明確にはわかっていません。一般的に飼育されている熱帯魚だけでも数千種類で、マイナーな魚も含めると数万種類にもなります。
熱帯魚を飼うときの手順
熱帯魚を飼う際は、しっかりと手順を踏むことが重要です。熱帯魚にはたくさん種類がいますが、飼い方がシンプルで初心者におすすめなのは「淡水」の熱帯魚です。ここでは、淡水の熱帯魚を迎える前に必要な3つのステップについて紹介します。
必要なものを揃える
熱帯魚を購入する前に、まずは必要なものを揃えるところから始めます。熱帯魚を飼う際は、以下のものが必須です。
・水槽セット
はじめて熱帯魚を飼う場合は、アクアリウムショップや通販サイトにある「水槽セット」の購入がおすすめです。
水槽本体や水槽のふただけでなく、適水温である26℃に保つための「水槽用ヒーター」、水温をチェックする「水温計」、水をきれいにするための「ろ過フィルター」、熱帯魚や水草の生活リズムを保つための「照明」などがセットになっています。水槽セットを購入することで、初心者でも安心できるでしょう。
・水槽台
水槽本体は、小さいサイズのものでも一定の重さがあります。
専用の水槽台があることで重量にも耐えられるほか、インテリアとして見た目にも統一感が出ます。キャビネットタイプの水槽台を選ぶことで、フードや飼育グッズを一か所にまとめて収納できるためおすすめです。
・カルキ(塩素)抜き剤
水道水には熱帯魚にとって有毒な成分であるカルキ(塩素)が入っているため、水槽の水を変える際はカルキ抜きが欠かせません。日光に当てておくことでもカルキ抜きはできますが、天気に左右されるほか時間もかかります。
カルキ抜き剤を使用することで瞬時にカルキ抜きができるので、手間が省けるでしょう。また、カルキ抜き剤にはミネラルやビタミンなど、魚の飼育に適した成分が入っているものも多くあるため、より良い飼育水が作れます。
・水草
熱帯魚がストレスなく生活するために、隠れ家にもなる水草を設置するのがおすすめです。身を隠して安らげる居場所を作ってあげることで、熱帯魚も落ち着いて暮らせます。
また、水草のある水槽は、緑が増えるため観賞用としてもリラックスできます。
・フード
熱帯魚が生きていくために欠かせないのが、フードです。フードは、形状・大きさ・栄養バランス・浮くタイプか沈むタイプかを魚種によって選ぶことが重要です。買ってはみたものの好みの味ではなかったということもあるので、初めは小袋タイプから購入し、熱帯魚の様子を見てみるのも良いでしょう。
・砂利
水槽に砂利を敷くことにより、観賞用としてはもちろん、水をきれいにするバクテリアの住処にもなります。水質の安定や水草も植えられるため、水槽にさまざまな良い効果を与えます。
熱帯魚にとって快適な環境を整える
熱帯魚を飼うために必要なものを用意した後は、熱帯魚が住みやすい環境を整えます。熱帯魚にとって快適な環境を作るには、大きく以下の4つの手順に分けられます。
飼育水を作る
バケツに水道水を入れ、カルキ抜き剤を入れる又は日光を当てて中和させます。
砂利敷き
砂利にはゴミがついていることもあるため、水道水で洗ってから水槽に砂利を敷き詰めます。水洗い不要の場合もあるため、パッケージをチェックしましょう。砂の量は、底から2〜5cm程度が最適です。
機器の取り付け、水槽内のレイアウト
ろ過フィルター、水槽用ヒーター、水温計をセットします。石や水草、流木、オブジェなど、理想の水槽になるようレイアウトを整えましょう。物の入れ過ぎに注意しながら、水槽のサイズに合わせてレイアウトを完成させるのがポイントです。
水を入れる
レイアウトが崩れないように、少しづつカルキ抜きをした飼育水を水槽に入れます。このとき、熱帯魚を迎える工程で行う「水合わせ」で、購入してきた袋を浮かばせ、水は水槽の八分目くらいまで入れるようにしましょう。
熱帯魚をお迎えする
機材の確認や水質調整のため1週間ほど稼働させて、熱帯魚が快適に暮らせる環境を整えたら、いよいよ熱帯魚をお迎えします。
熱帯魚は”いきなり水槽に入れないこと”が最大のポイントです。購入してすぐに入れてしまうと、水質や水温の変化に体がついていけず、体調を崩してしまう危険性があります。熱帯魚を迎えた後は必ず「水合わせ」をします。
①熱帯魚を購入してきた袋に入れたまま水槽に30分ほど浮かべます。
②袋内の水を1/3ほど捨てて、捨てた分だけ水槽内の水を袋に入れ、10分浮かべます。
③②を3回繰り返して、袋内の水は入れないように網で熱帯魚を水槽に放つ。
これで、熱帯魚のお迎えは完了です。温度変化に敏感な熱帯魚たちのためにも、水合わせはしっかり行いましょう。
熱帯魚を飼う前に知っておくこと
熱帯魚を飼う前に知っておくべきポイントについて、3つ紹介します。
水槽メンテナンスの仕方
水槽メンテナンスの頻度は、熱帯魚の種類や飼育数によって変化します。一般的には、飼育数が少ないと2週間に一度、飼育数が多いと1週間に一度くらいがメンテナンスの目安です。ここでの飼育数は、少なめ=30cmキューブ水槽にネオンテトラが3〜9匹ほど、多め=30cmキューブ水槽にネオンテトラが10〜15匹ほどとしています。
水槽の掃除や水換えは、設置している機器の電源を全てOFFにしてから行いましょう。照明も水がかからないように外すことをおすすめします。また、水換えのときはすべての水を交換しないようにするのもポイントです。水をすべて替えてしまうと水槽内のバクテリアに悪影響を及ぼしてしまうため、水換えする量は全体の1/5〜1/3程度におさえます。
フードの選び方・あげ方
熱帯魚のフードはたくさんの種類があるため、飼っている熱帯魚の種類や状態に合ったものを見つけ出すのがポイントです。
熱帯魚のフードには、人工飼料と生き餌があります。栄養バランスにも優れている人工飼料で飼育できますが、生き餌にしか興味を示さない熱帯魚もいます。その場合は、生き餌の中に人工飼料を入れながら徐々に慣れさせていくとよいでしょう。
人工飼料には、フレーク・顆粒・タブレット・ペレットなどの形状があります。また、浮上性のものと沈下性のものがあり、上の方を泳ぐ魚か、底面を泳ぐ魚かで使い分けます。フレークタイプは口のサイズをあまり選ばず、水面に浮いた後しばらくしてから沈むので与える量を調整しやすいため、初心者におすすめです。
フードは、適切な量を与えることも重要なポイントです。フードを与える頻度は、種類問わず「1〜2日に1回、3分ですべての熱帯魚が食べきれる量」が適切といわれています。目安通りにあげた後、実際の様子を見ながら調節することをおすすめします。
熱帯魚の病気について
熱帯魚の体調不良には、さまざまな要因が考えられます。季節による急激な水温変化や水槽内の水質悪化、新たに購入した熱帯魚からの感染、フードの与えすぎ、過密飼育、スレ傷などが主な原因です。
病気を予防するためには、日々の適切な管理が重要です。水温を一定に保つなど水質管理をきちんと行い、フードの与えすぎや過密飼育には細心の注意を払いましょう。
また、水槽のインテリアを頻繁に変えることも病気につながる可能性があります。熱帯魚の環境を良くしようと思って取った行動が、ストレスになることもあるかもしれません。メンテナンス以外で水槽内を改良し過ぎることは避けましょう。
もし病気になってしまった時は、ほかの熱帯魚たちに広がらないように隔離をして、塩浴や薬浴などの早急な治療が重要です。
日々のお世話で気をつけること
熱帯魚を飼った後、日々のお世話で気をつけるポイントについて紹介します。
過密飼育しない
過密飼育とは、水槽のサイズや水量に対して熱帯魚の体長が大き過ぎる、適正な飼育数を超えている状態のことです。熱帯魚を飼育する基準は「魚の体長1cmに対して水1リットル」が目安といわれています。飼育数を考える時は、水槽の大きさだけでなくレイアウトの体積にも気をつけましょう。
過密飼育すると、魚同士がぶつかって傷がつく・酸素不足・ストレスが溜まる・水質悪化などから病気にもなります。水槽の水量に対して、適切な数にとどめるのがポイントです。
混泳させるときは熱帯魚どうしの相性も考える
熱帯魚にも、人間と同じく相性の良し悪しがあります。相性が良くない魚どうしを同じ水槽の中で飼育すると、ケンカや縄張り争い、いじめなどが起こる危険性があります。
トラブルが起きることで熱帯魚がけがをしてしまい、最悪の場合死んでしまうことにもなりかねません。また、ストレスから病気にもなるため、魚どうしの相性はよく考えることが重要です。違う種類だけでなく、同じ種類での相性もあるため、特性を理解することが飼い方のポイントです。
水槽の水は適水温にする
熱帯魚は水温に敏感なため、適水温以外で飼育するとストレスの元となり、体も弱ってしまいます。水槽用ヒーターの設置はもちろん、毎日水温計のチェックも忘れずに行ってください。
熱帯魚の水温は26℃が適切といわれていますが、種類によって異なります。熱帯魚に合わせた適水温を維持できるように、しっかり調べましょう。
富山でおすすめの熱帯魚ショップ3選
富山には、たくさんの種類がそろう熱帯魚ショップが多くあります。中でもおすすめの熱帯魚ショップを3つ紹介します。
AQUA World パンタナル
300点以上もの豊富な品揃えが特徴の「AQUA World パンタナル」。自然の情景や生態系をそのまま水槽に移したかのようなネイチャーアクアリウムをメインに、熱帯魚などの生態系を販売しています。
AQUA World パンタナルでは、要望や予算に合わせた魅力的なネイチャーアクアリウムを作るサービスがあるのも魅力です。熱帯魚が生活しやすい環境はもちろん、プロが手がけるネイチャーアクアリウムは神秘的で癒しを与えてくれます。お店で販売している機器類は、公式サイトからのネット購入も可能です。
店名 | AQUA World パンタナル |
住所 | 富山県富山市古寺456 |
公式サイト | https://www.pantanal1988.com/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/pantanal1988/ |
問い合わせ先 | 076-492-3999 |
営業時間 | 11:00〜19:00 |
定休日 | 火・水曜 |
熱帯魚のmishima
「熱帯魚のmishima」は、富山市と高岡市に2店舗あるお店です。一般的な熱帯魚から珍しい種類の熱帯魚まで、品揃えの豊富さから人気を集めています。
熱帯魚だけでなく、爬虫類や両生類、高岡店ではモモンガなどの小動物まで幅広く販売されているのが特徴です。水槽も、30㎝~180㎝の7サイズ以上あり、ほかにも海水用のオーバーフローセットなど充実しています。
生物だけでなく飼育アイテムも豊富で、熱帯魚初心者から珍しい種類を飼いたい方まで、すべての方におすすめの熱帯魚店です。
店名 | 熱帯魚のmishima |
住所 | 富山店:富山県富山市豊田本町3-1−26 高岡店: 富山県県高岡市野村1368−5 |
公式サイト | https://mishima-aqua.com/ |
公式Instagram | 富山店:https://www.instagram.com/msm.tropical/ 高岡店:https://www.instagram.com/mishimatakaoka/ |
問い合わせ先 | 富山店:076-438-9977 高岡店:0766-25-0590 |
営業時間 | 富山店:11:00~19:30 高岡店:10:00~19:30 |
定休日 | 富山店:月曜 高岡店:月曜 |
NATURE GREEN (ネイチャーグリーン)
「NATURE GREEN」は、2024年で30周年を迎えるお店です。以前の高岡市清水町から移転し、隣がカレー屋、2階にふくろうカフェという建物でリニューアルオープンしました。熱帯魚のほか、古代魚・アジアアロワナ・プレコ・サンゴなど、定番から珍しい観賞魚が多数揃っています。
NATURE GREENでは、熱帯魚の上手な飼い方や、水草水槽を上手く作るノウハウを伝授してくれます。水草水槽のレイアウトに欠かせない水草もたくさんあり、とくに人気がある手入れも簡単な詫び草シリーズは、続々と入荷され種類豊富です。
お店では水槽や機器、飼育用品から飼育本など、熱帯魚に関するスタッフおすすめが揃っています。東南アジアを中心に世界各国から集めた熱帯魚や水草で、理想の水槽を作ってみてはいかがでしょうか。
店名 | NATURE GREEN |
住所 | 富山県高岡市木津991-5 |
公式サイト | https://www.naturegreen.jp/ |
問い合わせ先 | 0766-21-2893 |
営業時間 | 11:30〜20:00 |
定休日 | 火曜(祭日営業、翌水曜定休) |
正しい知識を身につけて熱帯魚を飼おう
今回は、熱帯魚の飼い方と注意点、富山にあるおすすめの熱帯魚ショップについて紹介しました。
熱帯魚は水槽の大きさや水温など、環境の変化に敏感な生き物です。正しい知識を身につけて飼い方のポイントをおさえることで、熱帯魚にとってもストレスなく快適に過ごせることでしょう。
熱帯魚の飼い方をよく理解して、熱帯魚との生活を楽しんでください。