犬が甘噛みする理由は?対処法やしつけのポイントを解説

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犬の甘噛みとは?

犬の「甘噛み」とは、人や物にじゃれるようにして軽く噛む行為のことを指します。特に子犬に多く見られ、攻撃を目的とした本気の噛みつきとは根本的に異なる行動です。甘噛みは遊びやコミュニケーションの一環で、あくまで力加減された噛み方をいいます。

一方で、本気噛みは恐怖や不安、苦痛を感じた際に自己防衛として出る攻撃的な行動です。食べ物を取り上げられたり、嫌な環境に置かれたりすることで、犬が身を守るために本気で噛みつくケースもあります。

しかし、甘噛みは攻撃性がないとはいえ、子犬の歯はとても尖っているため、実際に噛まれると痛みを感じることも少なくありません。さらに、成長とともに顎の力が強まると、甘噛みでもおもわぬ怪我につながる可能性があるでしょう。そのため、人の体を噛んではいけないということを子犬のうちにしっかり教えておくことが大切です。

甘噛みは子犬の自然な行動ではありますが、将来的なトラブルを防ぐためにも、適切なタイミングでしつけることが欠かせません。

犬が甘噛みする理由

犬が甘噛みをしている様子

犬が甘噛みする理由について、大きく分けて5つ考えられます。犬がなぜ甘噛みするのか、くわしく紹介していきます。

好奇心

犬が甘噛みをする主な理由のひとつが、好奇心です。月齢の低い子犬にとっては周りのすべてが新鮮であるため、身近にあるあらゆるものに興味津々です。好奇心を満たすために、犬はまず口に入れて確かめる行動をとります。

「これは食べられるのか?」「噛んだときにどのような感触があるのか?」「面白いことが起こるのか?」このような情報を得るために、飼い主の手足をはじめ、家具の角、洋服、スリッパ、電気コードなど、身の回りにあるさまざまなものを噛んでしまいます。

甘えたい・遊びたい

犬が甘噛みをする理由には、甘えたい・遊びたいという気持ちもあります。

特に子犬の時期は、母犬や兄弟犬とじゃれ合う中でお互いの体を噛みながら遊ぶ「遊び関連攻撃行動」と呼ばれる行動がよく見られます。この名残から、飼い主にも同じように甘噛みで遊びに誘ってくることも少なくありません。

また、犬にとって人の手は母犬のような存在ともいえるでしょう。甘えたいときや遊んでほしいときに、なめて軽く噛むことで気持ちを伝えようとします。前歯だけを使って優しく噛む仕草は、愛情表現のひとつとも言われています。

退屈している

犬が甘噛みをする際は、退屈さが関係していることもあります。

たとえば、留守番の時間が長い、散歩や遊びの時間が短いなどの理由から体力を持て余した犬は、エネルギーを発散しようとして、身の回りのものを噛みはじめることがあるでしょう。

なかには、トイレシートや家具など、身近にあるものを噛むことで退屈をまぎらわせようとする犬もいます。

歯がかゆい

歯がかゆいことから、甘噛みしてしまう犬もいます。

犬は、生後4〜6ヶ月頃になると乳歯から永久歯へと歯が生え変わります。この期間はムズムズとしたかゆみや違和感があるため、和らげようとして、いろいろなものを噛んでしまうのです。

噛む頻度が急に増えた場合は、歯の生え変わりが始まっているサインかもしれません。この時期の噛み癖は一時的なもので、1歳頃には永久歯が生えそろうため、自然と落ち着いてくることがほとんどです。

不安・ストレス

ストレスや不安を感じているとき、犬の甘噛みが増える場合があります。

長時間の留守番や遊ぶ時間が短いなど、日々の生活で欲求が満たされていないと犬は徐々にストレスを溜め込んでいきます。また、来客や引っ越しなど慣れない環境の変化や、飼い主とのすれ違いによる不安も、甘噛みを引き起こす要因のひとつです。

犬の甘噛みの対処法

犬が飼い主のズボンを甘噛みをしている様子

犬が甘噛みしたときはどのような対処をすれば良いのでしょうか。犬の甘噛みの対処法について紹介します。

一緒に遊んでエネルギーを発散させる

犬がエネルギーを持て余して甘噛みするときは、たっぷり遊んであげることが効果的です。

室内でおもいきり遊ぶ時間を確保するのはもちろん、外に出るのが好きな子なら、少し長めの散歩もおすすめです。

体を動かすことで満足感を得られ、遊び疲れて自然と落ち着くことが期待できるでしょう。

噛んでもいいおもちゃを用意する

犬は本来、噛むことでストレスを発散し、好奇心を満たす動物です。また、歯が生え変わる時期で歯がかゆい場合も、噛むことで違和感をやわらげようとします。

そのため、甘噛み対策には「噛んではいけない」ではなく「噛んでもいいものを与える」ことがポイントです。

おもちゃは、飲み込めない大きさのゴム製など、丈夫で安全な素材のものがおすすめです。ぬいぐるみやロープタイプは、破れた部分を飲み込んでしまう危険があるため、与える際には注意しましょう。

特に子犬期は、歯の生え変わりによるかゆみが原因の甘噛みが多いため、噛む欲求を満たせる環境を整えてあげましょう。

危険なものは犬が届く場所に置かない

甘噛み対策の基本として、噛まれて困るものを犬の届く場所に置かないことも重要です。靴やスリッパ、リモコン、靴下、タオル、ひもがついている服などは犬が噛みたい欲求の対象になりやすく、誤飲のリスクもあります。

そのほか、トイレシートやコンセント、コード類、家具の角は感電やケガの危険性もあるため、カバーをつける、保護シートを貼るなど、犬が立ち入らないよう柵やゲートで物理的にガードしましょう。

家の中にある、噛まれたら困るものを定期的に見直して、犬が安全に暮らせる空間を作ることがポイントです。

犬の甘噛みを防ぐしつけのポイント3つ

飼い主が犬をしつけている様子

犬の甘噛みを防ぐには、適切なしつけが必要です。甘噛みを防ぐしつけのポイントを3つ紹介します。

1.噛まれたらその場から離れる

甘噛みをやめさせるには「噛んだら楽しい時間が終わる」と教えることが重要です。遊んでいる最中に噛まれたら、声をかけたり反応したりせずに、無言で立ち上がってその場を離れましょう。

離れる時間は10〜30秒ほどで問題ありません。犬は数十秒以内の短期記憶をもとに行動を学習するため、長く離れすぎるとなぜ飼い主が離れたのか分からなくなってしまいます。再び戻っても甘噛みをしてきたら、また同じように無言で離れる、を繰り返しましょう。

しかし、離れている間に犬が吠えたり、ドアをひっかいたりして興奮している場合は注意が必要です。すぐに戻ると「吠えたら来てくれる」と学習してしまうため、落ち着くまで待ってから部屋に入ることがポイントです。

2.甘噛みの直後に短い言葉で伝える

犬に甘噛みされたら、その直後に「痛い」「ダメ」「あっ」など短い言葉で伝えましょう。大げさに怒鳴る必要はなく、静かに、低いトーンで伝えることがポイントです。

甘噛みの後しばらく経ってから注意しても、「何がいけなかったのか」が伝わらず、効果がありません。噛んですぐに「それは良くない」と知らせることで、次第にやってはいけないことを理解していきます。

3.家族で対応を統一する

甘噛みをしつけるうえで意外と見落とされがちなのが、家族内での対応のばらつきです。ある人は怒る一方、別の人は笑って許してしまうと、犬は「噛んでもいい時がある」と学習してしまい、甘噛みがなかなか直りません。

噛んだらどうするか、どのような声かけをするか、無視する時間はどれくらいかなど、基本的な対応は家族全員で話し合って統一しましょう。

家族全員が同じルールに基づいて対応することで、犬は混乱せず、正しく理解できるようになります。

富山には多くのしつけ教室があるため、こちらを利用するのもおすすめです。

犬の甘噛みでやってはいけないこと

飼い主が犬を怒っている様子

犬に甘噛みされた際、やってはいけないことがあります。特に注意したい点について紹介します。

大きいリアクションをとらない

犬に甘噛みされたとき、「きゃー!」と叫ぶ、急に立ち上がって逃げるなど、大きなリアクションは逆効果になることがあります。

突然の声や動きに興奮し、噛めば面白いことが起こると覚えてしまう可能性もゼロではありません。また、かまってほしくて噛んでいる場合、リアクション=かまってくれたと学習してしまい、甘噛みを繰り返す原因になるでしょう。

甘噛みされたときは、落ち着いて静かに反応することがポイントです。

ケージやサークルに閉じ込めない

甘噛みされた際、ケージやサークルに閉じ込めることは避けましょう。

ケージやサークルは本来、犬にとって安心して休める大切な居場所です。お仕置き部屋として使ってしまうと、寝るときやお留守番のときに入るのを嫌がるようになってしまいます。

ケージやサークルは、犬にとって安心できる特別な居場所として、ポジティブなイメージのまま保つことが重要です。

口の中に手を入れない・口を押さえつけない

甘噛みされた際は、犬の口の中に手を入れたり、無理に口を押さえたりすることは避けましょう。これらの行為は、犬との信頼関係を壊す原因になります。

人の手に対して恐怖心を抱くようになると、日常の中でもスムーズに接することが難しくなる可能性があります。また、怖さや不快感から反抗的になり、甘噛みだけでなく本気で噛みつくようになる危険性も高まります。

しつけは力で押さえつけるのではなく、犬の気持ちに配慮しながら、冷静に伝えていくことが大切です。

適切な対処で、犬の甘噛みを減らそう

犬の甘噛みは、成長の一環として見られる自然な行動ですが、放っておくと習慣化してしまうこともあります。

犬が甘噛みするときは、噛んでもいいものを与える、噛まれたらその場から離れるなど、適切なしつけを根気強く続けていくことが重要です。

むやみに叱るのではなく、伝え方や環境の工夫で、犬との信頼関係を大切にしながらしつけていきましょう。

犬が吠えるのに悩んでいる方にはこちらの記事もおすすめです。

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トイエバ編集部

トイエバ編集部

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