犬の抜け毛はなぜ起こるのか?考えられる5大原因について詳しく解説します。抜け毛を放置することで起こりえる健康被害、日々できる効果的な抜け毛対策もまとめています。効率的な抜け毛のお掃除方法も合わせて紹介!正しい抜け毛対策で、大切な愛犬と楽しく快適に暮らしましょう。
犬の抜け毛はなぜ起こる?
犬を飼う上で避けられない抜け毛の問題。犬の抜け毛には、5つの原因が考えられます。
換毛期
抜け毛の要因として、一般的なのが換毛期です。換毛期とは毛が生え変わる時期のことで、1ヶ月ほどかけて一気に古い毛から新しい毛へと生え変わります。
犬の換毛期は犬種や個体によって大きな差がありますが、一般的には毎年春から7月にかけて・秋から11月にかけての年に2回訪れます。換毛期は、人間で言う「衣替え」のようなもの。自分で体温調節が出来ない犬にとって、夏や冬を快適に過ごすためにとても重要なことです。
栄養不足
抜け毛の原因は、栄養不足によるものも考えられます。犬の毛には、含硫アミノ酸・亜鉛・ビタミンといった栄養素が必要です。含硫アミノ酸はケラチンを生成し、亜鉛やビタミンは被毛の増殖を促進する働きがあります。
栄養が不足してしまうと、毛の発育が遅れて傷みやすくなり脱毛につながります。栄養不足による抜け毛の場合は、普段の食生活を見直すことが必要です。
ストレス
ストレスを感じると、自律神経の乱れから血行が悪くなり脱毛を起こすこともあります。また犬は、日々の中でストレスを感じると、同じ行動を繰り返すという習性があり、同じ場所をずっと舐めたり、毛をむしるなどの行動が見られるようになります。
生活環境の変化やスキンシップ不足など、愛犬は飼い主が気付かないうちに、ストレスを抱えている可能性もあります。心当たりがないか、日頃の愛犬との生活を振り返って見直しを図りましょう。
病気
抜け毛の原因として特に気をつけたいのが、皮膚疾患などの病気にかかっている可能性です。抜け毛を伴う主な病気には、細菌やカビなどが繁殖して起こる「感染症」、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などの「アレルギー」、ホルモンの分泌異常によって起こる「内分泌疾患」が考えられます。
病気が要因の場合は、皮膚のかゆみや赤み、フケなどの症状も出やすいのが特徴です。抜け毛のほかにも症状が見られる時は、すぐに病院を受診しましょう。
老化
犬の抜け毛は、換毛期に関係なく老化によるものもあります。犬も人間と同じように歳をとると毛が薄く、細くなります。自律神経の乱れや代謝機能の低下によって、換毛の時期に限らず抜け毛の症状が起こるのです。
ただし、人間と違い、犬の老化での抜け毛はそれほど多く抜けるわけではありません。皮膚が見えるほど抜ける時は、ほかの要因を疑いましょう。
抜け毛を放置することで起こる健康被害
掃除をしてもキリがない犬の抜け毛。時には、掃除する時間がない、面倒という理由から抜け毛を放置してしまうこともあるでしょう。しかし、犬の抜け毛を放置するとさまざまな健康被害が起こります。
犬の抜け毛をそのままにしておくと、ダニやノミは抜け毛についたフケを餌にして繁殖し、ソファやベッド、カーペットなど家中にダニやノミが発生します。犬は虫に刺されることで、攻撃的になるなどの変化が現れることも。また、犬は強いかゆみのために自分の身体を引っ掻いてしまい、傷口から細菌が入り込んで化膿してしまうことも考えられます。
また、犬の抜け毛に含まれたハウスダストを人間が吸い込むことにより、喘息やアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。このように、愛犬の抜け毛を放置することで、犬だけでなく人間にも健康被害が起こる可能性があるため注意が必要です。
犬の抜け毛に効果的な対策
犬の抜け毛と上手く付き合っていくには、どのような対策が必要なのでしょうか。効果的なこまめなケアについて紹介します。
体に合ったブラシで小まめなブラッシングを
抜け毛対策の基本とも言える「ブラッシング」。とくに換毛期のブラッシングは、抜け毛の量を減らせるだけでなく、換毛を促す役割もあり大切です。ほかにも、血行が促進されることで毛の状態が良くなったり、万が一肌のトラブルがあった時もいち早く気づけるメリットもあります。
また、ブラッシングで重要なのが、それぞれの犬に合ったブラシ選びです。ブラシの固さや長さなどにも注目して、愛犬の毛質やサイズに最適のブラシを選びましょう。はじめはブラッシングに拒否反応を示す犬もいるため、撫でるだけのグローブ型から始めて、徐々に慣れさせてあげるのがおすすめです。
シャンプーは低刺激のものがおすすめ
毛穴の汚れによる抜け毛予防には、シャンプーがおすすめです。しかし、シャンプーのやりすぎは皮膚トラブルに繋がって、抜け毛を促進してしまう可能性もあります。そのため、シャンプーは低刺激のものを使いながら、優しく洗ってあげるのがポイントです。
シャンプーの後は、タオルやドライヤーを使ってしっかりと水気を取りましょう。保湿ケアもすることで、かゆみ予防が期待できます。
定期的なトリミングで肌を清潔に保とう
長毛種は、定期的なトリミングで長い毛をさっぱりカットすると、ブラッシングやシャンプーの手入れがしやすく、清潔な状態を保ちやすくなります。毛が短くなるだけのため、抜け毛が減るなどの効果はありません。しかし、掃除のしやすさなどを考えると、飼い主にとっても嬉しい対策です。
ただし、毛が短いことで紫外線に当たりやすく、肌トラブルの原因にもなり得るという注意点もあります。トリミングした後は、ブラッシングやシャンプーの時に、肌の状態をよりこまめに確認するようにしましょう。
犬用の服を着せてお掃除をラクに
服を着せることによって抜け毛が服の中に溜まり、床掃除が楽になります。また、冬は服を着せることで防寒対策にもなるため、体温調節機能が低下している犬にもぴったりの対策です。犬に服を着せる場合、夏には通気性の良いもの、冬には暖かい生地のものなど季節に合った素材の服を着せるようにしましょう。
何日間も同じ洋服で過ごすと、ノミやダニの発生要因になり得ます。犬に洋服を着せる場合は、人間と同じく定期的な洗濯と着替えが重要です。
犬の抜け毛掃除をストレスなく行うためのコツ
犬種によって毎日必要な抜け毛の掃除。出来るだけ負担を少なくしたいものです。愛犬の抜け毛掃除をストレスなくするためのテクニックを紹介します。
掃除は”順番”を意識して効率化
家中に舞っている抜け毛を掃除する際、いつも通り掃除しているだけでは、抜け毛がさらに散らかってしまう可能性があります。抜け毛を掃除するときは、掃除する順番を意識することがポイントです。
抜け毛は部屋の中を舞い、上から下に落ちていきます。そのため、まずはテーブルや棚の上、次にソファーや椅子、最後に床の順番で”上から下へ”を意識して掃除しましょう。続いて、”部屋の真ん中から外へ”掃除していきます。そうすることで、最後は端に集まった毛を集めて捨てるだけ。部屋のあちこちを繰り返し掃除する手間が省けます。
掃除用具は”場所ごとの使い分け”がポイント
抜け毛は、場所によって掃除用具を使い分けることで効率的に掃除できます。ソファーやカーペットなど、布製のものには粘着クリーナーやローラーブラシがおすすめです。気になるところを部分的に掃除できて、衣類についた抜け毛も簡単に取れます。
フローリングや畳のお掃除には、フローリングワイパーを使うと抜け毛が散らからずに掃除できます。まずはドライシートで毛を集めてから、残った細かい毛をウェットシートで掃除するときれいに取れるため、試してみてください。
掃除機は”一番最後の仕上げ”に使う
掃除機は抜け毛などのゴミを一気に吸い取ってくれるため、最初から掃除機を使う方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、最初に掃除機を使うと、抜け毛が部屋中に舞ってしまう、掃除機本体に犬の汗や皮脂がついてしまう懸念があります。
抜け毛の掃除は、粘着クリーナーやフローリングワイパーを使った後、一番最後の仕上げに掃除機を使うと、きれいかつ効率的にお掃除できます。
抜け毛対策をして愛犬と快適に暮らそう
今回は、犬の抜け毛の原因と対策について紹介しました。毎日手間のかかる愛犬の抜け毛掃除ですが、放置しておくと様々な健康被害を引き起こしてしまう可能性があります。もしも抜け毛の要因が分からず心配な場合は、犬の体や行動をしっかり調べることから始めましょう。日々出来る抜け毛対策をしっかりして、愛犬との快適な暮らしを楽しんでください!