焼いてもらうからおいしい プロが作る個性豊かなお好み焼き
富山で粉もんの代表格といえば「お好み焼き」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。誰でもおいしく作れてホットプレートを囲んで気軽に楽しめる。どちらかというと富山の人からすると、家庭の味というイメージが強いお好み焼ですが、お店のプロの味はそれを超えるおいしさで驚かせてくれます。暑さが落ちついてきた今だからこそゆっくりと味わいたい、個性が際立つ富山市内6つのお好み焼き店を紹介します。
富山で人気のお好み焼き店6選
四角くて分厚いお好み焼き「ぼてやん多奈加」
富山駅南口すぐのCiCビルの地下1階にある「ぼてやん多奈加」。高さが3センチほどもある分厚く四角いフォルムに、たっぷりのったマヨネーズが特徴のお好み焼きが人気のお店です。一番人気は、エビ、イカ、豚肉が入った「ミックス玉」。プリッと歯ごたえのいいイカや、柔らかいジューシーな豚肉が生地とあいまって、噛むごとに幸せな気分にしてくれます。
多くのリピーターを惹きつけているのが、からしを加えたオリジナルのマヨネーズ。お好み焼きをぺろっと食べさせてくれる唯一の味は、また食べたくなるくせになる味です。
ぼてっとした見た目から付いた店名の「ぼてやん」は「お客さんにお腹いっぱい食べてほしい」という先代の思いから名付けられました。オープンから40年あまり、今は先代の妻 田中トシ子さんと、息子で2代目の博之さんが「同じ味を続けていくこと」を大切に、店の味を守り続けています。
厚みのあるぼてやんのお好み焼きは、仕上がりまで30分から40分かかる他では見られないもの。それでいて柔らかい生地の秘密はキャベツの状態を見ながらその都度調整する水分の量と焼き加減にあります。じっくりと火を通すことで具材は生地の中でいい具合に蒸され、イカはぷりぷり、豚肉はジューシーな食べ心地に仕上がります。焼き上げまでの工程は今も変わらずに守られています。
ぼてやんでは持ち帰りのお客さんも多く、この四角いフォルムは、持ち帰り用の入れ物にきちんと収まるように工夫したことと、みんなで分けあって食べやすいようにした、お客さんへの気遣いから始まったそうです。
持ち帰りはあらかじめ電話で予約をしておくと受け取りがスムーズです。
店で焼き上がりを待つ際は、先に焼きそばを頼んでおくのがおすすめです。焼きそば→お好み焼きとちょうどいいタイミングで食べられて、より満足できます。食べる人のことを思い、１枚１枚丁寧に仕上げるぼてやんのお好み焼き。ゆっくりと味わいたい一品です。
| 店名 | ぼてやん多奈加 |
| 住所 | 富山市新富町1-2-3 CiC地下1階 |
| 電話 | 076-442-2152 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/bote_yan/ |
| 営業時間 | 11:00〜15:00(L.O14:00) 17:00〜21:00(L.O20:00) |
| 定休日 | 不定休 |
| 駐車場 | なし |
| 決済方法 | 現金、クレジットカード、電子マネ、 QRコード |
上品な空間で味わう特別なお好み焼き 「鉄板焼・お好み焼 Old new」
約15年親しまれた富山市赤江町の店から今年6月に富山駅南口の桜町に移転オープンした「鉄板焼・お好み焼 Old new（オールドニュー）」。本格的な鉄板焼とお好み焼きを楽しめるお店です。食べる人をあっと驚かせる見た目の美しいお好み焼きはオーナーのセンスが光ります。
なかでも輪切りにしたゆで卵とたっぷりのベーコンがのったオリジナルのBBスペシャルは、オーナーの永原 行(めぐる)さんが「国内でうちしかない」と話す自慢の一品です。
見た目の美しさはもちろん、卵とベーコン、ブラックペッパーが、カルボナーラを彷彿とさせ、お好み焼きを新ジャンルの料理に引き上げています。ベースとなる生地も負けていません。生地やだし、ソース、マヨネーズは、どれも粉もんの本場 大阪から仕入れたもの。エビとイカも入って、おいしさが溢れています。
また、ジャズが流れる落ち着いた店内は、ゆっくりと料理を味わってほしいというオーナーのこだわり。外からだと中の様子が見えなくて、少し入りにくいかもしれないけど、勇気を出して店に入ってもらえるとうれしいと、話していました。
店名の「Old new（オールドニュー）」は、古いものから新しいものまで全てを大切にするという意味が込められています。基本を大事に、新たなおいしさを目指す「Old new（オールドニュー）」。まずは鉄板焼、そしてお好み焼きと、お酒も進むリッチな大人の時間を過ごすなら「Old new（オールドニュー）」で決まりです。
お好み焼きやドリンクの種類は豊富です。牛肉や魚介類などの鉄板焼きも充実しています。
| 店名 | 鉄板焼・お好み焼 Old new |
| 住所 | 富山市桜町1-6-12 1F |
| 電話 | 076-441-2244 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/oldnew312/ |
| 営業時間 | 17:30〜Last |
| 定休日 | 木曜日 |
| 駐車場 | なし |
| 決済方法 | 現金 |
元気をもらえるお好み焼き「鉄板焼酒場 どんなもんじゃ」
CiCビル裏の富山市新富町にことし6月オープンした「鉄板焼酒場 どんなもんじゃ」。店に足を踏み入れると「いらっしゃいませ」の元気な声が聞こえてくるお店です。店名の「どんなもんじゃ」にあるように、いま人気のもんじゃをメインにしたお店ですが、同じくらい人気を集めるのがお好み焼き。
実は、店長の廣瀬皆来(みくる)さんは、前身のお好み焼き屋さんでも店長を務めていた人で、その味を求め今もリピーターが多く訪れるそう。一番人気は定番のミックス玉。ふわっと口どけのよい生地に箸が進みます。
酒場らしく楽しく盛り上げてくれるのが、マヨビームの演出。細い線になったマヨネーズがお好み焼きを埋め尽くしていく様子をスローで撮影すれば映えること間違いなし。
もちろん見た目だけでなくおいしさにもこだわったマヨネーズは自家製。お好み焼きの味をより引き立てます。このほか串揚げも人気の「どんなもんじゃ」。「今日は楽しく飲みたい」そう思ったら店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
注文はタッチパネルで操作します。もんじゃや串揚げもおいしいですよ。
| 店名 | 鉄板焼酒場 どんなもんじゃ |
| 住所 | 富山市新富町1-3-9 駅前プラザビル1F |
| 電話 | 076-431-0800 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/donnamonja0/ |
| 営業時間 | 17:00〜24:00(L.O) 日曜のみ〜22:30 |
| 定休日 | 月曜日 |
| 駐車場 | なし |
| 決済方法 | 現金、クレジットカード、QRコード |
富山にお好み焼き店を広めた「お好みやき食房 ドンドン」
北陸自動車道 富山インターチェンジ近く、富山市赤田にある「お好みやき食房 ドンドン」。店をはじめておよそ25年になる犬嶋誠一さんがオーナーを務めるお店です。
定番のものから、広島風、京風、オリジナル。そして鉄板焼と豊富なメニューを揃える「ドンドン」。店の一番人気「ぐらたん焼き」は、これまでのお好み焼きとは一線を画す新しいスタイルのお好み焼きです。
薄くひいた生地に載せるのはホワイトソース。具はコーンにキャベツ、チーズ。生地が焼けたら四角くまとめ、手早く裏返します。ソースを塗ってマヨネーズで線を引いて美しく仕上げれば完成。中からとろけてくるホワイトソースがソースやマヨネーズと合わさって、独特のおいしさを引き出しています。また、お好み焼きが仕上がるまでの前菜としても食べてもらえるので、焼き上がりが待ち遠しいお客さんにもぴったりです。
実は犬嶋さん、これまで6人の飲食店オーナーを育ててきたという。先に紹介した「Old new（オールドニュー）」の永原さんもその一人。弟子には自分と同じように、新しい取り組みに挑戦してほしいと話します。
店内にはかわいいアンティークの小物が置いてあります。手入れの行き届いたカウンターは、犬嶋さんの人柄が表れています。
長く続ける秘訣は、お客さんの喜ぶ笑顔と「おいしい」の声。犬嶋さんはこれからもお客さんにゆっくりと料理を楽しんでもらえる時間を提供していきます。
| 店名 | お好みやき食房 ドンドン |
| 住所 | 富山市赤田718-1 A-ONEビル |
| 電話 | 076-421-7665 |
| 営業時間 | 11:00〜22:00(L.O21:00) |
| 定休日 | 火曜日 |
| 駐車場 | ビル敷地内に20台程度 |
| 決済方法 | 現金 |
お好み焼きもおいしい「もんじゃ屋 吉兆」
市内電車 上本町電停近くにある「もんじゃ屋 吉兆」。かつての「吉兆」を現在の店主 松本準二さんが14年前に引き継ぎ、30年以上続くお店です。店では、もんじゃ、お好み焼き、たこ焼きなどの粉ものをはじめ、焼きそばや鉄板焼などが人気です。リーズナブルな価格もうれしいところ。お好み焼きで人気なのが「牛すじネギ玉」。ネギの鮮やかな緑が印象的な一品です。
オリジナルの鶏ガラスープを入れた生地に入るのは、3〜4時間味噌で煮込んだ牛すじとこんにゃく。具材の味を存分に楽しんでほしいとソースはあえて主張しないよう味は控えめにしています。
手際よく卵黄のまわりにネギを敷き詰め、たっぷりのマヨネーズをかけたら完成です。サクッとした生地とシャキシャキのネギ、そして少し甘めの牛すじとコンニャクの食感が楽しい一品です。
お客さんの「おいしかったよ」という声を楽しみに、おいしいお好み焼きを届けたいという松本さん。もんじゃ屋 吉兆は松本さんのような温かな人柄もあって長く愛されている、そんなお店です。
お好み焼き、もんじゃ焼き、鉄板焼きなど種類は豊富です。メニューにはたこ焼きもあるので、テーブルにはたこ焼き専用の鉄板もついています。
| 店名 | もんじゃ屋 吉兆 |
| 住所 | 富山市上本町5-24 |
| 電話 | 076-491-5556 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/monjaya_kiccyou/ |
| 営業時間 | 11:30〜14:30(L.O14:00) 17:30〜22:00(L.O21:30) |
| 定休日 | 月曜日 |
| 駐車場 | 店の近くに4台 |
| 決済方法 | 現金、QRコード |
米粉で作った体を気遣うお好み焼き「謳うてっぱん」
センスのいい黒いトラックが目印のお好み焼き移動販売店「謳うてっぱん」。県産の無農薬自然栽培米の米粉を使い、糖質を抑えたグルテンフリーに特化したお好み焼きを販売しています。
米粉を使ったお好み焼きは「プレーン」「シーフード」「県産豚入り」の3種類。
米粉を使ったお好み焼きはもちもちで香ばしく、長芋を加えることでトロトロの食感に。健康に配慮しつつ、食べ応えのある十分満足できるものになっています。そして、ショウガや小ねぎなど、季節や旬により変わる付け合わせがいいアクセントになっていて、お好み焼きのおいしさをより引き立てています。
2年前、コロナ禍でスタートした「謳うてっぱん」。せっかく開店するならと糖質を抑えたグルテンフリーのお好み焼きに挑戦することを決めました。何度も失敗を繰り返した結果、納得の味にたどり着きました。米粉で、もちもちと焼けたお好み焼きはファンも多く、よく出店する富山市開の「そよかぜ農産物直売所」には多くの人が訪れていました。
食に関することならなんでも挑戦していきたいと話す酒井さん。店名の「謳うてっぱん」に込めた人生を謳歌するという目標を胸に、酒井さんはきょうも「おいしい」と言ってくれるお客さんのためにお好み焼きを焼き続けます。
出店日時や場所は、店のインスタグラムで確認してください。DMやmailでの注文も受け付けています。
| 店名 | 謳うてっぱん |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/utau_teppan/ |
| 問合せ | utau.0715@gmail.com |
| 営業時間 | 出店場所により異なる |
| 出店日 | インスタグラムで確認 |
| 駐車場 | 出店場所による |
| 決済方法 | 現金 |
富山の美味しいお好み焼きを食べよう！
今回は富山市内の個性豊かなお好み焼きの店を紹介しました。一口にお好み焼きといっても、その捉え方はお店によって様々。もちろん、どの店もおいしい上に見た目も華やかでした。種類も豊富なので何回も足を運んで自分のお気に入りを探してみるのもおすすめです。もし迷ったら店主に話しかけてみてください。より楽しくて満足できる時間を過ごせるはずです。
