災害大国である日本では家族構成やその地域で多い災害に合った防災グッズを備蓄し、いつでも持ち出せるようにしておくことが大切です。本記事ではどんなケースでも必要になる防災グッズ10選と、家族構成や避難状況に応じて追加で必要になるグッズを紹介します。
災害大国日本
日本はとにかく災害が多い国で、災害大国と呼ばれるほどです。地震の発生が多いうえに、海に囲まれた日本では地震による津波の心配もあります。発生から10年以上が経っていても、東日本大震災(3.11)は未だに記憶に新しい大災害でしょう。
ほかにも水に困らないという良さはあるものの、降雨量の多さから水害や土砂崩れが起こったり頻繁に台風が来たりと、私たちは災害とともに暮らしているとすらいえます。
グラフは災害の発生数や被害について、日本と世界を比較したものです。面積の狭い島国でありながら、災害死傷者数以外でこれだけ大きな割合を占めているのは驚きでしょう。
反対に、災害死傷者数はほかの指標に比べてかなり少ないです。これは日本の防災意識が高いこと、対策がしっかりと取られていることの表れでしょう。
このことからも、防災グッズを揃えたりいざというときの取り決めを家族でしたり、日頃から災害対策を取ることの大切さがわかります。
ちなみに、日本で最も多い災害は台風ですが、被害額では地震が圧倒的です。ほかの災害に備えなくていいわけでは決してありませんが、防災グッズの準備や災害対策は地震を念頭において進めるのがいいでしょう。
防災グッズをそろえる前に知っておきたい、非常持ち出し品と備蓄品の違い
防災グッズは大きく「非常持ち出し品」と「備蓄品」に分けられ、「非常持ち出し品」にも災害の状況に応じた段階があります。まずはこれらの区分けについて理解し、どの段階で、どんな荷物を、どのくらい持っていけばいいのかを考えましょう。
非常持ち出し品とは
非常持ち出し品はその名の通り、災害発生時(非常時)にとにかく持ち出すべき品のことです。災害直後に持ち出す一次持ち出し品と、避難後に余裕ができてから持ち出す二次持ち出し品に分けられます。
【一次持ち出し品】
避難するときに最初に持ち出すもの。リュックなどに入れる重さの目安は、男性で15キロ、女性で10キロ程度。
【二次持ち出し品】
避難した後で少し余裕が出てから安全を確認して自宅へ戻り避難所へ持ち出す、または自宅で避難生活を送るうえで必要なもの。
備蓄品とは
備蓄品とは、避難生活への備えとして蓄えておくもので、水・食料品・燃料(カセットボンベや固形燃料など)が主となります。
水は飲料水として使えるものを1人1日3リットルとして7日分(計21リットル)、食料品は米や缶詰、漬物などの保存がきくものを中心に7日分を目安として備蓄しておきましょう。
なお、このような備蓄品にも消費期限があります。期限が過ぎないように定期的に確認し、期限が近付いたものは普段の生活で消費しましょう。これを「ローリングストック法」といいます。
これだけは揃えておきたい!必要な防災グッズ10選
どんなケースでも必要になる防災グッズ10選を紹介します。これらは避難生活の必需品であり、用意しておくことで生存率が上がったり家族や知人と連絡を取り合ったりしやすくなるでしょう。
保存食
調理の必要がない保存食を用意しておきましょう。災害が起こると電気やガス、水道などのライフラインが遮断されたり使用を制限されたりすることもあります。
保存食には乾パンのようなものだけでなく、野菜や肉・魚の缶詰、レトルト食品なども用意しておきましょう。特定の食品だけでは栄養素が偏ってしまいます。避難生活が長くなるほど栄養の偏りによるリスクは大きくなり、持病の悪化や、最悪の場合は死につながることもあります。健康を守るためにも、精神的な余裕をつくるためにも、ある程度はバラエティ・好みも意識して保存食を選びたいです。
なお、保存食にも賞味期限・消費期限があります。期限が残り少なくなってきたら食べてしまい、新しい物に買い換えましょう。
飲料水
水分は人間の体重の過半数を占める大切なものです。脱水状態になると熱中症をはじめとするさまざまな症状が起こることもあります。
人間に必要な水分量は3リットル(成人の場合)といわれています。「3リットル×人数×日数」分の飲料水を備蓄しておきましょう。保存食と同じく保存期限を確認し、定期的に入れ替えることも大切です。
非常用の持ち出し袋にはたくさんの飲料水を入れることはできませんが、最低でも1人2リットルほどは用意しておきたいです。保存のしやすさや衛生面などを考えると、2リットルボトルよりも500mlボトルの方が何かと便利でしょう。
衛生用品
避難生活でも衛生を保つことは大切です。衛生状態が悪くなると健康面の心配も出てきます。次のような衛生用品を家族分用意しておきましょう。
- ウェットティッシュ
- トイレットペーパー
- 歯磨きセット
- 除菌グッズ
- マスク
- タオル
- 生理用品(女性)
タオルやマスクなどのグッズは圧縮袋に入れると、かさが小さくなり持ち運びがしやすくなります。
医薬品
災害時や避難生活のような緊急事態でこそ、健康を保つことが大切になります。ケガをしたときのための応急処置グッズ、痛み止めや風邪薬、持病があるならその常備薬も非常持ち出し袋にまとめておきましょう。
貴重品
非難時には最低限の貴重品だけ持っていきましょう。小銭と千円札を中心とした現金、保険証や免許証などのID、銀行や公的機関で必要になる通帳と印鑑などが必要です。
ただ、これらのグッズは日常生活でも使うものであり、非常持ち出し袋に入れておけるのは現金くらいです。いざというときに備え、小さめのポーチなどにこれらをまとめておき、普段使いのバッグやわかりやすい場所に保管しておきましょう。
ライトと電池
災害時には電気をはじめとするライフラインの遮断が考えられます。暗い道を明かりなしで移動するのも危険です。懐中電灯や電池式の置き型ライト、換えの電池なども非常持ち出し袋にまとめておきましょう。懐中電灯は手回し式のものがあると便利です。
「スマートフォンにライト機能があるから、懐中電灯はなくても大丈夫」と思うかもしれませんが、スマートフォンは連絡や情報収集にも使うため、電池を温存しておきたいです。明かりも意外と弱いです。
情報収集ツール
スマートフォンや防災ラジオなどの情報収集ツールは、避難生活の必需品です。
災害時にはインターネットにアクセスしづらくなり、スマートフォンの電池も温存したいため、ラジオは必ず用意しておきましょう。AM放送とFM放送を両方聞けるもの、手回し充電器がついたものが便利です。
100円玉・10円玉を中心にした小銭とテレフォンカード
先述の通り、災害時はインターネットがつながりづらくなります。電話回線も同様です。
ただ、公衆電話は災害時の通信規制の対象外として通信が優先されます。災害時に無料で使える公衆電話もありますが、すべてではありません。公衆電話を使うための100円玉と10円玉を中心とした小銭入れと作っておきましょう。テレフォンカードも用意しておくとなお良いです。
なお、公衆電話を探すときは下記のWebページが便利です。
公衆電話 設置場所検索 | 公衆電話インフォメーション | NTT東日本
【NTT西日本】公衆電話 設置場所検索 – 公衆電話情報(個人のお客様向け)
災害時はインターネットにアクセスしづらくなるため、事前に自宅や避難所周辺の公衆電話について調べておきましょう。設置場所検索からマップを印刷しておくのもおすすめです。
【コラム-災害と公衆電話】
災害時に公衆電話が無料になることもあるのは先述のとおりですが、種類により使い方が異なります。
電話機前面に赤いボタンのない「デジタル公衆電話」は受話器を上げてダイヤルするだけで無料でかけられます。赤いボタンのある「アナログ公衆電話」は受話器を上げて硬貨やテレフォンカードを入れるとダイヤルでき、通話終了後には硬貨やテレフォンカードがそのまま返却されるため、実質無料です。
そのため、たとえ無料で使える状態だとしても、硬貨やテレフォンカードが必要なのです。何より、そもそも無料で使える状態にならないケースも考えられます。やはり硬貨やテレフォンカードは余裕をもって用意しておきたいです。
季節用品
日本は四季による環境変化の大きな国です。特に夏や冬は暑さ寒さが厳しく、それぞれの季節に合った季節用品を用意しておきましょう。
【夏に必要な季節用品】
- 塩分補給グッズ
- 虫除けスプレー
- 日焼け止め
- 汗拭きシートやウェットティッシュ
(衛生用品として常備すべきだが、夏は多めに用意したい)
【冬に必要な季節用品】
- 手袋やネックウォーマー
- 厚手の靴下
- 使い捨てカイロ
- 長靴
(袋に入れるのが難しければ玄関に置いておくだけでも)
- レインコート
(降水量の多い地域や梅雨の時期など、冬以外でもあると便利)
あると便利なグッズ
次のような小物も非常持ち出し袋にまとめておくと便利です。
- 耳栓
- 軍手
- ライター
- 筆記用具
- ホイッスル
- 大小のビニール袋
- モバイルバッテリー
ビニール袋は物やゴミを入れるほかにも、大きなものなら底に穴を開けて逆さまに被ることで、簡単なレインコートとしても使えます。
【ケース別】追加で必要になる防災グッズ
赤ちゃんがいる場合やペットを飼っている場合など、家族構成によって追加で必要になる防災グッズを紹介します。
赤ちゃんがいる場合
年齢・月齢にもよりますが、赤ちゃんは大人と同じ食事を取れません。粉ミルクではお湯や湯冷ましが必要になるため、備蓄用には缶入りのミルクを用意しておきましょう。缶に直接乳首を取り付けるためのアダプターも販売されています。これらがあれば、哺乳瓶や除菌グッズなどの荷物も最低限に抑えられます。
オムツはジップのついた袋に入れると、圧縮してかさを小さくしたり、きれいに保ったりできて便利です。
非難時には抱っこ紐も持っていけるといいでしょう。災害時は路面が悪くなりバランスを崩しやすくなるので、手で抱っこするのはリスキーです。身体的な負担も大きな避難生活では、赤ちゃんの体重を分散させられる抱っこ紐がより便利に感じるでしょう。
ペットを飼っている場合
ペットを飼っている場合、ペット用の食事やグッズも必要になります。人間の食べ物には動物にとって毒になるものも多いので、普段食べさせているペットフードは多めに持っていきましょう。
食べ物や水を入れる食器も必要です。折りたたみ式や災害時用の小ぶりなものもあるので、非常持ち出し袋に入れておきましょう。
同様に、ペットトイレも災害時用の折りたたみ式のものが便利です。折りたたみ式のケージも販売されているので、トイレや食器が入るものを選ぶと避難生活がしやすくなるでしょう。
ペットキャリーはリュック式のものが便利です。非常持ち出し袋もリュック式なら、お腹側と背中側で片方ずつ背負えるサイズ感のものがいいでしょう。
どちらかを手持ちする場合も、キャリーは背負うことをおすすめします。バランスを崩したときに、手持ちだと落としたりぶつけたりしやすく、ペットが怪我をしたり最悪の場合命を落としてしまったりするかもしれません。
【災害の大きさ別】揃えるべき避難グッズ
避難所にいる期間によって必要な避難グッズの数は変わってきます。避難所で生活するのか自宅非難なのかで、使う防災グッズも変わってくるでしょう。
状況別の必要な避難グッズを紹介します。
長期の避難が強いられる(地震や大雪で自宅倒壊した)場合
地震や大雪で自宅が倒壊した場合など、長期の非難が強いられる場合は防災グッズも多めに必要です。寝袋のようなかさばるグッズも持っていかなくてはなりません。
食料品や飲料水は避難所で支給されますが、届くまでに2~3日はかかると思っておいた方が無難です。支給が始まっても1日3食を確保できるケースは稀で、水も1家族500mlペットボトル1本のようなケースもあります。
できれば1人1日3リットルの飲料水、1週間分の保存食は持っていきたいです。同じく、避難所に仮説トイレが設置されるまでに時間がかかるケースも多いです。災害用トイレも多めに持っていきましょう。
ただ、荷物が多すぎて非難が遅れてしまうのは危険です。特に水は重くてかさばるので、1人2リットルの飲料水と数日分の保存食、ライトなどの最低限のグッズをつめた小さな非常持ち出し袋も用意しておきましょう。
避難所から自宅に荷物を取りにいける可能性も考え、「最低限の荷物+自宅に置いておく防災グッズ」のような準備がいいでしょう。
1週間程度の避難が強いられる(自宅を修理すれば直る)場合
自宅を修理すればすぐに帰れるような、1週間程度の非難が強いられる場合も、先述の長期非難と同じ程度の荷物を持っていきましょう。
災害発生時に避難所に持っていけるのは、せいぜい1週間分の荷物です。とにかくすぐに非難できるよう、最低限の防災グッズをつめた非常持ち出し袋をつくっておきましょう。
自宅で待機する(停電・断水など)場合
停電や断水など、自宅で待機する場合には次のような防災グッズも必要になります。
- カセットコンロ
- 紙コップや紙皿、割り箸
- 簡易トイレ
- 毛布や寝袋(車中泊や屋外避難への備え)
- ダンボールグッズ
ダンボールは保温性が高く、形も変えやすいことから、ダンボール製の防災グッズも多く販売されています。具体的にはダンボール製の簡易ベッドや簡易トイレ、イスや目隠しなどがあります。普段は畳んでコンパクトにしまっておけるので、自宅避難に備えて用意しておくといいでしょう。
防災グッズは通販が便利
ここまで紹介してきたとおり、防災グッズにはさまざまな種類があり、必要な数も状況に応じて変わってきます。保存期限があるため、定期的な交換も必要です。
スーパーやホームセンターですべてを探すのも、期限が切れて買い換えるのも大変でしょう。
そこでおすすめなのが、防災グッズ専門の通販です。重くてかさばる荷物も自宅に届けてもらえるため買い物の負担が少なく、チェックリストを見ながらPCやスマートフォンで注文することもできるため買い忘れも起こりづらいでしょう。
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災害の種類や多さによって揃えるグッズを変えよう
お住まいのエリアによって、起きやすい災害は違います。災害の種類や被害の大きさによって必要になる防災グッズは変わるため、普段から災害が多い地域に住んでいるなら、通常よりもたくさんの防災グッズが必要になります。
災害の種類や多さ、家族構成はもちろん、避難所生活や自宅避難などあらゆる可能性を考えて防災グッズを用意しましょう。