車の中に防災グッズを置くべき理由は?

防災大国日本では、地震をはじめとして、台風、豪雨、豪雪など、季節ごとにさまざまな災害が発生します。夏は水害、冬は大雪と、一年を通して「安心できる季節はない」と言っても過言ではないでしょう。
令和6年1月1日には能登半島で最大震度7の地震が発生し、奥能登を中心に甚大な被害が出ました。死者は672人(うち災害関連死444人)、全壊家屋は6,536棟(令和7年10月15日16時時点)にのぼり、道路や水道などのインフラも大きな被害を受けました。
(参考:https://www.bousai.go.jp/updates/r60101notojishin/r60101notojishin/index.html)
また、富山県でも2021年1月7日から10日にかけて、記録的な大雪を観測しています。富山市内では積雪が最大128cmに達し、市電や道路が雪で遮断される状況になりました。
このような災害の事例からも分かるように、車は単なる移動手段だけでなく、緊急時の避難場所や生活の拠点になる可能性があります。
特に富山は車社会のため、災害はいつどこで起きるかわかりません。車内に防災グッズを備えることは、いざというときの自分や家族の安全を守るための重要な準備といえます。
最低限積むべき車の防災グッズ

災害時に、車が避難場所や生活の拠点になることもあります。ここでは、最低限積んでおきたい車の防災グッズを紹介します。
- 非常食・保存水
- 簡易トイレ
- ライト・懐中電灯
- モバイルバッテリー
- 衛生用品
- 救急セット
- 防寒・防暑グッズ
- 軍手・脱出用ハンマー
非常食・保存水
地震や豪雨などの災害が発生すると、道路が寸断されて物流が止まり、スーパーやコンビニの商品棚から一気に食料や飲料水がなくなることがあります。さらに断水が続けば、水道が使えず、飲み水はもちろん、手洗いや調理も困る状況になります。そのため、車の防災グッズとして最低3日分の非常食と保存水は必須です。
防災グッズは、高温になりやすい車内でも保存できるタイプを選ぶのがおすすめです。省スペースで軽量なものなら、長期間積んでおいても邪魔になりません。
賞味期限を定期的にチェックし、使ったら補充するローリングストック方式を取り入れるのがおすすめです。
ローリングストックについてはこちらの記事でも紹介しています。
簡易トイレ
断水や渋滞中など、トイレに行けない状況で役立つのが簡易トイレです。
車の防災グッズとして備えておけば、渋滞や災害時の立ち往生や、長時間の避難中でも慌てずに対応できます。車内は密室なので、においや衛生面が気になる人は多いはず。近年は、消臭・抗菌に配慮したアイテムも多数登場しています。
特に女性や小さな子どもがいる場合は、その点も含め商品選びをすると良いでしょう。
ライト・懐中電灯
夜間や停電時に欠かせないのが、ライトや懐中電灯です。
車の防災グッズとしてLEDタイプを1本入れておくと、周囲を照らしたりSOSを出したりする際に役立ちます。電池式のほか、手回し充電式やソーラー式もおすすめです。
車の点検や夜間の避難時にも活躍するため、手元にすぐ取れる位置に置いておきましょう。
モバイルバッテリー
災害時、スマートフォンは情報収集や連絡手段として重要な役割を果たします。
車の防災グッズにモバイルバッテリーを加えておけば、停電時でも電源を確保できます。大容量タイプやソーラー充電対応のものを選ぶと、長時間の避難でも安心です。
複数のデバイスを同時に充電できるタイプなら、家族全員のスマホも一度に充電できるためおすすめです。
衛生用品
災害時は水道が止まり、手や体を洗えない状況が続くこともあります。清潔さを保てないと、菌が付着した体や手指からウイルス・細菌が広がり、感染症や食中毒、皮膚トラブルなどを引き起こすおそれがあります。
実際、過去の避難所では不衛生な環境が原因で、新型コロナウイルスやインフルエンザ、百日咳などの感染症が流行した例も報告されています。
このような事態を避けるために、ウェットティッシュや除菌ジェル、マスクなどを車の防災グッズに加えておくと、手軽に衛生管理できます。特に、赤ちゃんや高齢者がいる家庭では欠かせないアイテムです。
避難中の感染症対策にもなるため、日常的な車内ストックとしても活躍します。
救急セット
避難の最中には、転倒してすり傷を負う、がれきで手を切るなど怪我をすることもあります。そうしたときにすぐ対応できるよう、軽いけがや体調不良に備えて、救急セットを車の防災グッズに入れておきましょう。
包帯や絆創膏、消毒液などをそろえておくと、応急処置がスムーズにできます。携帯しやすいコンパクトサイズのセットがおすすめです。
また、非常時は環境の変化から体調を崩すことも少なくありません。常用薬はもちろん、普段から使い慣れた薬を一緒に入れておくと、いざという時にも落ち着いて対応できます。
防寒・防暑グッズ
車内は気温の影響を受けやすいため、季節に応じた防寒・防暑グッズも必要です。
特に豪雪による高速道路での立ち往生が発生した場合、長時間エンジンをかけたまま暖を取ると、ガス欠を起こす可能性があります。燃料が尽きて暖房が使えなくなった場合には、極寒の中で凍死する恐れもあります。
そのため、アルミブランケットや簡易毛布などの防寒用品も、車の防災グッズとして備えておくことが重要です。
また、夏は熱中症対策を考えた、扇風機や冷却シートなどの防災グッズが必要です。防寒・防暑グッズは、季節に応じて入れ替えましょう。
軍手・脱出用ハンマー
災害時の車からの脱出や車外での作業に備えて、軍手と脱出用ハンマーを車の防災グッズとして常備しましょう。
たとえば、豪雨で車が冠水してドアが開かなくなったときや、事故でシートベルトが外れないときには、脱出用ハンマーが命を守る道具になります。また、ガラスの破片の撤去やタイヤ交換、チェーンの装着など車外での作業では、手を保護する軍手が欠かせません。
軍手や脱出用ハンマーは、ガラスを割ったりシートベルトを切ったりと、命を守るための行動に必要な道具です。特に災害時は思わぬトラブルが起こるため、運転席の近くに常に置いておくのがおすすめです。
車の防災グッズを選ぶ際に注意すべきポイント

車の防災グッズは、とりあえず積んでおけばいいわけではありません。いざという時に本当に役立つものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
気温や湿度の変化が大きく、スペースにも限りがある車内で役立つ防災グッズ選びのコツを紹介します。
高温・低温への耐久性を確認する
車内の温度は、夏には60℃近くまで上がり、冬には氷点下まで下がることもあります。防災グッズを車に常備する際は、こうした温度変化に強いものを選ぶことが大切です。
たとえば非常食なら、高温多湿でも風味や品質が落ちにくい「車載対応タイプ」や「耐熱仕様」のものを選ぶと安心です。バッテリーの場合も、極端な高温・低温で性能が低下することがあるため、耐熱性・耐寒性を明記した商品を選ぶと良いでしょう。
温度に弱いアイテムをそのまま置いておくと、いざというときに使えないこともあります。購入前に「車内保管が可能か」を確認しておくのがおすすめです。
省スペース・収納性を意識する
車の防災グッズは、限られた車内スペースに収納することを前提に選ぶ必要があります。
コンパクトに折りたためる毛布や圧縮タオルなど、収納性の高いアイテムを中心にそろえると便利です。また、普段の荷物と混ざらないよう、専用の収納ボックスやバッグにまとめておくと管理しやすくなります。
緊急時に、すぐに取り出せる配置を考えておくことも大切です。
長期保存できるものを選ぶ
車に積む防災グッズは、頻繁に取り出すものではないため、長期保存が可能なタイプを選びましょう。
非常食や飲料水はもちろん、電池や薬品も賞味期限・使用期限をチェックすることが大切です。特に夏場の車内は高温になりやすいため、保存期間が長く、耐熱仕様のものを選ぶと安心です。
期限切れにならないよう、定期的に見直して入れ替えましょう。
家族構成やライフスタイルに合わせる
防災グッズの内容は、家族構成やライフスタイルによって最適なものが変わります。
小さな子どもがいればミルクやおむつ、高齢者がいれば常備薬など、家庭ごとに必要な備えを意識することも重要です。
普段の移動距離や通勤・旅行スタイルも踏まえて、必要なアイテムを見極めましょう。
【商品紹介】ジャンル別!車のおすすめ防災グッズ13選
車にあると役立つ防災グッズをジャンル別に紹介します。
食事・トイレなどの生活必需品
災害時、電気や水道が使えない状況では、手軽に食べられる非常食や水、簡易トイレが重宝します。ここでは、車の防災グッズとして用意しておきたい生活必需品のなかからおすすめのグッズを紹介します。
尾西の車載用防災ミニボックス 4セット入

食品・水・簡易トイレがひとまとめになっている、車載対応の防災セットです。
3年間保存可能で、特殊な断熱材入りの包材が車内の温度変化から食品を守るため、夏の高温や冬の寒さでも品質を保てます。セットには、国産米を使った携帯おにぎり(わかめ・昆布各1個)、いちご味のライスクッキー1箱(8枚入り)、500mlの飲料水1本、ポンチョやティッシュがセットになった携帯トイレ2回分が含まれています。
軽くてコンパクトなので、非常時の備えとして車内にひとつ備えておくと安心です。
The Next Dekade みんなの保存食 米粉パン

長期保存が可能なレトルトパンで、非常時の食料として安心して備えられます。
保存期間は7年と長く、車の中でも保管できる耐温度域(-20℃〜80℃)の検査に適合しているため、車内の備えにも最適です。プレーン、ストロベリー、ココアと味のバリエーションが豊富であるところも魅力です。
軽量で持ち運びやすいため非常時はもちろん、アウトドア、車中泊などさまざまなシーンで役立ちます。
大安心保存水

山梨の名水を使用した、ミネラルが豊富で口当たりがやわらかく飲みやすい保存水です。
粒子が細かく、体への吸収がスムーズなのが特徴です。天然のアルカリイオン水は、疲労回復や腸内環境の改善、免疫力改善などの効果が期待できるといわれているため、非常時の水分補給に最適です。
飲料水としてはもちろん、トイレや手洗いなど別の用途としても使えます。
トイレの女神 PREMIUM

防災士監修の簡易トイレで、15年という驚きの保存期間が魅力です。
消臭と抗菌効果のある成分を配合した凝固剤入りでにおいを軽減し、しっかり固まることで漏れを防ぎます。さらに二重袋仕様で、においと漏れをダブルで対策しています。
車の防災グッズとしてひとつあると安心です。
使い捨てトイレバック ポイレット

水が使えない環境でもすぐに使える使い捨てトイレです。
袋をセットして用を足したら、処理テープで口を閉じるだけという簡単設計が魅力です。におい漏れを防ぐ構造で、狭い車内でも快適に使えます。
軽量でかさばらないため、車の防災グッズとして常備しておくと安心です。
救急グッズ・衛生用品
避難所や医療機関にすぐ行けない状況では、車に救急グッズや衛生用品を常備しておくと安心です。ここでは、車の防災グッズとして用意しておきたい救急・衛生用品を紹介します。
防災用救急箱セット(5人用)

家族やグループでの備えに最適な防災用救急箱セットです。
包帯やガーゼ、絆創膏、消毒液など応急手当に必要なアイテムが一通り揃っており、避難時や復旧作業中のケガにも対応できます。コンパクトながらも内容が充実しているため、車の防災グッズとして積んでおくと安心です。
防寒用アルミシートや毛抜きなども入っており、思わぬトラブルにも幅広く対応できます。
救急セットハンディーバッグ

持ち運びやすさを重視したコンパクトな救急セットです。
絆創膏や包帯、ガーゼ、三角巾、はさみなど、最低限の応急処置に必要な道具が一式そろっています。車の小さな収納にも入るサイズなので、出先でのちょっとしたケガにもすぐ対応できます。
日常のドライブ用としても役立つ防災グッズです。
みんなのからだふき

純水99%仕様のウェットシートで、赤ちゃんから大人まで安心して使えます。
からだふき・おしりふき・手指の清拭など多用途に使えるところが魅力です。水が使えない状況でも清潔を保てるため、避難中の車内やトイレ後の衛生管理にも便利です。
災害時だけでなく、長距離ドライブ時にも重宝します。
圧縮下着セット

コンパクトに圧縮されたTシャツとパンツのセットです。
パッケージはポケットティッシュほどのサイズのため、収納場所を選びません。着替えができない避難時でも、衛生的に過ごせる心強い防災グッズです。
大人用(男女)・子ども用(男女)があるため、家族構成に合わせて車に常備しておくと安心です。
停電・夜間・安全に役立つグッズ
災害時や停電時は、照明や通信手段の確保が大きな課題になります。特に車中泊や避難中は、照明・情報収集・充電の確保が命綱になることもあります。
ここでは、車に常備しておくと安心できる「停電・夜間・安全対策」向けの防災グッズを紹介します。
スマホ充電ダイナモラジオライト

懐中電灯・ラジオ・モバイルバッテリーが一体になった、多機能タイプの防災ライトです。
電池がなくても手回し充電ができるため、長期停電や通信障害の際にも活躍します。LEDライトは明るく、省電力で長時間使用可能です。片手で持てるほどコンパクトなので、車内のドリンクホルダーにも収まります。
1台あるだけで安心感がぐっと高まる防災グッズです。
飛び出せ!ランタン

閉じた状態で「懐中電灯」、ひねってひらけば「ランタン」として、2つの役割を果たす便利なアイテムです。
収納時はコンパクトなサイズのため、車のグローブボックスやシート下にもすっきり収まります。明るさは「強」「弱」「点滅」の3段階に調整でき、停電時の照明や夜間の避難にも対応します。
カラビナ付きで吊るして使えるため、テントや車内照明としても便利な防災グッズです。
ウォームテンダーライト

災害時に体温を守る軽量毛布です。真空パックで収納されており、わずか450gと非常に軽量ながら保温性に優れています。
通常の毛布の4分の1サイズに圧縮されており、トランクの隙間などにもすっきり収納可能です。いざという時、体を温めてくれる頼れる防災グッズです。
Comfort+ 充電式薄型送風扇 Air Force Fan

熱中症対策として夏場の車中泊や避難生活におすすめの充電式送風扇です。
薄型設計ながらも最大37時間の連続使用が可能で、風量調整や首振り機能も搭載されています。縦置き・横置きどちらでも使えるため、車内でもスペースを取らずに快適な風を送れます。
さらにLEDライトとモバイルバッテリー機能も備えており、停電時にも頼れる多機能な防災グッズです。
車に防災グッズを収納する際のコツ

車に防災グッズを積んでいても、いざというときに取り出せなければ意味がありません。限られたスペースを上手に活用しながら、安全かつ効率的に収納することが大切です。
ここでは、車に防災グッズを整理して収納するためのポイントを紹介します。
すぐ取り出せる場所と保管場所を分ける
緊急時に必要な防災グッズは、助手席やトランクの手前など、すぐに取り出せる場所に置いておきましょう。
非常食や簡易トイレなど、発災直後には使わないものは収納ボックスにまとめて保管すると便利です。用途ごとに分けることで、必要なときに迷わず取り出せます。
車の防災グッズは「取り出しやすさ」を意識することで、緊急時の行動がスムーズになります。
熱・湿気対策をしておく
車内は高温や湿気がこもりやすいため、防災グッズの劣化を防ぐ工夫が必要です。
密閉容器や耐熱素材のケースに入れておくと、食品や電子機器の劣化を防げます。特に夏場は直射日光を避ける位置に収納するのがポイントです。
車の防災グッズは定期的に状態を確認して、問題があれば入れ替える習慣をつけましょう。
重いものは下、軽いものは上に置く
収納時の基本は、重い防災グッズを下に、軽いものを上に配置することです。
走行中の揺れで荷物が崩れるのを防ぎ、取り出しやすさも向上します。特に工具や水などは重くなりがちなので、安定した位置に固定しておくと安心です。
車の防災グッズを安全に積むことで、走行中のトラブル防止にもつながります。
車にも防災グッズを常備して、万が一に備えよう
今回は、災害時に役立つ車の防災グッズを厳選して紹介しました。
車の防災グッズは、非常時に自分や家族を守るためにとても大切です。非常食やライト、簡易トイレなどの基本アイテムに加え、家族構成や車内環境に合わせた工夫を取り入れることで、より実用的で安心できる防災対策になります。
車の防災グッズを定期的に見直し、いざというときにすぐ使える状態にしておくことが、万が一の事態へのもっとも確実な備えです。
本記事を参考にしながら、車の防災グッズを用意してみてはいかがでしょうか。
防災グッズについては、こちらの記事でも紹介しています。