犬に耳掃除は必要?正しいやり方と頻度、注意点を紹介

犬に耳掃除は必要?

犬が耳を垂らしてこっちを向いている様子

犬の耳掃除は、「健康な耳であればしなくても問題ない」という場合がほとんどです。

犬の耳には「自浄作用」があり、耳の奥でできた耳垢は自然と外に出てくる仕組みになっています。そのため、普段の生活の中で頭を振る動作などによって自然に汚れが排出されます。

しかし、犬に耳掃除が必要かどうかは、耳の状態や体質によって変わります。垂れ耳の犬や耳の中が蒸れやすい犬、皮膚が弱い犬、過去に耳の感染を経験したことがある犬などは、定期的な耳のケアが必要です。

耳掃除が必要な犬のケアを怠った場合、外耳炎になるリスクが高まり、悪化すると中耳炎や内耳炎へ進行する可能性もあります。また、激しく掻く、頭を振るなどの行為によって耳の血管が傷つき「耳血腫」という状態になる危険もあるため注意が必要です。

基本的に、耳の中に汚れが溜まっているときは、汚れの色や量に着目するのがポイントです。耳掃除が必ずしも必要ない犬についても、定期的な耳の健康チェックは欠かせないといえるでしょう。

犬の耳掃除の頻度

犬の耳掃除の頻度は、月に1〜2回程度が基本の目安です。

ただし、週に1回ほど耳の中の汚れやにおいをチェックして、汚れがあればその都度軽く拭いてあげることが望ましいでしょう。お散歩の後や寝る前など、タイミングを決めてルーティンにすることで忘れずに続けやすくなります。

また、耳掃除の頻度は犬種や体質によって変わります。例として、立ち耳の犬は通気性が良く、耳の中が比較的清潔に保たれやすいため、汚れていない限り掃除する必要はありません。

一方で、トイ・プードルやミニチュア・シュナウザーなど外耳道に毛が多く生えている犬種や、フレンチ・ブルドッグ、パグなどの耳道が狭い犬種、垂れ耳のダックスフンド、コッカー・スパニエル、レトリーバー種、アトピー性皮膚炎になりやすい柴犬、シー・ズーなどの犬種は、定期的な掃除が重要です。

犬の耳掃除3ステップ

犬の耳にイヤーローションを塗っている様子

犬の正しい耳掃除の3ステップを紹介します。耳掃除する際に用意するものは、イヤーローション(犬用の耳洗浄液)、コットンです。

ステップ1.耳の状態をチェック

犬の耳掃除を始める前には、まず耳の健康状態をしっかりチェックすることが重要です。

耳を触って嫌がらないか、赤みや腫れがないか、強いにおいがしないかを観察し、耳垢の色や量にも注意を払いましょう。正常な耳垢は薄い茶色で少量ですが、黒っぽく粘り気があるものや、悪臭がする耳垢が出ている場合は注意が必要です。

異常がみられる場合は耳掃除せず、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。

ステップ2.汚れをとる

犬用のイヤーローションを清潔なコットンにたっぷり染み込ませ、耳の内側を毛の流れに沿ってやさしく拭き取りましょう。

ローションによって汚れがふやけて浮いてくるため、見える範囲の汚れを無理なく取り除けます。耳の奥まで拭こうとせず、必要に応じて耳の付け根を軽くマッサージしてあげると、ローションがなじみやすくなります。

ステップ3.終わったらご褒美をあげる

耳掃除の後は、犬が「がんばってよかった」と思えるように、おやつやおもちゃなどのご褒美を与えるのがおすすめです。

耳掃除は犬にとって不快に感じることもありますが、終わった後に楽しいことがあると学習することで、次回からも落ち着いて対応してくれるでしょう。

ご褒美は毎回の耳掃除後の習慣にすることで、良い印象が残りやすくなります。たくさん褒めて、場合によってはお気に入りのおもちゃやおやつを与えてあげてください。

犬の耳掃除をするときの注意点

犬の耳を布で拭いている様子

耳掃除の際は、いくつか注意したいポイントがあります。犬の耳掃除の注意点を4つ紹介します。

綿棒や耳かき棒は使わない

耳掃除する際は、綿棒や耳かき棒を使用しないことが重要です。これらを使うと、耳の中を傷つけてしまうだけでなく、耳垢を奥に押し込んでしまい、外耳炎などの炎症を引き起こす原因になり得ます。また、綿棒の先が取れて耳の中に残ってしまうこともあるため、危険です。

耳の奥に見える耳垢は取ろうとせず、イヤーローションを使用して優しく拭き取ることがポイントです。もし耳垢に異常がみられる、炎症が起きている場合は病院を受診しましょう。

耳道内は自己判断で掃除しない

犬の耳掃除は、耳道内を自己判断で掃除しないことも重要です。

耳の奥まできれいにできる注入タイプのイヤークリーナーや、イヤーローションが市販されていることもありますが、必要ないケースがほとんどです。そのため、獣医師からの指導がない限りは使用しないことをおすすめします。

また、基本的に耳の奥の汚れは、犬自身の自浄作用によって外に出てくる仕組みになっています。無理に掻き出そうとすると、逆にトラブルを引き起こす原因になり得ます。また、耳に炎症がある場合には症状を悪化させてしまう可能性もあるでしょう。

注入式のイヤークリーナーは、犬が顔をブルブルと振って汚れと薬液を排出する仕組みになっています。そのため、顔をうまく振れない老犬や子犬は薬液が耳の中に残ってしまい、逆効果になることもあります。そのため、特に老犬や子犬への使用は控えるべきといえるでしょう。

耳掃除の際は奥まで掃除せず、表面から見える汚れを優しく拭き取る程度にケアすることがポイントです。

消毒用アルコール・ウェットティッシュ類は使わない

犬の耳掃除の際には、消毒用アルコールやウェットティッシュ類を使わないようにしましょう。

消毒用アルコールは雑菌をきれいにしてくれるイメージがありますが、実際には消毒作用が強すぎることから犬の耳に刺激を与えてしまう恐れがあります。皮膚のバリア機能を低下させることもあるでしょう。また、皮膚を保護するための常在菌まで取り除いてしまい、健康な皮膚の状態を損なうことにも繋がります。

さらに、赤ちゃん用のおしりふきやウェットティッシュにも注意が必要です。これらには防腐剤や洗浄剤など、犬にとっては安全ではない成分が含まれている可能性があります。そのため、耳掃除に使用するのは避けた方が無難です。耳掃除の際は、犬専用のイヤーローションやコットンなど、犬の皮膚に優しい道具を使うよう心掛けましょう。

耳掃除は過度にしすぎない

犬の耳掃除は、過度にしすぎないことも重要なポイントです。

耳掃除しすぎると耳のバリア機能が壊れてしまい、逆に耳トラブルを引き起こす原因になり得ます。耳掃除は月に1〜2回程度を目安に、もしも気になる汚れがあれば軽く拭き取る程度にとどめましょう。

また、耳の毛が多い犬の場合は通気性が悪くなり蒸れやすいため、耳毛を抜きたくなることがあるでしょう。しかし、耳毛はバリア機能の一部として重要な役割を果たしているため、自分の判断で抜くのは危険です。耳毛は水をはじく役割のほか、ほこりや汚れの侵入を防ぐため、抜いてしまうと雑菌が入りやすくなってしまいます。

どうしても耳毛が気になる場合は、病院で専門家に相談することをおすすめします。

正しい耳掃除で犬の健康を守ろう!

今回は、犬の耳掃除は必要か、耳掃除の方法と注意点について紹介しました。

犬の耳掃除は愛犬の健康を守るために重要なケアですが、過度にしすぎないよう、やり方や使う道具に注意が必要です。正しい方法で耳の状態をチェックし、必要に応じて優しくお手入れをしてあげましょう。もしも異常を感じた場合は無理に耳掃除せず、専門の獣医師に相談することがポイントです。

正しい耳掃除で、犬の健康を守りましょう!

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トイエバ編集部

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