大雪の前にできる備えや、大雪時の作業・外出で気をつけるべき点など、大雪時に役立つ情報を紹介しています。大雪で起こりうる事故についてもまとめているため、大雪の事前の備えや対策の参考にしてみてください。
大雪が降るとどうなる?
毎年12月中旬から3月頃にかけて、日本海側を中心に大雪の天気が続きます。大雪が降ると、積雪や豪雪、路面の凍結による転倒・骨折・転落事故など、さまざまな雪害を引き起こす可能性があります。雪害は歩行者だけでなく、車の交通災害や、除雪作業中の事故などの危険性も高まるため、日頃から大雪の備えは欠かせません。
富山市は、2021年1月の大雪の影響により積雪が”126㎝”となり、県全体の鉄道や路面電車、飛行機が全てが運休となる大きな被害を受けました。これは、1984年に日本列島を襲った記録的豪雪災害「五九豪雪(ごうきゅうごうせつ)」に匹敵するほどの大雪です。被害が大きい地域では、停電の発生や通行止めによる物流の停滞により、スーパーから食料がなくなる事態が起きました。
このように、いつ起こるかわからない大雪には、日頃から万全の備えが重要です。
大雪の前に出来る備え
大雪が降ると、私たちの生活にさまざまな支障をきたす恐れがあります。ここでは、大雪の前に出来る備えを紹介します。
大雪の予報を見逃さない
大雪に関する気象情報は、テレビやインターネットなどの天気予報で、数日前に発表されます。予想される降雪量や、降雪のピークに当たる時間帯はこまめにチェックし、最新の情報を入手しておきましょう。
ニュースなどで、猛吹雪や大雪の可能性が高いことを意味する「急速に発達する低気圧」、「南岸低気圧」、「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」という言葉を聞いた場合は、特に注意してください。また、大雪の予報とともに暴風警報などが発令された場合も、一層の警戒が必要です。
外出を控える
大雪の予報が出ている際は、なるべく不要不急の外出を控えてください。身の安全を守るために、予定の取りやめや延期を検討しましょう。
無理に外出すると、初めは問題ない場合でも途中から大雪に見舞われ、ケガや帰宅困難になる可能性があります。もしも外出中に大雪予報が出た際は、慌てずに安全第一で帰宅することが重要です。
家の備蓄品や除雪・防寒グッズを確認する
大雪の予報が出た際は、家にある備蓄品や、除雪・防寒グッズをチェックすることで非常事態の時も焦る必要がなくなります。備蓄品があるかどうか、消費期限が切れていないか今一度チェックすることをおすすめします。防災食や飲料水などは、最低3〜7日分用意しておきましょう。
積雪がみられたら早めに融雪剤を散布し、スコップなどの除雪用具はすぐに使えるよう玄関などに備えておきましょう。また、大雪の際は、停電になる恐れがあります。カイロ、湯たんぽ、防寒着などの防寒グッズや、情報を得るための電池式ラジオ、携帯用モバイルバッテリー、ガスコンロも備えていると安心です。
自動車の備えも忘れずに
大雪から身を守るためには、自動車の備えも欠かせません。
中でも、タイヤ交換は積雪の前に行うことが重要です。少しの降雪でも、雪がある道路をノーマルタイヤで走行するのは非常に危険です。冬のシーズンに入ったら、スタッドレスタイヤに変えて備えると、より安心できるでしょう。交換しておきましょう。
車を運転する際には霜取りも欠かせません。車につく霜は、放射冷却によって空気中の水蒸気が凍って出来る現象です。霜を取り除くには、スクレーバー(氷解スプレーや霜落とし専用のヘラ)、エンジンの熱で溶かすなどの方法があります。
運転後は、万が一雪道で動けなくなった際にも暖がとれるよう、常に燃料を満タンにしておくなどの備えもしておきましょう。
大雪時の作業や外出で気をつけること
大雪時は外に出ないことが一番ですが、除雪作業や、緊急を要する外出の際に役立つ備えを紹介します。
除雪するとき屋根の雪下ろしの対策
総務省消防庁は、雪害による死亡要因は”屋根の雪下ろし等の除雪作業中の事故”が大半を占めていると発表しています。除雪する際は十分な知識を持ちながら、油断せずに行うことが重要です。
前提として、”除雪作業は必ず2人以上”で行うようにしましょう。1人では負担が大きいうえに、雪に埋もれた場合も助かる確率が低くなります。そして、必ず命綱とヘルメット、滑りにくい靴を着用してから作業してください。
屋根に上がる際は”はしごを固定してから上がる”というのも重要なポイントです。はしごが固定されていないと、屋根から転落してしまう危険があります。また、除雪機に詰まった雪を取り除く際には、”エンジンを切ったかチェック”してから作業するようにしましょう。
そして、”晴れた日の除雪作業ほど気を抜かない”ことが大切です。晴れた日は、積雪部分が凍結しています。慣れた作業であるほど気を抜いてしまいがちですが、除雪作業において油断は一番危険という意識を忘れないようにしてください。雪がゆるみやすく滑りやすいため大変危険です。雪と一緒に転落しないように万全の対策をしてから作業してください。
歩行するときの対策
雪道での歩行は、路面凍結による雪が積もった道や凍結した道は滑りやすく、転倒の可能性があります。緊急時の外出では、携帯電話を触りながらの歩行はもってのほか、リュックを利用するなど手荷物を最低限にして、両手はあけておくようにしましょう。バランスを崩したときも、両手が空いていることで咄嗟に手をつけるため安心です。
大雪の備えとして、厚手の服装、帽子や手袋の着用もおすすめです。防寒対策としてだけでなく、転倒した際のけがを最小限に抑えることができます。
また歩行中や除雪中は、屋根から落ちてくる雪にも注意が必要です。毎年落雪に巻き込まれた死亡事故も起きています。足元だけでなく、屋根などにも気を配って歩行しましょう。
そして、雪道を安全に歩くには、”ペンギン歩き”が効果的です。ペンギン歩きとは、小さな歩幅で、体の重心をやや前にして、可能な限り靴の裏全体を床につけながらゆっくりと歩く方法です。雪の日の歩行では、ペンギン歩きを心がけてみてください。
運転するときの対策
雪道を運転する場合は”脇道を通らない”ということが重要です。雪道は車のスピードが落ち、では、道路の状態が悪いことや速度が遅くなることから、渋滞にハマるケースも少なくありません。そのため、渋滞を避けようとして脇道を通ると、に行くことも考えられます。
しかし、脇道は除雪されておらず、道が凍っている可能性があります。高く、雪の轍によっても事故が起きやすくなっています。大雪の中で車を運転する際は、脇道を通らず、確実に除雪されている道を通るようにしてください。
また、渋滞が長く続いており、なかなか自宅に戻れないというケースも考えられます。何時間も車内で過ごすことを想定して、災害用トイレは車に用意しておきましょう。また、災害時の食料、毛布やカイロなどの防寒グッズも車にあると役立つため、日頃から車内に備えておくことをおすすめします。
大雪に備えて万全の対策を
今回は、大雪の前にできる備えや、大雪時の作業および外出時に気をつけるべきポイントについて紹介しました。
大雪は事前に速報が流れる場合が多いですが、突然降り積もる可能性もあります。毎年雪が降っている地域でも、油断せず大雪に備えることが大切です。備蓄品や除雪・防寒グッズなど必ず必要になる物に関しては、出来るだけ早めに準備しておくと慌てずに済みます。
本記事を参考にしながら、大雪に備えて万全に対策しましょう。