あさひ舟川「春の四重奏」とは、朝日町で見られる北アルプスの残雪、桜のトンネル、鮮やかなチューリップ、菜の花を楽しめる富山の春の風物詩です。
本記事では、あさひ舟川「春の四重奏」とは何か、歴史、見どころについて紹介しています。富山を代表するあさひ舟川「春の四重奏」について興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
あさひ舟川「春の四重奏」とは?

あさひ舟川「春の四重奏」とは、富山県朝日町に広がる春の絶景です。残雪が美しい北アルプスの山々を背景に、舟川べりの桜並木や色とりどりのチューリップ、鮮やかな菜の花が楽しめます。
あさひ舟川「春の四重奏」は、例年4月上旬〜中旬頃の桜の開花シーズンが一番の見頃です。2025年の開催時期は、4月上旬~中旬を予定しています。(※富山の桜開花予想の3~5日ほど遅れて開花)
舟川べりにある桜並木にはたくさんのソメイヨシノが植えられており、春になると川面に桜が映し出されます。満開の桜が生み出す優しい薄ピンク色は、日本ならではの春の訪れを感じさせてくれます。
桜並木の周辺では、色とりどりのチューリップ畑と黄色い菜の花畑が広がり、鮮やかなコントラストを生み出します。背景には白銀に輝く北アルプスの山々がそびえ立ち、あさひ舟川「春の四重奏」でしか見られない雄大な景観を作り出します。
晴れた日は北アルプスの山々と青空のコントラストがより美しく感じられるため、つい写真を撮りたくなることでしょう。
桜並木の手前に並ぶチューリップや菜の花は、田畑の状況によって毎年並べる順番が変わります。毎年異なる景色を見られるのも、あさひ舟川「春の四重奏」の魅力の一つです。
あさひ舟川「春の四重奏」の歴史
あさひ舟川「春の四重奏」の景観は、長い年月をかけて地元の方々が作り上げてきた歴史深い名所です。朝日町のチューリップ農家「チュリストやまざき」の山崎久夫さん、山崎修二さんが中心となり、美しい景観を保つため丁寧に整備を続けています。
舟川の周辺は、今から110年以上前に久夫さんの祖父らにより耕地整備された場所で、久夫さんは「朝日町の花咲かじいちゃん」という愛称で地元の方々から親しまれています。
舟川べりの桜並木は、地域の景観向上のため1957年に地元の人たちによって植えられました。堤防の両岸1,200mの間には、約280本もの美しいソメイヨシノが花を咲かせています。全盛期には30軒ほどあったというチューリップ球根農家ですが、今では「チュリストやまざき」の1軒だけが残っています。
あさひ舟川「春の四重奏」は、「たくさんの方に出会いたい」という地元の方々の願いが込められています。そして、あさひ舟川がもっと愛される場所になるよう、桜以外にも極早生のチューリップと菜種油を採るための菜の花を植えました。すると、春の花々と北アルプスの残雪が四重奏を奏でているかのような奇跡の絶景と出会えたのだそうです。
春の四重奏が織りなす絵画のような景観は、富山県民のみにとどまらず、県外からも多くの観光客が訪れる名所として、人々に愛され続けています。
シーズン中の見どころ
あさひ舟川「春の四重奏」は、例年4月上旬〜中旬頃の桜の開花シーズンが見頃です。シーズン中に楽しめるあさひ舟川の見どころを紹介します。
桜並木

堤防の両岸1,200mに広がる舟川べりには、毎年3月下旬~4月上旬に約280本のソメイヨシノが美しく咲き誇ります。
この桜並木は、春の風物詩であるあさひ舟川の中心といえるほど美しく、一際目を惹く存在です。舟川の両岸を淡いピンク色に染め上げる満開の桜は、思わず見惚れてしまうほどの絶景。桜の木の下はトンネルのようになっており、整備された歩道を自由に歩けます。
桜のトンネルをくぐると、まるで春の世界に入り込んだような気分になれることでしょう。夜にはライトアップや期間限定でかがり火も焚かれるため、日中とは異なる幻想的な夜桜を楽しめます。
また、満開の桜は写真撮影にもぴったりのロケーションです。桜のみを撮るのもよし、桜を背景に写真を撮ればSNS映えすること間違いなしです。
4月上旬の満開時期はもちろん、あさひ舟川の桜並木はピークを過ぎた後も幻想的な美しさを感じさせてくれます。風に乗って散った花びらがひらひらと舞う光景や、足元に落ちた花びらが地面に広がっているのも魅力の一つです。
桜の花びらが水面に落ち、川の流れに乗って帯状に広がる光景も、儚い美しさがあります。満開の華やかさとは一味違う魅力を感じられることでしょう。
菜の花畑

菜の花は、桜やチューリップとともに春を代表する花の一つで、あさひ舟川「春の四重奏」においても欠かせない存在です。
菜の花といえば、大きい絨毯のように広がる黄色い花畑です。あさひ舟川の菜の花畑では、絵画のように美しく色鮮やかな菜の花畑が見られます。どこを切り取っても絵になる写真が撮れるため、一面に広がる菜の花畑を背景に写真を撮るのもおすすめです。
あさひ舟川「春の四重奏」の景観のために重要な菜の花畑ですが、この菜の花は菜種油を採るために作られています。写真を撮るために畑に入る、花を折るなどの行為はしないようにしましょう。
チューリップ畑

あさひ舟川「春の四重奏」のチューリップは、3月下旬から4月下旬まで楽しめます。期間中に咲くチューリップは、全部で22品種、60万球にものぼります。チューリップには「コンサート」「ピランド」「スイートハート」など品種が書かれたプレートが付いているため、お気に入りの品種を探してみるのもいいかもしれません。
チューリップは、花を咲かせたままにしておくと球根の養分が吸い取られてしまいます。そのため、花びらが散る前に機械で摘み取ります。摘み残しや品種によっては手作業で行う大変な作業です。摘み取られたチューリップの花びらは桜の養分として活用するのも、美しい景観を維持するための秘訣です。
チューリップの球根は、舟川べりに咲いている桜並木、菜の花の開花とタイミングを合わせて、毎年秋に植えられています。すべての開花時期を合わせるのは非常に難しいものの、オランダから極早生の品種を取り寄せるなど、長年試行錯誤を続けてきました。訪れた人により美しい景観を楽しんでもらえるよう、現在も農家が一丸となって栽培に取り組んでいます。
チューリップは、少しの衝撃でも弱ってしまう可能性があります。そのため、畑の中やあぜ道に入ることはせず、砂利道から観賞してください。また、農家の方が農薬散布など作業中の場合は、作業の妨げにならないよう風上に移動するようにしましょう。
あさひ舟川はシーズン以外にも見どころが満載
春に花々の満開を迎えるあさひ舟川ですが、シーズン以外にも見どころが満載です。一年中楽しめるあさひ舟川の魅力を紹介します。
田んぼアート

毎年5月下旬になると、地域の親子150名が稲を使って田んぼに巨大な絵を描く「田んぼアート」が行われます。50a(1a=100㎡)の田んぼに7種類ほどの古代米などで描かれるユニークなアートは、2025年で20周年目を迎えました。人気の撮影スポットとしても注目を集めています。
あさひ舟川の田んぼアートは毎年描かれるテーマが異なるのも特徴です。地域とのつながりや富山の文化を意識した作品で、地元の方や観光客から高い評価を受けています。
9月下旬〜10月上旬に収穫したお米は「まるごとアート米」として、「まめなけ市場」や「らくち〜の」などで販売されています。
舟川べり

春には満開の桜並木を楽しめる舟川べりですが、夏の終わりから秋にかけては「ひまわり」や「彼岸花」が咲き誇ります。
9月中旬〜下旬には、1.06haに広がる田畑一面にひまわりが咲きます。鮮やかな黄色のビタミンカラーは、明るく元気な気持ちにしてくれることでしょう。ひまわり畑は、翌年のチューリップ畑の緑肥としても活用されています。
また、ひまわり畑と同時期の9月中旬〜10月上旬には、約600mに渡って舟川べりに彼岸花が咲き誇ります。舟川新町内会や町民有志の方々60名ほどが2016年から3年計画で植え、今でも丁寧に維持管理を続けています。約3万球もの彼岸花の真っ赤な絨毯が、人々を魅了しています。
あさひ舟川「春の四重奏」で富山の絶景を満喫
あさひ舟川「春の四重奏」は、毎年素敵な春の訪れを感じさせてくれる魅力的なイベントです。可愛らしい花々や北アルプスの壮大な絶景は、小さな子どもからお年寄りまで訪れたすべての人を楽しませてくれるでしょう。
あさひ舟川「春の四重奏」を訪れる際は、当日の天気や開花情報をチェックしてから行くことをおすすめします。朝日町が誇る春の風物詩を体感しに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所 | 富山県下新川郡朝日町舟川新 |
アクセス | 【車】 北陸自動車道「朝日IC」より5分※土日は会場周辺への車両の進入を制限 【シャトルバス】 あいの風とやま鉄道泊駅より10分 【あさひまちエクスプレス(要予約)】 北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅より直行18分 |
公式サイト | https://www.asahi-tabi.com/sijuusou/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/asahi_tabi/ |
協力金 | 500円 ※桜並木保護活動への協力金として |
問合せ先 | 0765-83-1100(朝日町役場商工観光課) 0765-83-2780(朝日町観光協会) |
開催期間 | 2025年4月上旬〜中旬 |
駐車場 | あり ※来訪者の安全確保と渋滞対策のための交通誘導員配置、シャトルバス運行等の運営費として1台1,000円 |