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戸建ての防犯対策まとめ・場所別の備えについても紹介

戸建てがマンションよりも空き巣に狙われやすい理由や、実際の被害件数、特に狙われやすい戸建ての特徴について徹底解説します。玄関・窓・庭・室内で今から出来る防犯対策も詳しく紹介します。戸建ての防犯対策を万全にして、安心なマイホーム生活を送りましょう。

戸建てはマンションよりも空き巣に狙われやすい?

テレビのニュースなどで、戸建ての空き巣被害について目にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。警視庁「住まいる防犯110番」によると、全国の令和5年の住宅を対象とした侵入窃盗犯罪件数は、判明しているものだけでも1万7,469件ありました。前年度と比べると11.3%も増加しており、単純計算では1日に約48戸の住宅が被害に遭っていることになります。

富山県では、令和5年の空き巣・忍込みなどの侵入被害が一年間で309件。前年度の450件に比べると減少しているものの、決して少なくない数と言えます。
(参考:住まいる防犯110番「データで見る侵入犯罪の普威」/警視庁)
(参考:富山県の侵入犯罪発生状況/富山県警察)

認知出来ている住宅対象侵入犯罪の発生場所で、一番多いのが「戸建て住宅」です。理由としては、出入り口が1階にあることや、窓の数も多いことから侵入や逃走のルートが確保しやすいことが挙げられます。また、戸建て住宅はマンションと違って管理人がいない、防犯カメラやオートロックの設置率が高くないということも侵入者からすると好条件で、戸建て住宅が狙われやすい要因になっています。

このことから、戸建て住宅の中でも「高い塀や植物に囲まれていて、人目につきにくい家」「留守が多い、留守中だと分かる家」「施錠していない、窓が開いたままの家」など、防犯対策が手薄に見える家は特に狙われやすい環境であると言えます。

場所別の戸建て防犯対策

戸建て住宅に住む際は、事前の防犯対策が必須です。家族みんなが安心して暮らせるために、ぜひ覚えておきたい場所別の防犯対策を紹介します。

警視庁の調査によると、令和5年の戸建て住宅の侵入犯罪の侵入口は「窓」が最も多く、全体の約55%と半数以上もの割合を占めているため、防犯対策が最重要になる場所です。

窓からの侵入手口はガラス破りが多いですが、無施錠の窓からの侵入も多くあります。戸建ての窓はいくつもあることから侵入のリスクが高く、しっかりとした防犯対策が必要です。
(参考:住まいる110番「手口で見る侵入犯罪の脅威」/警視庁)

防犯ガラス・防犯フィルムの利用

防犯ガラスは通常の窓ガラスよりも耐久性が高く、バーナーを当てても、バールで思い切り叩いても割れない構造になっています。手間やコスト面で防犯ガラスの導入が難しい方は、手軽にできる防犯フィルムもおすすめです。フィルムを貼り付けるだけで、窓ガラスが割れにくく、突き破れないフィルムになっています。業者に依頼しなくても自身でできるので、安価で取り組みやすい防犯対策です。

CP製品の窓を選ぶ

引用:CPマーク/警視庁

CP製品とは、警視庁や行政をはじめとした各種専門団体が認めた「防犯性能の高い建物部品」のことです。侵入者が、ドア錠のピッキングや、こじ開けを開始してから侵入に至るまでの抵抗時間が、5分間以上であると確認されたものがCP製品に認定されます。そのCP製品を、定められた条件で施工した場合に貼付けできるのが「CPマーク」です。

財団法人都市防犯研究センターによると、犯人が侵入を諦める時間として「2分以上5分以内」が最も多く、5分以上耐えることができれば、約7割もの泥棒が侵入を諦めることになります。このことから、防犯性の高い部品の判断基準を「5分以上の攻撃に耐えられるもの」と定め、見てすぐわかるようにCPマークを作りました。CPマークがあるだけでも、侵入を断念する要素になります。

面格子の取り付け

空き巣の被害を防止するためには、面格子の取り付けが効果的です。しかし、家全体に設置すると費用がかかってしまうという懸念があります。

面格子の設置場所としては、浴槽や脱衣所、トイレの小窓などが最適です。これらの窓は、人目につきにくいことに加えて換気の頻度が多いため、空き巣に狙われやすい場所になっています。また、2階の窓も1階と比べて無防備になりがちですが、だからこそ面格子の設置をおすすめします。

面格子を設置していると、一見で防犯対策をしている家だとわかるため、犯罪の抑止力が期待できます。面格子と防犯ガラスを一緒に設置すると、より高い強度が期待できます。

玄関

警視庁によると、戸建て住宅の侵入口として「窓」に次いで多いのが「玄関・出入り口」です。最も多い侵入手口は「無施錠」となっています。日頃から玄関の施錠は忘れずに行う習慣をつけることはもちろん、事前にできる防犯対策もあるので実践してみましょう。
(参考:住まいる110番「手口で見る侵入犯罪の脅威」/警視庁

主錠に加えて補助錠の利用

補助錠とは、最初から設置されている主錠とは別のサブとなる鍵を指します。出入り口のドアに2つの鍵がついていることによって、侵入に時間がかかるため見つかるリスクも高くなります。外から鍵が2箇所あることがわかれば、侵入者の躊躇する要因になるためより効果的です。

CP製品のドアを選ぶ

窓と同様に、ドアもCP製品を選ぶことで防犯性能は高くなります。CP製品のドアの鍵は、「ワンドアツ―ロック」の主錠+補助錠が基本になっている、ピッキングに強いなど防犯を強化した作りです。新築やドアの交換を考えている方は、CP製品をおすすめします。

ディンプルキーの導入

鍵穴に複雑なくぼみがある、特殊な形状の鍵をディンプルキーと言います。昔から戸建てでよく使われている鍵からディンプルキーに変えることで、ピッキングに時間を要するため防犯効果が高まります。同時に、複雑な形状であることから鍵の複製防止にも繋がります。

センサーライトや音の出る砂利を利用

戸建ての出入り口は、玄関だけでなく、裏の勝手口が狙われやすいことも忘れてはいけません。勝手口は死角になっていることが多いことや、玄関よりもリスクが低くみられ対策が不十分なことから、侵入されるケースが多くあります。玄関と同様に、防犯性の高いドア・鍵を導入するほか、人が近づくとセンサーで光るライトや、踏むと音が鳴る砂利を敷くことも防犯対策として有効です。

戸建ての場合、普段は人があまりいない庭の防犯対策も必須です。庭は、ドアや窓などと比べるとリスクが低いと感じるかもしれません。しかし、庭の見通しが悪いことで、侵入者が出入りしやすい環境になってしまうため、しっかりとした防犯対策が必要です。

死角には防犯カメラを設置する

庭の死角は、侵入犯が特に狙いやすい場所です。防犯カメラを設置することで犯罪の抑止力になることや、家の中からでも監視できます。また、下見に来た怪しい人物を確認できたり、もしトラブルがあったときには証拠映像として記録できるので安心です。

庭全体の見通しを良くする

庭周りの見通しが悪いと侵入者は出入りしやすく、怪しい動きをしている人がいても気づきづらくなってしまいます。侵入者が入りづらい環境を作るためには、庭全体を見渡せるような作りにすることが重要です。また、庭の手入れが行き届いていないと、防犯対策が薄い家と認識される可能性があります。防犯性を高めるために、庭の手入れはこまめに行いましょう。

塀・柵は適度な高さにする

高い塀や柵は、犯人が簡単に乗り越えられないため、防犯対策として有効的といえます。しかし、一度侵入されてしまうと周囲から見えなくなり、犯人の隠れ場所として好都合になります。かといって低すぎる塀や柵を選ぶと、さらに侵入しやすい環境を作ってしまうというデメリットがあります。

塀・柵は、犯人が飛び越えにくく、侵入された場合も隠れづらい適度な高さの縦格子を選ぶのが最適といえます。生垣を設置する場合は、トゲのついている低木もおすすめです。

室内

敷地内に入られる前に侵入防止できることが最善ですが、万が一侵入されたことを想定して、今から出来る防犯対策を紹介します。

ホームセキュリティの設置

セキュリティ会社では、防犯セキュリティシステムが、自宅を24時間365日監視してくれる、ホームセキュリティシステムを導入しています。万が一侵入を感知すると、機器から大きな音が鳴り、セキュリティ会社にも連絡が行く仕組みです。防犯対策を強化させたい方は検討してみると良いでしょう。

貴重品は見つかりにくい場所に隠す

侵入者はお金やブランド品など、すぐに持ち逃げ出来る金目の物を狙うケースが大半です。貴重品を盗まれないためには、リビングなど人目につくところは避けて、金庫や見つかりにくい場所に隠しておくことがポイントです。

郵便はポストに溜めないようにする

ポストに郵便を溜めることにより「あの家はしばらく留守にしている」と、侵入者に目をつけられてしまう可能性があります。侵入する際のターゲットにされやすくなるため、ポストに郵便が入っていないか、入っていたら取り出す習慣をつけましょう。
長期間自宅を留守にする場合は、一時的に新聞・郵便の配達停止手続きを行うと安心できます。郵便は、届いた手紙類を郵便局で最長30日間預かってもらえるため、郵便ポストの状態から留守を見抜かれる心配がなくなります。

遠隔操作できる家電製品の利用

出張や旅行先への長期滞在などにより、自宅をしばらく空けるケースでは、部屋の明かりや電気の使用状況から、留守であることを悟られてしまうこともあります。そのような場合は、遠隔操作できる家電製品が役立ちます。スマートフォンやタブレットなどを使って、タイマーを設定するだけで家電が作動し、家の中で人が生活しているかのような印象を与えられます。

防犯対策を万全にして安全な戸建て生活を送ろう

今回は、戸建ての侵入犯罪件数や狙われやすい環境について、戸建てでできる防犯対策などを紹介しました。戸建ては、マンションなどの集合住宅よりも侵入のターゲットにされやすいのが現状です。記事で紹介した場所別の防犯対策をしっかりして、安心安全なマイホーム生活を送ってください。

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トイエバ編集部

トイエバ編集部

様々な富山の情報をお届けするトイエバ編集部です!

地域情報メディア、toiebaでは「グルメ」「住宅」「防災」「ペット」「観光」をテーマに、富山を知り尽くした地元のライターや防災に関する専門家、ただただペットを溺愛する飼い主など、多様なライターが集まるtoiebaが楽しくにぎやかに、そしてためになる情報をお伝えしていきます。

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