停電の備えで必要なものを紹介|避難時の注意点も徹底解説

停電の発生理由は台風や暴風雨、火事など自然災害によるものから、鳥やヘビによるものまでさまざまです。本記事では、停電の原因や停電時の備えで必要なもの、避難時の注意点までくわしく紹介します。いつ起こるかわからない停電に備えて、今から出来る停電対策に興味がある方はぜひチェックしてみてください。

停電はどのように起きる?

停電とは、発電所からの送電が何らかの原因により止まってしまい、1分間以上にわたって電力が停止する状態のことです。停電が起きると家の中の電力が全て停止され、日常生活に大きな支障を与えることも少なくありません。また、停電はどの程度続くかわからないため、電気が使えるまでの間は自力で生活せざるを得なくなります。停電が起きる理由には、大きく分けて以下の6つが挙げられます。

台風や暴風雨によるもの

台風や暴風雨によって建物の屋根や樹木が倒れ、電線が切断されると停電が起こります。瞬間的な突風により建物の壁や看板、ブルーシートなどが吹き飛ばされて、電柱に衝突することも珍しくありません。また、大雨による地盤の崩れで電柱が倒れる、川の氾濫で電柱ごと流されるということもあります。

地震によるもの

地震が原因で発生する停電も少なくありません。地震の揺れや土砂崩れ、地面が一時的に液体のように柔らかくなる液状化現象(えきじょうかげんしょう)などにより、電柱や電線が破損して、停電が発生します。

地震は、地域の電力供給にも大きな被害を与える可能性があります。強い揺れの場合、発電所から電気を送るための送電線の損傷や、変電所自体が停止してしまうこともあります 。さらに、地震による土砂崩れや地滑りによって、地中に埋設しているケーブルが損傷し、停電が発生する場合もあります。

大雪によるもの

富山県のように雪が多く降る地域では、大雪による停電も発生します。電線の上に降り積もった大きな雪のかたまりに強風が吹くことで、電線が大きく揺れます。このとき近くの電線どうしがぶつかることで、停電が発生する場合があります。

また、電線付近にある樹木に雪が降り積もり、雪の重みに耐えられなくなった枝や幹が電線に倒れて停電が発生することも少なくありません。雪の多い地域では、規模を問わず、毎年大雪による停電が発生しています。

雷によるもの

雷が電線や電柱などに落ちて、停電が発生するケースもあります。雷が落ちることで大きな電気が電柱や電線に流れ込み、柱上変圧器(ちゅうじょうへんあつき)やヒューズなど、電気を送る設備が損傷してしまいます。

雷による停電で変圧器が損傷してしまうと、復旧作業に時間を要する場合も少なくありません。被害が広範囲の場合は、復旧に時間がかかる場合もあります。

また、雷が瞬間的に出す電力は約200万〜1億ボルトといわれており、電柱に落ちた雷が電線などを伝って家の中に流れ込んでしまうこともあります。強い電気が流れると、PCやテレビなどの電子機器を破損する可能性もあります。

鳥やヘビによるもの

鳥やヘビが電線と電柱の金具に同時に接触すると、電気が正常ではない方向に流れ停電が発生する場合があります。また、鳥が巣を作る際に針金ハンガーを使っていると、電気を通しやすい素材のため停電を助長してしまうケースもあるのです。鳥の巣による停電は、繁殖期を迎える春から夏にかけてが多くなります。

住宅地での火災によるもの

電柱付近の住宅で火災が発生すると、火によって電線や電柱が破損して停電を起こす場合があります。また、住宅街で火災が発生したときは、電柱に被害が及んでいなくても安全確保のため意図的に停電させる場合があります。これは電力会社が消防当局の要請に応じて、一時的に火災現場付近の電気の流れを遮断させています。人々の安全と円滑な消火活動のために必要なことです。

停電が復旧する仕組み

停電の復旧作業は、変電所に近い地域から順次作業を進めていきます。故障している箇所が特定できたら作業員が緊急出動し、原因を除去します。故障の原因によって、電柱の建て直し、電線の張り替え、設備の取り替えなど、被害の規模によって作業はさまざまです。

原因次第ですぐに復旧作業が完了することもあれば、多くの時間を費やすこともあります。そのため、もしもの場合も焦らず対応できるよう、日頃から停電の備えを万全にしておくことが大切です。

停電時に必要なもの

大規模な停電が起きると、家中の明かりがつかないだけでなく、電化製品やライフラインも止まってしまう恐れがあります。もしもの事態に備えて、停電が起きた際に特に必要なものを7つ紹介します。

食料、飲料水

家庭で備えておくべき防災備蓄の食料・水は、「1人当たり最低3日分、出来れば1週間程度」が目安といわれています。しかし、停電の規模や住んでいる地域によって復旧にもばらつきが生じます。こうした事態に備えるため、日頃から防災備蓄の食料はもしもの事態を想定しながら安心できる量を備蓄しておきたいものです。

また、水は飲料だけでなく洗濯やトイレなどの生活用水としても使用します。水は、飲料水のほかに「水道水をポリタンクに貯める」「浴槽の中に水を張っておく」など生活用水を備えておきましょう。

災害時の食料について、何をどのくらい備えておくべきか迷ってしまう方も少なくありません。防災備蓄食の詳細については、以下の記事もチェックしてみてください。

乾電池・モバイルバッテリー

携帯ラジオなどを使う際は、乾電池の備えが欠かせません。停電後に購入しようとしても、品薄状態で手に入らない可能性があります。そのため、乾電池は常にストックしておくと安心です。懐中電灯などは単1形乾電池を使うことが多いですが、他の機器には単3形乾電池を使う製品がほとんどです。両方のサイズを余分に備蓄しておくと、もしもの場合に役立つでしょう。

停電時に備えて、モバイルバッテリーも備蓄しておくのがおすすめです。災害時はスマートフォンを使った情報収集がメインになる方も多いはずです。コンセントが使えないため、停電時のモバイルバッテリーは重宝するでしょう。中でもソーラー充電式のモバイルバッテリーは太陽光で再充電ができるため、停電が長引く際などは非常に役立ちます。

モバイルバッテリーは、スマートフォン以外にも、USBで接続できる家電であれば充電できます。手持ちの家電がUSBに接続できるものかどうか、事前にチェックしておくと良いでしょう。

携帯ラジオ

停電時には、被害状況や避難の必要性、支援を受けられる場所など必要な情報を得るための情報源が必須です。普段情報を得ることが多いテレビが使えなくなるため、停電に備えて電池式もしくは手回し充電式の携帯ラジオを備蓄しておくと安心です。

携帯ラジオがない場合はスマートフォンのラジオアプリ・テレビアプリでも代用できますが、スマートフォンはラジオ以外にも使用頻度が高い機器です。充電の消耗が気になる方は、携帯ラジオの備えをおすすめします。

夜間の照明

停電は日中の明るい時間帯に起こるとは限りません。また、大規模停電の場合は復旧までに1日かかる可能性もあるため、夜間の停電に備えた照明を用意しておくと安心です。家の中や避難時に足元を照らせる電池式の懐中電灯や充電式のLEDランタンなどを備えておきましょう。

災害用のグッズとしてろうそくも便利ですが、火を使うことから火事の危険性があります。子どもがいる家庭に限らず、火事を避けるためになるべく火を使わない照明器具の備えが必要です。

薬・衛生用品

停電時は、普段と違う生活を過ごすことになるため体調を崩しやすくなります。特に、小さな子どもやお年寄りは注意が必要です。そのため、常備薬や普段服用している薬はすぐに取り出せるところに準備しておきましょう。転んで怪我をした場合に備えて、ばんそうこうや消毒液があると便利です。

また、大規模停電の場合は手が洗えない可能性もあります。ウェットティッシュや除菌スプレーなどの衛生用品も用意しておくことをおすすめします。

使い捨てカイロ、アルミ保温シート

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冬場に停電が起こると、暖房が使えなくなるため防寒グッズの備えが欠かせません。使い捨てカイロやアルミ製の防寒シートで身を守りましょう。使い捨てカイロは10〜14時間ほど暖かさが持続するほか、貼るタイプであればさらに保温効果が期待できます。

アルミ製シートは体に羽織るほか、窓ガラスに貼って外からの冷気を遮断するのにも最適です。

着替え、防寒着

冬場の停電では、寒さがつきものです。体調を崩さないよう、暖かい防寒着を用意しておきましょう。ダウンコートやウインドブレーカーなどの上着だけでなく、マフラー、ネックウォーマー、手袋、厚手の靴下など全身の防寒具も備えておくと重宝するでしょう。

また、冬だけでなく夏場の停電は冷房や扇風機が使えなくなります。汗をかいてもいいよう多めの着替えや、速乾性・通気性がある素材の洋服を準備しておくことがおすすめです。

停電時に注意すべきポイント

もしも停電した時に、注意したいポイントを3つ紹介します。

電化製品のプラグを抜く

停電が起きた際は、電化製品の電源プラグを抜くようにしましょう。コンセントに差し込んだままでいると、復旧した際に一気に電流が流れて電化製品が故障する可能性があります。特に、アイロンやヒーター、ドライヤーなど発熱する電化製品はプラグを抜かないと、発火して火災につながる恐れがあります。

避難時はブレーカーを落とす

家から屋外に避難する際は、避難前に必ずブレーカーを落とすことも重要です。停電により自宅が浸水などの被害を受けた際、家電製品や電源コードの内部に異常が発生し、再通電した際にショートし火災につながる可能性があります。

阪神・淡路大震災や東日本大震災でも、復旧後に火災が起きる「通電火災」が多く発生しました。そのため、避難時はブレーカーを落としてから家を出ましょう。

屋内で自家発電機を使用しない

自家発電機は、基本的に屋外で使用するために作られています。そのため、テントや車内をはじめとした屋内での使用は絶対にやめましょう。また、ガソリン式の発電機の場合は、火災や爆発の恐れがあります。一酸化炭素中毒の危険性もあるため、屋外のみで使用してください。

もしもの場合に備えて停電の知識を身につけよう

今回は、停電が起こる原因や復旧の仕組み、停電時に必要なもの、避難前に注意したい点について紹介しました。

停電は、地震や火事など自然災害によるものから、やむを得ない人為的なものまでさまざまな原因で発生します。いつどこで起こるか予測できないため、日頃からの備えがとても大切です。

本記事を参考にしながら、停電時の行動について家族間でも共有し合い、もしものときに落ち着いて行動できるよう備えましょう。

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トイエバ編集部

トイエバ編集部

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