家族でつなぐ、石窯パンの名店
富山市の中心部、富山駅北の富岩運河環水公園から車で2分ほどの住宅街に、深い緑色の建物があります。
落ち着いた通りにあるこのお店は、ひっきりなしにお客さんが訪れる人気のパン屋さん「石窯で焼くパンの店 BOB」。
「BOB」とは、「BRICK OVEN BAKERY(石窯で焼くパン屋)」の頭文字からつけられた名前です。常連さんからは「ボブさん」と親しみを込めて呼ばれています。


木のドアを開けて店内に入ると、香ばしい小麦の香りに包まれます。温かいオレンジの灯りと、スタッフの優しい笑顔に迎えられて、ほっと安らぐ空間です。
店内にある立派な梁や柱は、改装する前の倉庫の名残だそう。今から30年以上前、店主・畠山考平さんのご両親が建物を改装し、お店を始めました。現在は息子の考平さんが店主となり、その味を受け継いでいます。


店内に入って右手側にはパンなどの販売スペースと、左手側にはイートインスペースがあります。そしてパンが並ぶ奥の壁、横長の四角い窓から見えるのが、この店の象徴ともいえる石窯です。
考平さんの父・畠山誠さんがイメージ画を描き、それをもとに作られたオリジナルの窯だといいます。

「毎朝2時には仕込みを始めます。石窯は温度管理が難しく、その日の状態に合わせて調整しなければなりません。焼け具合はこの小さな窓から見るんですが、目ではほとんど分かりません。感覚がすべてですね。父から細かく教えられたことはなくて、見よう見まねでした」と笑う考平さん。


子供の頃から休みの日は店を手伝い、調理師学校で学び、東京のパン店で経験を積んできたという考平さん。幼い頃からパンに囲まれて育ち、自然と感覚が磨かれていったのかもしれません。
現在では親子で窯の前に立ち、多くの人に愛されるパンを焼き上げてています。
ファンが絶えない理由
電気窯を使った石窯パンの店が多いなか、BOBでは薪をくべて焼く昔ながらの製法を守っています。
大きなハード系のパンを通常のオーブンで焼こうとすると、低温で長時間火を入れる必要があり、水分が抜けてパサつきやすくなります。しかし高温の石窯なら、外側を素早く焼き上げながら、遠赤外線の効果で水分を保ったまま内側まで火を通すことができます。
BOBならではの味わいは、石窯とそれを扱う職人の技があってこそ。この味を求めて、県内各地から、そして県外からも多くの人が訪れます。

店内には40〜50種類ものパンやサンドイッチが並びます。どれもファンが多い人気の商品ばかり。迷ったときは、ぜひスタッフにおすすめを聞いてみてくださいね。好みに合ったパンを教えてくれますよ。こうした対面での接客も、店主のこだわりのひとつです。
「東京から富山に戻ったときに一番違いを感じたのは、お店の雰囲気でした。以前の職場ではお客さんの顔が見えないところでしたが、この店では、どんな人がどんなパンを買っていくかがわかり、よりお客さんの生活を身近に感じられます。ここでパン屋ができて本当に良かったです」と話す考平さん。
取材中も、初めて会ったお客さん同士が会話する場面がありました。こうした光景は、このお店では珍しくないそうです。小さかった子どもが大人になり、親のためにパンを買っていく…そんなお客さんも増えているといいます。
石窯パンのおいしさはもちろん、お客さんと育んできた心の通い合いこそが、長く愛され続ける理由なのかもしれません。
迷ったらコレ!BOBのおすすめパン
BOBで人気なのは「フランスパン」などのハード系パン。噛み応えがあり、小麦の風味をしっかりと感じられるパンです。
子供から大人まで、世代や性別を問わずファンが多いのはソフト系のパンです。サンドイッチにぴったりのみずみずしくふわふわのパンは、窯の温度が下がる午後に向けて焼かれています。
午前はハード系のパン、お昼頃にはソフトなパンやサンドイッチが並び、目当てのパンを求めてお客さんが訪れます。たくさんのパンの中から、特に人気のパンを教えてもらいました。
BOBを代表するフランスパン「アンクル」
イチオシは「アンクル」です。フランス料理の付け合せから着想を得たという、オープン当初からある、BOBオリジナルの大きなフランスパンです。
バリバリザクザクの厚いクラスト(皮の部分)と、ふんわり柔らかいクラム(内側の白い部分)。その食感の対比が魅力です。ひと噛みごとに小麦の豊かな香りで満たされます。石窯の強みを存分に活かした看板商品です。

一番のおすすめは、切ったその場で食べること。大きなハードパンは熱を長く保つため、移動時間によっては自宅でも温かいうちに食べられます。焼き立て・切りたてを楽しみたい人には、ランチで味わうこともできますよ。

全粒粉の香りが広がる「くるみ&レーズン」
ハード系の中で特に人気なのが「くるみ&レーズン」。味わい深い生地は全粒粉で香りが良く、練り込まれたくるみとレーズンが良いアクセントに。バターとの相性がとても良くておすすめです。


どんな料理にも合わせやすい「フォカッチャ」
ソフト系のパンならフォカッチャがおすすめです。ふかふかもちもちで歯切れが良く、シチューやスープと食べたり、適度な塩味がサンドイッチにもよく合います。
定番は平焼きのフォカッチャですが、フォカッチャロールやちぎりパンなどのバリエーションも人気です。食べ方に合わせて選んでみてくださいね。


素朴な味わいの「プレミアムコッペ」
子どもから大人まで人気のソフト系パンはコッペパン。外も中もふんわり柔らかく、そのまま食べてもとってもおいしい!スクランブルエッグを挟むのがおすすめとのことで、手軽にアレンジできるのも魅力です。


バリエーション豊かなBOBのパン。焼き菓子やスイーツも店内で作られたものが購入できます。店主の気まぐれで並ぶ商品もあるそうなので、訪れる前にInstagramをチェックしてみてくださいね。

もっと気軽にパンを楽しんで
「ハード系のパンは、慣れていないと手が出しづらいと思います。だから、気軽に食べてもらいたくてランチを始めました。どのメニューも、家で再現しやすい料理にしているんです」と話します。
おいしいパンを、よりおいしく食べるヒントが詰まったランチをご紹介します!
まずはお試しワンプレートランチ

ランチのおすすめは「ソーセージと自家製ベーコンのランチ」です。
マリネやソテーなどの付け合せは、素材にこだわり店内で作られています。メインのベーコンは自家製で、ぜひ味わってほしい一品。しっかりと燻された香り高いベーコンから旨味が広がり、パンとの相性バッチリ!
一緒に食べるパンは、アンクルと日替わりパン。店内で食べる焼き立てパンならではのおいしさが楽しめます。


石窯で焼いたしっとりなめらかチーズケーキ
ランチと一緒なら、焼菓子を100円引きで注文することができます。
今回は「石窯バスクチーズ」をいただきました。薪で焼いたチーズケーキは表面が香ばしく、口当たりはしっとりなめらか。控えめな甘さとチーズのコクがたまりません。

石窯で焼いたデザート。ランチとセットがお得です。

店内では、ジャムやメープルシロップのほか、パスタやトマト缶、卵なども販売されています。食事と一緒にパンに親しんでもらいたいという思いからだそうです。いろんな食べ方を試してみてくださいね。

地元で愛される人気店
石窯で焼き上げるパンならではのおいしさはもちろん、初めてでも気軽に立ち寄れる雰囲気も、このお店の魅力のひとつです。
パン選びに困ったときは、「この料理に合うパンはどれですか?」とスタッフに尋ねてみるのもおすすめです。また、人気のパンは売り切れてしまうこともあるので、気になる商品は事前の予約もできます。

パンはスタッフが取り分けてくれます。ぜひお話ししながら選んでみてくださいね。
石窯で焼く香ばしいパンと、心まで温まるような接客。何度も通いたくなる、そんな魅力が詰まったお店でした。
※商品価格は記事掲載時の金額です。実際の価格とは異なる場合があります。
| 店名 | 石窯で焼くパンの店 BOB |
| 住所 | 富山県富山市奥田双葉町12-35 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/bob_bakery1993 |
| 営業時間 | パン販売 10:00〜18:00(売切れ次第終了) ランチ 11:00〜14:00(ラストオーダー13:00) イートイン 10:00~14:00 |
| 定休日 | 日曜日・月曜日・祝日 |
| 駐車場 | あり (9台) |
| 決済方法 | カード・QRコード決済対応 |