いつ起きるか分からない災害に備えて、無理なく効率的に防災備蓄できる「ローリングストック」について詳しく紹介します。ローリングストックをする上で重要な備蓄、消費、補充サイクルの具体的な説明や、導入することのメリット・注意点まで幅広く説明しています。始める時のポイントや工夫も分かりやすくまとめているため、防災対策の参考にしてみてください。
ローリングストックとは
近年、記録的な豪雨や地震など予期せぬ災害が増えています。災害大国とも呼ばれる日本では、今後いつどこで大きな災害が起きてもおかしくありません。万が一の事態に備えて防災用品を保管している方も多いと思いますが、いざという時に期限切れだったということが懸念されます。そんな中で現在「ローリングストック」という、防災用品・備蓄食の保管方法が注目を集めています。
ローリングストックとは、日用品や普段食べている食品を多めに買い置きして、期限の古いものから消費し、消費した分だけ新たに買い足す方法です。使った分だけ新しいものを足すことにより、期限内のものを一定量自宅に備蓄できます。常にストックを備えておけるため在庫切れの心配もなく、食品は賞味期限切れによるフードロス削減にも繋がります。
ローリングストックのメリット
ローリングストックにはどのような特長があるのでしょうか。ローリングストックのメリットを紹介します。
品質期限切れを気にする必要がない
日常的に古いものから順に消費していくため、使った分だけ買い足せば、品質期限切れを心配する必要がありません。これまで防災用品といえば、5年や10年保管のものを購入し、期限が迫ってきたら買い替えるという手法が一般的でした。
しかし、なかなか管理が行き届かずに気づけば期限が切れていた、という経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。ローリングストックであれば面倒な管理は必要なく、使ったら買い足すを繰り返すだけで防災用品が管理出来ます。
災害時にもストレスなく食べられる
災害時は不安や恐怖が付きまとい、強いストレスで気が休まらない日々が続きます。そんな時に食べ慣れていない防災食を口にすると、食べ物が喉を通らない可能性も。ただでさえ心が弱っている状況下で、体力保持のために必要なエネルギーや栄養を摂れなくなれば、心身ともに大きな負担がかかり健康を損ないかねません。
ローリングストックを日常的に導入することで、災害時にも普段から食べ慣れた食事ができ、安心感からストレスの緩和にも繋がります。また、日常生活でも調理をしているため、作り方が分からないなど戸惑うこともありません。
災害時に支援物資の遅れが生じても安心
災害時は流通や製造がストップし、支援物資の遅れが生じる可能性も大いにあります。災害後に発生する不安による買い占めなどから、防災用品の確保に苦労してしまうことも考えられます。そんな時、ローリングストックを導入していれば、常に期限内の在庫が十分にある状態にしておけるため、万が一の時も気持ちに余裕ができます。
日用品は特売日にストックできる
ローリングストックをしておいた方が良い日用品には、乾電池・ラップ・ティッシュ・ポリ袋・マスク・アルコール除菌・生理用品などがあります。これらの日常から必ず使う日用品は、特売日に多く買っておけば低コストで備蓄できます。日用品のローリングストックは、災害だけでなく感染症の流行のためにもおすすめです。
ローリングストックの注意点
簡単に始められてメリットがたくさんあるローリングストックですが、気をつけたい注意点をいくつか紹介します。
普段から防災用品のスペース確保が必要
日常的な消費と補充が必要なローリングストックは、自宅ですぐに出し入れ出来る保管スペースの確保が必要です。普段からスムーズな出し入れが出来ないと、期限が管理しやすいというローリングストックのメリットが生かせません。そのため、自宅のどこに保管するかを始める前に検討しましょう。
調理用品が必要になるものもある
ローリングストックは、非常用に作られた食品ではなく普段のレトルト食品や缶詰、カップ麺を備蓄します。そのため、食品に合わせて調理器具や食器、箸などが必要になる場合があります。ストックする食品を食べるには、他になにが必要になるのか確認が必須です。
始め方とポイント・工夫
ローリングストックを始めたいけれど、何からすればいいか戸惑ってしまう方もいるかもしれません。ローリングストックは「古いものから日常的に消費して、消費した分だけ買い足す」というシンプルな大原則以外、特に大きな決まりはありません。普段の買い物ついでに備蓄食を買い足せるため、難しく考えすぎず自分に合ったやり方で、負担のないようにすることがポイントです。
防災備蓄の食料は「最低3日分、出来れば1週間程度」が目安と言われています。ローリングストックする前に、まずは家族の人数や年齢、食品アレルギーなどから必要な備蓄食と分量を考え、ストック品を保管できる十分なスペースを確保することから始めます。この時、保管する場所は直射日光が当たらず高温多湿を避けた場所を選ぶようにしましょう。例として、玄関とキッチンのどちらからも行き来しやすい場所は普段の動線上にあることから、出し入れがしやすくおすすめです。反対に直射日光が当たるベランダや普段取り出しづらい場所などは保管に適していないため、避けた方がいいでしょう。
ローリングストックする上での工夫として「家の中の複数箇所に保管場所を分散させる」という方法があります。分散させることで、地震などで家の一部が損壊した際にも他の部屋から食料の取り出しができます。水など重くてかさばるものはキッチン以外に収納することで、その分たくさんの備蓄が出来るでしょう。その他にも、管理のしやすさを考えて「食品を種類ごとに分けて保管する」ことも、ストック状況が一目で把握しやすくなるためおすすめです。収納する際は新しいものを奥に、古いものを手前にすることで、より管理と把握が楽になるでしょう。
ローリングストックにもECサイトがおすすめ
ローリングストックは、日常の買い物の中でできるというのがメリットですが、初めはECサイトでまとめて購入してしまうのもおすすめです。検索機能を使えば好みの食料だけでなくアレルギー持ちの方や小さな子ども、高齢の方向けの商品でも簡単に探せます。
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日頃出来ることからローリングストックを始めよう
今回は、備蓄食を管理する上でおすすめの「ローリングストック」について紹介しました。いつ起きるか分からない災害を想定した日常的な防災備蓄対策はとても重要です。災害が起きてから焦ることのないよう、日々の買い物で実践してみるなど、無理のない範囲で自分に合ったローリングストック方法を試してみてください。