みなさん「テロワール」って聞いたことがありますか?
ワインの原料となるブドウの産地の気候や地形・風土などの個性を表現する言葉です。
富山県では、そんなテロワールという言葉を使って、富山の自然や生産者の想いが詰まった野菜や果物・花を、もっとたくさんの人に知って食べてもらおう!という、「とやまテロワールベジ」という取り組みを行っています。
そんな富山の個性がきらりと光る「とやまテロワールベジ」に選ばれた野菜たちを紹介します!

今回は、「とやまテロワールベジ」に選定されている「新川だいこん」を紹介します。
だいこんといえば、煮物やおでん、大根おろしで食べるもの。
そんなイメージを、いい意味で覆してくれたのが「新川だいこん」でした。
口にしてまず驚いたのは、甘みとみずみずしさ。生で食べるとフルーツのような甘みがあり、食感はすっと口の中でほどけるよう。調理しなくても、そのままで十分おいしいと感じるほどでした。
では、新川だいこんは普通のだいこんと何が違うのでしょうか。
そのおいしさの理由を探るため、新川大根出荷組合の組合長・高慶一雄(こうけい かずお)さんにお話を聞きました。
普通のだいこんと何が違う?特徴は“見た目”と“食感”

新川だいこんは、富山県内のスーパーなどで購入できる、地元ではなじみのあるだいこんのひとつ。富山県内では、4つの生産者・団体によって生産されされています。
新川だいこんの特徴を尋ねると、高慶さんがまず挙げたのは「ひげ根の少なさ」でした。

\見た目の特徴/
🔶ひげ根が少ない
🔶表面に深いくぼみができにくい
🔶白く、なめらかな見た目
ひげ根が少ないことで、すべすべとした美しい姿に育つ新川だいこん。取材中には「美人だいこん」という言葉も出てきましたが、確かにその表現がぴったりです。

\味の特徴/
🔶フルーツのような甘み
🔶みずみずしい
🔶繊維が口に残りにくい
🔶すっとほどけるような食感
味について高慶さんが挙げたのは、「みずみずしさ」と「口の中に残らない感じ」。食べたときに繊維が残りにくく、すっとほどけるような食感が特徴だといいます。
実際に生で食べてみると、その感覚がよくわかります。かじった瞬間に広がるのは、だいこんらしいさっぱり感というより、フルーツのような甘みと水分。みずみずしく、口の中で溶けるように消えていきます。
「だいこんは火を通して食べるもの」と思っている人ほど、一度生で味わってみてほしい。そんな新川だいこんです。
おいしさの秘密は「水はけのよい土づくり」

新川だいこんがとやまテロワールベジに選ばれた理由について、高慶さんは、50年以上続く伝統的な栽培方法や、他産地との差別化につながる品質の高さが評価されたのではないかと話します。
取材で出てきたキーワードが「一条高うね深層施肥」。少し難しい言葉ですが、うねを高くし、1列でだいこんを育て、肥料を効率よく吸えるように工夫する栽培方法です。

高いうねにする理由は、水はけをよくするため。
富山は水田地帯が多く、土に水分が残りやすい環境です。ただ、だいこんにとって水分が多すぎる土は、品質を保つうえでよい条件とはいえません。そこで新川だいこんでは、雨が降っても水がすぐにはけるように、うねを高く仕立てます。
また、平らなうねに2列で多く植えるのではなく、あえて1列で育てることも特徴です。本数を詰め込みすぎないことで風通しがよくなり、管理もしやすくなる。結果として、品質のよいだいこんづくりにつながっているといいます。

栽培で特に気を使う作業を尋ねると、高慶さんは、「うねを立てる前の土づくりからすでに始まっている」と話してくれました。大切なのは、水はけのよい場所を選ぶこと。そして、湿気がすぐ抜けるような土壌をつくることです。

昔からの方法を守るだけでなく、その年の土や天候を見ながら調整していく。そうした積み重ねが、なめらかでみずみずしい新川だいこんに結びついています。
ホテルJALシティ富山のシェフに聞く、家庭で簡単レシピ
生で食べても甘みとみずみずしさを感じられる「新川だいこん」。
今回はホテルJALシティ富山のシェフに、同じ下ごしらえで食事とデザートの2品が楽しめる簡単レシピを教えていただきました。
逆転おろしそば&葛切り風黒蜜きな粉大根
そばに大根おろしを添えるのではなく、新川だいこんのおろしを主役にした“逆転”の一品です。

どこで買える?出荷はいつまで?

\出荷時期/
新川だいこんの出荷時期は、春夏ものが6月上旬ごろから7月中旬ごろまで。秋冬ものは10月ごろから収穫が始まり、高慶さんのところでは2月ごろまで扱うそうです。

\購入できる場所/
新川だいこんは、県内スーパーで購入できます。売り場では「新川だいこん」と表示されているので、見かけたらぜひ手に取ってみてください。
選ぶときに注目したいのは、ひげ根の少なさと表面のなめらかさ。白くきれいで、すべすべとした印象の1本に出会えたら、まずはそのまま生で。新川だいこんらしい甘みとみずみずしさを、いちばんわかりやすく感じられるはずです。
「新川だいこんじゃないとだめ」と言われるのが、いちばんうれしい

新川だいこんづくりでやりがいを感じるのはどんなときか。
そう尋ねると、高慶さんは、食べた人から「新川だいこんじゃないとだめ」と言われたときがうれしいと話してくれました。
50年以上続く栽培方法を守りながら、水はけのよい場所を選び、土を整え、高いうねをつくる。そうした一つひとつの手間を重ねてきたからこそ、消費者からの声が大きな励みになっているそうです。
高慶さんは「新川だいこんを目にする機会があったら、ぜひ手に取って食べてもらいたい」と話します。
今後はさらに生産量を増やし、安定して届けられる体制を整えながら、新川だいこんをもっと身近な富山の野菜として届けていくことを目指しています。










