寒い季節になると、なぜか無性に恋しくなる店がある。富山市大島に店を構える讃岐うどんの名店「なか道」だ。
冬が近づくと、なか道の鍋焼きうどんを求めて足を運ぶ人が増え、立ちのぼる湯気とともに店内は独特の熱気に包まれる。その光景は、もはや富山の冬の風物詩と言ってもいいだろう。

辛すぎない、やさしい辛チゲ鍋焼き!
運ばれてくる鍋からは、勢いよく湯気が立ち上り、熱した鍋がスープをはじく「バチバチ」という音が食欲を刺激する。視覚、聴覚、嗅覚を一気に掴まれるこの瞬間こそ、「なか道」の鍋焼きうどんの醍醐味だ。

今回いただくのは、10月~5月の期間限定の「チゲ鍋焼きうどん」1,480円(税込)。
キムチチゲをベースにしたスープは、見るからに体が温まりそうな赤い色合いだが、ひと口すすってみると意外にも穏やかな印象を受ける。
辛さが前面に出るのではなく、だしの旨みとコクがしっかりと感じられ、最後まで食べ疲れしないバランスに仕上がっている。

このチゲ鍋焼きうどんには、少し珍しい食材が使われている。それが「カクテキ」だ。
キムチ鍋といえば白菜キムチが定番だが、「なか道」では角切り大根のカクテキを使用している。シャキッとした食感と、噛むほどに広がる大根の旨みが、スープにほどよいアクセントを加えてくれる。

なぜカクテキなのか。その理由は驚くほどシンプルだ。 調理を担当する岩本さんが「個人的にカクテキが好きだから」。この一言に、この店らしさが詰まっている。
奇をてらうのではなく、作り手自身が「おいしいと思うもの」を素直に形にしているのだ。

もうひとつ、このメニューの大きな特徴は「辛すぎない」こと。 こちらも理由は同じく、「岩本さんが辛いものが苦手だから」。その結果、辛さが得意でない人でも安心して食べられるチゲ鍋焼きうどんが生まれた。
刺激はあるが、決して攻撃的ではない。じんわりと体を温めてくれる、やさしい辛さが印象的だ。

主役となるうどんは、讃岐うどんの名店らしいしっかりとしたコシ。 熱々のスープの中でも存在感を失わず、噛むたびに小麦の風味が広がる。具材とスープ、うどんが一体となり、最後の一口まで飽きさせない完成度の高さを感じる。
湯気を全身に浴びながら食べ進めるうちに、自然と体がぽかぽかと温まり、額にはうっすらと汗がにじむ。寒い冬の日に、あえて熱々の鍋焼きうどんを食べて汗をかく。その心地よさを、改めて実感させてくれる一杯だ。
富山の冬を支えるアツアツやみつき系の「鍋焼きうどん」

「チゲ鍋焼きうどん」は、辛さで押し切る料理ではない。作り手の好みとやさしさが、そのまま味に表れた、冬に寄り添ううどんである。
寒さに吸い寄せられるように、またこの店を訪れてしまう理由が、ここには確かにある。
| 店名 | うどん なか道 |
| 住所 | 富山県富山市大島1-211 |
| 公式サイト | 無 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/nakamiti_4929156/ |
| 営業時間 | 平日 11:30~14:30 土日祝 ~15:00 |
| 定休日 | 月・火 |
| 駐車場 | 11台 |
| 問合せ先 | 076-492-9156 |
| 予約可否 | 不可 |
| 決済方法 | 現金、QRコード決済(PayPay) |
| 座席数 | カウンター:10席 テーブル:12席 小上がり:14席 |